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外務委員会で質問に立ちました。(平成30年11月28日 議事録)

○玄葉委員 玄葉光一郎です。無所属の会に所属をしています。

今日は、議題となっております日本とEUのEPAと、例の日米の一月から始まるであろう通商協議、そして北領土の問題について、30分という限られた時間ではありますが、質問したいと思います。

まず、日欧EPAについては一点だけでございます。データの取扱いについて気になっております。つまり、EUの規格というのは厳格でありますし、プライバシーの保護が重要視されているわけでありますけれども、今回の日本とEUのEPAの協定におきまして、このデータの扱いはどうなっているのでしょうか。

○山上政府参考人 お答えいたします。                                            ただいま委員御指摘の個人データの越境移転の件でございますが、日・EUのEPA協定それ自体には、具体的な規定というのは設けられてございません。ただし、日本とEUの当局間では、この協定、EPAとは別途、相互の円滑な個人データの越境移転を実現するための取組を進めております。

今年の7月でございますが、日本側においては個人情報保護委員会、EU側におきましては欧州委員会、この双方の委員会の間で、日・EU双方の個人データ保護の制度を同等のものと認定することで一致したところでございます。それを受けまして、現在は日・EUの双方で必要な国内内部手続を進めているところと承知しております。

○玄葉委員 これは、データについてこれから大変大事な時代を迎えていると思うんですね。協定にはないということでありますけれども、ぜひ、これから日本はEUといわば上手に連携して世界全体のデータのルールをつくり上げる、そういう意味で、よいきっかけにしてもらいたいというふうに思っています。そのデータに関連して大変気になっていることがございます。それは、中国のいわばデータ囲い込み戦略ともいうべき、一種の私は長期の国家戦略だと思っておりますけれども、そういった問題でございます。

つまり、GAFAと中国はBAT、いわゆるバイドゥ、アリババ、テンセントとありますけれども、例えば、アメリカは企業で囲い込み、中国は国家単位でデータを囲い込むということが起きているように思います。外国企業は中国で取得した

データを海外に持ち出すことは禁止をされ、これに対して、中国の企業は国外で取得したデータを持ち帰ることができる。さらに、衛星あるいはアンテナあるいは監視カメラなどを使って、さまざまな個人の情報が、中国の場合、結果として国家の手元にどんどん入ってくるという仕組みになっているのではないかというふうに危惧しております。

アリババなどもいわゆる小口の貸出サービスなどが行われていて、決済の情報などは恐らく全て国家の手元に集まってしまうということが起きていて、現実にキャッシュレスで電子マネーの決済でありますから、それが日本にもどうも進出をするということのようでありますから、こういった中国のデータ戦略については、私は、日本国家として危機感を持って向き合わないといけないというふうに思っておりますけれども、この中国のデータの戦略についての認識とその対応策について、外務大臣に、これは事前に通告をしておりましたので、お伺いをしたいと思います。

○河野国務大臣 中国のサイバーセキュリティー法及びその関連規定の中には、中国国内で収集及び発生した重要データは中国国内で保存しなければならず、業務の必要により国外に提供する必要がある場合は、中国の規則などに従うことが求められております。

日本の企業の中には、こうした規制は、運用の仕方によっては、中国市場における外国企業の活動を実質的に阻害することになると懸念があり、こうした懸念を踏まえ、我が国としては、中国に対して、日本企業の正当な権利を害することがないよう、関連する国際ルールなどに則した制度を透明性のある手続のもとで実施するよう求めてきております。

また、2017年12月に開催された第11回WTO閣僚会議において発表された電子商取引に関する共同声明に従って、将来の交渉開始に向け、いかなる事項を対象とし、いかなる形式で規律を作成するかなどについて、日本を含む有志国の間で準備段階の議論が行われているところでございます。

また、2017年12月以降、特定の第三国を念頭に置いているものではありませんが、日米欧の三極で、市場歪曲的措置への対処について議論を行ってきております。ことし9月の第四回会合においては、デジタル貿易及びデジタル経済の成長を促進するための協力を行うこと、あるいはデータセキュリティーの促進を通じたビジネス環境の向上を図ることについても確認をしているところでございますので、御指摘の懸念については、政府としても、企業活動あるいは個人情報の保護その他の観点からきちんと対応してまいりたいと思っております。

○玄葉委員 これはぜひ、経産大臣などとも連携をしてもらって、結局、例えばTPPなどは、現実に中国が行っているような技術移転の要求とかソフトの公開要求というのは明確に禁止をしています。つまり、公平なルールの中にぜひしっかりと組み込むということを、経産大臣などと連携をして、してもらいたいというふうに思います。

次に、前回の質疑で積み残したというか、日米の通商協議のことでございますが、WTOとの整合性について、あのときに山上さんと議論をいたしましたけれども、もう一度しっかりと確認をしたいと思います。改めてこの議事録も確認をしておりますけれども、日米で通商協議を行って、そのでき上がるものがガット二十四条八項に言う自由貿易地域に当たるかどうかということは予断することはできない、仮に、日米間で合意する内容、これを最恵国待遇を適用する、他の国にも均てんするということであれば、二十四条八項の問題にはならないという面もございます、こういういわば一般論で答弁をされているわけであります。

でも、論理的にはあり得ても、実際上はあり得ないというふうに私は思います。つまりは、日米でこれから協定が結ばれることになっているわけでありますけれども、その協定の内容が全てWTO加盟国、他の国にも均てんされる内容を想定しているとはとても私には考えられないわけであります。

そういう意味で、例えば、聞き方を変えますけれども、これまで日本が二国間の通商協定、幾つも日本が持っている協定がございますけれども、日本が持っている二国間の通商協定で決められたことについて、いわゆるMFN、最恵国待遇で全ての国に開いた、そんな例はあるのでしょうか。

○山上政府参考人 お答えいたします。

過去の例というお尋ねでございましたので、例えば、日米間で交渉をいたしまして一定の市場開放措置をとることとした、その措置をガットの最恵国待遇の原則に従って実施していくという形は、過去に例としてはございます。

例えば、古い話でございますが、八〇年代、牛肉・かんきつ交渉などを行ったときは、日米間の交渉を踏まえて、日本は輸入数量枠の拡大あるいは関税の引下げといった措置をとることにしたわけでございますが、そこの日本側の書簡でも、ガットの最恵国待遇の原則に従い実施するということが明記されている、こういう例はございます。

○玄葉委員 それでは、今回、日米で取り決める協定でございますけれども、協定で、先ほど申し上げたように、決められた税率、場合によっては、例えば農産物はTPP並みに、最大限の譲歩はTPP並みが最大である、こういうふうに決めているわけでありますけれども、仮にそうなった税率が他の国にも均てんされるということは本当にあり得るんでしょうか。

○山上政府参考人 お答えいたします。

お尋ねの件は、このTAG、日米物品貿易協定の内容、どのような形でまとまるかということかと存じます。

いかんせん、アメリカとの具体的な交渉は、今後、茂木大臣とアメリカ側のライトハイザー通商代表との間で行われることになるわけでございます。その結果につきまして、今、交渉が始まっていない現段階で予断することは困難でございまして、その点は差し控えさせていただきたいと存じます。

○玄葉委員 私、本当にごまかしの答弁が続いていると思います。あり得ないと思います。現実にそんな協定なら、もうやめた方がいいと思いますね。そんな交渉ならですね。これは、確実にでき上がったものについて、いわゆるWTO上の例外を求めていくということに必ずやなっていくはずであります。そうなると、これはもう実質FTA、RTAじゃないと例外って認められていないので、実質FTAなんですね。その実質FTAということを言われたくないために、こういうふうに、もうだらりだらりというか、そろりそろりというか、ごまかしの答弁が続いているということが実態であります。

大変残念なのでありますけれども、やはり言葉で逃げないで、きちっと正面から内容で勝負をするというふうにしないと、日本の政治が成熟をしていかないという面があると思うので、しっかりこれは正面から受けとめてもらいたいと思っています。

北方領土の問題もやりたいので、時間がだんだんなくなってきますけれども、この間、農産物について、最大限の譲歩がTPP水準であるというのは早く切り札を切り過ぎたんじゃないかということを田中副大臣に言った記憶がございますけれども、改めてもう一言申し上げると、自動車分野の交渉が当然焦点にもう一つなるわけでありますけれども、TPPでは、日本の農産物の市場開放と米国の自動車の関税撤廃がパッケージで合意をされているわけであります。

日本からの自動車2.5%関税は25年かけて撤廃、トラックへの25%関税は29年間維持し30年目に撤廃ということで合意をしています。これ自体、かなり日本は譲っていると思いますけれども、最低限これは当然とりに行くというか、とるということでよろしいですね。

○田中副大臣 今御質問がありましたTAGにおける自動車分野に関する件だと思いますが、これは日米の共同声明においては、パラグラフの五におきまして記載があるということについてのことだろうと思います。

この記載は、あくまでも具体的な措置ではありません。米国がこれまで表明してきた基本的考え方をそのまま述べたものであります。日本としては、自由貿易の旗手として、やはり、自由で公正な貿易を歪曲するような、管理貿易につながりかねない措置については反対ということであります。その旨は米国にも明確に伝えているところであります。いずれにいたしましても、我が国として、いかなる国とも国益に反するような、そういう合意は行うつもりはございません。

○玄葉委員 簡潔に答えてください。

TPPで日本側が、相当譲歩していますけれども、いわばとったと言われている、自動車関税をいずれ撤廃するということについて、必ずとりに行きますねと聞いています。イエスかノーかで結構です。

○田中副大臣 今御質問ありました件でありますが、具体的な交渉はこれからということであります。そういった意味では、交渉の結果を全て予見することは困難であると思いますが、今御質問あったような形で、国益に沿うような形での交渉は進めていきたいと思っています。

○玄葉委員 そんな弱気でどうするんですか、これから交渉するのに。TPPでとったことは最低とらないと。

もっと言えば、今申し上げたような自動車の関税の問題がとれないなら、当然、逆に言えば、農産物のTPP並みの譲歩もしちゃだめですよ、やはり。そういうことでいいですね。

○田中副大臣 当然、交渉の内容ということに入っていくわけでありますが、我が国としては、やはり攻めるべきものは攻めて、そして守るべきは守るというスタンスであります。

これは茂木大臣も発言しているところでありますけれども、例えばアメリカ側から農業問題について要求が来たということであれば、当然、自動車も含めた工業製品、こういうものに関してはTPPでも関税がゼロとなってくるというわけでありますので、しっかりとこのラインは守るべき、攻めるべきは攻めたいと思っております。

○玄葉委員 正直、頼りない答弁でありますけれども、やはり、ある意味、農産物はあそこまで発言しちゃっているんですね、日本側は。それはやはり、自動車の関税がせめてゼロにならないか、あそこまで、私は、最大限の譲歩であると言っているわけですから、最大限と言っているわけですから、別に全てにおいてそこまで譲歩する必要はないので、やはりきちっとほかのものでとれなかったらそこまで譲歩しないという決意でぜひ臨んでもらいたいというふうに思います。

北方領土の問題でありますけれども、北方領土について、まず日ソ共同宣言。首相は、日ソ共同宣言にある交渉の対象は四島の帰属の問題だ、こういうふうに答えておりますが、対象は四島でよろしいでしょうか。

○河野国務大臣 今回、総理とプーチン大統領は、1956年の日ソ共同宣言を基礎として平和条約の交渉を加速するということで合意をいたしましたので、その両首脳の合意に沿って交渉してまいりたいと思います。

○玄葉委員 いや、安倍さんは、日ソ共同宣言の読み方として、交渉の対象は四島である、こう言っているわけでありますが、それでよろしいですね。

○河野国務大臣 従来から、政府は、領土問題を解決して平和条約を締結するということを申し上げてまいりまして、それが基本方針でございます。

○玄葉委員 何で四島と答えられないのかわかりませんけれども、首相も言っているわけであります。

ちなみに、第九条、歯舞諸島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する、この引き渡すという意味はどういう意味でしょうか。

○河野国務大臣 これから日ロの交渉を加速化しようということでございますので、政府として、交渉の場以外のところで政府の考え方、方針を申し上げるのは差し控えさせていただいております。

○玄葉委員 これは基本中の基本だと思います。

例えば、プーチン大統領はこの問題について発言をしています。そのことについて、日本国の立場が全く、いわゆる交渉以外の場で発言してはいけないということになると、むしろ交渉ポジションを弱めることになるのではないかというふうに思います。プーチン大統領も、別に交渉の場で話をしたわけではございません。

では、別の聞き方をいたしますけれども、例えば、この間、政府の中から、北方領土問題について、従来の方針とは変わらない、こういう発言が出ているわけでありますが、従来の方針とは何でしょう。

○河野国務大臣 領土問題を解決して平和条約を締結するのが政府の基本方針で、この方針に変わりはございません。

○玄葉委員 菅官房長官は、四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する、そういう従来方針に変わりはないと言っておりますが、それでよろしいですか。

○河野国務大臣 領土問題を解決して平和条約を締結するのが我が国の基本方針で、変わりはございません。

○玄葉委員 そうすると、外務大臣と菅長官は言っていることが違うということになりますけれども、それでもよろしいですか。

○河野国務大臣 同じことを言っております。

○玄葉委員 それではもう一度聞きますけれども、四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するというのは、従来の方針ですね。

○河野国務大臣 領土問題を解決して平和条約を締結するのが我が国の基本方針でございますので、方針に以前と変わりはございません。

○玄葉委員 先ほどの日ソ共同宣言の交渉対象が四島だと安倍総理が発言をしていて、外務大臣は答えない。今回、この基本的な基本でありますけれども、日本のこれまでの従来方針について、菅長官と外務大臣が違う答弁をしている。

もう一回お聞きしますけれども、菅長官は確実におっしゃっています。四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するというのが従来方針であるということですが、これでよろしいですね。

○河野国務大臣 政府の方針に変わりはございません。(発言する者あり)

○若宮委員長 ちょっと速記をとめていただけますか。

〔速記中止〕

○若宮委員長 では、速記を起こしてください。

河野大臣。

○河野国務大臣 菅長官の方針が政府の方針と同じでございます。

○玄葉委員 それで結構です。

内閣府のホームページに、政府の基本的立場、北方四島に対する我が国の主権が確認されることを条件として、実際の返還の時期、態様については柔軟に対応する、これが日本の政府の基本的立場だというふうにホームページで書いてございます。

私も、かつて、北方四島の日本への帰属が確認されれば、そのいわゆる返還の時期であるとか態様であるとか、そういったことについては柔軟に対応するということを何度も外務委員会の場で答弁した記憶がございます。これが私は従来の方針だと考えておりますが、それでよろしいですか。

○河野国務大臣 これから交渉を加速化しようというところでございますので、政府の考え方、方針を交渉の場以外で申し上げるのは、交渉を有利に運ぶことになりませんので、差し控えております。

○玄葉委員 これは従来方針は変わっていないというふうにおっしゃるから、私は改めて聞いて確認をしているわけです。これが私は日本国政府としての従来の方針だと思います。仮にそうではないということであれば、従来方針は転換をされたというふうに言わざるを得ないと思いますけれども、いかがですか。

○河野国務大臣 これから交渉に当たるわけでございますので、その中で、政府の考え方、基本方針というのは交渉の場で申し上げることにしておりますが、交渉の場以外で政府の考え方、方針を申し上げるのは、交渉を有利に運ぶことにつながりませんので、差し控えさせていただいているところでございます。

○玄葉委員 いや、従来方針の説明ですから。今、交渉にどう向き合うかということを聞いているわけではありません。従来の方針を教えてほしい、改めて確認をさせてもらいたいと言っているわけですから、交渉に影響を与えるわけではありませんから、むしろ、言わないことが交渉のポジションを弱めるということにつながりかねないというふうに思います。いかがですか。

○河野国務大臣 玄葉委員はそう考えていらっしゃるかもしれませんが、政府としては、そのように考えておりません。交渉の場以外で政府の考え方、方針を申し上げるのは、交渉の立場を弱めると考えておりますので、差し控えさせていただいております。

○玄葉委員 だから、交渉の立場を言っているわけではない、聞いているわけではない。従来の方針を聞いている。従来の方針を言うことが、なぜ交渉と直接関係あるのか。今、ある意味、向き合い方が変わっているわけですから、新しいアプローチと言っているわけですから。ですから、従来の方針を説明してほしいと言ったときに、従来の方針が説明できないということであれば、明らかに従来の方針は転換されたということだろうと思います。

ちなみに、予算委員会で不法占拠ということについて答えなかったということでありますけれども、法的根拠なく占拠し続けている、この言葉は言えますか。

○河野国務大臣 これから日ロで交渉することでございますので、こうした一連のことについて、政府の方針、考え方を交渉の場以外で申し上げるのは差し控えております。平和条約が締結された際には、国会にお示しを

して、しっかりと批准のための審議をしていただきたいと思います。

○玄葉委員 それでは、また別の聞き方をしますけれども、日本国としては、北方四島は、何ゆえ、日本国の歴史的にも法的にも固有の領土だというふうに主張してきたのですか。

○河野国務大臣 これから交渉するところでございますので、政府の考え方、方針を交渉の場以外で申し上げることは、交渉の立場を弱くすると考えておりますので、差し控えさせていただきます。

(発言する者あり)

○若宮委員長 速記をとめてください。

〔速記中止〕

○若宮委員長 速記を起こしてください。

玄葉君。

○玄葉委員 では、いろいろな質問の仕方はあると思うんですけれども、日本がなぜ固有の領土ということを主張しているのかということを聞いています。

○河野国務大臣 これから領土問題を含む日ロの交渉を加速化させようということでございますので、交渉の場以外のところで政府の考え方、方針を申し上げるのは、政府の立場を著しく弱めると政府は考えておりますので、交渉の場以外でそうしたことを申し上げるのは今差し控えさせていただいておりますので、御理解をいただきたいと思います。

平和条約が締結された折には、国会にそれを提出し、批准のための審議をしていただくことになりますので、政府のしっかりとした説明をその場で行わせていただきたいと思います。(発言する者あり)

○若宮委員長 御静粛に願います。

〔速記中止〕

○若宮委員長 速記を起こしてください。

河野大臣。

○河野国務大臣 これから日ロ間の交渉が始まることになりますので、この交渉において我が国の立場をなるべく強くしておきたいと思っております。

交渉の責任者として、いかにこの交渉をしっかりやるかというところに日々心を砕いているところでございますので、交渉の場以外で政府の考え方その他を申し上げると、これがまたメディア等を伝わってロシア側にも当然話が伝わることになります。それに対するリアクションもいろいろあって、それは交渉を進める上で好ましくないと政府は考えているところでございますので、交渉の場以外で政府の考え方を今申し上げるのは差し控えさせていただいているところでございますので、何とぞ御理解を賜りたいと思います。

○玄葉委員 私も、もちろん外交に機微があるということは十分承知をしているつもりであります。

他方、説明責任というのもやはり最低限あるわけであります。国民の理解を得ながら進めていかなければならない面もあるはずです。平和条約を締結をした後、説明するから、それまでは一切政府の原則的な立場も話せないということであっては、全く国会は要らないと言っていることに等しいじゃないですか。これは過度に臆病になり過ぎていると思います。

私も、交渉以外の場での発言で交渉がうまくいかなくなるという懸念というのは常にあるというのはよくわかります。だけれども、過度に臆病になっていると、それは逆に、さっきも申し上げましたけれども、私は、日本の立場を弱めるということになります。だから、ここはバランスだと思うんですね。今、はっきり申し上げて、私の考え方では、河野大臣は臆病になり過ぎているというふうに思っています。

原則的な立場、あるいは従来の方針、あるいは、なぜ日本の領土だと言えるのかということについての最低限の説明が日本の政府から国民に対して、あるいは国会議員に対してなされないというのは絶対あってはいけない話ではないかというふうに思いますけれども、自民党の議員の皆さんも、どう思われますか。そう思いませんか。それは、私も、本当に機微にわたるのはわかるんですよ。でも、交渉の突っ込んだ内容を聞いているわけじゃないんですから、はっきり申し上げて。原則的な立場を申し上げているので。いかがですか。

○河野国務大臣 今度の交渉は、原則的な立場が違う二カ国間の間の交渉でございますので、原則的な立場を申し上げているだけでは、これは交渉にはなりません。そういうことで、政府の考え方、立場、方針、そうしたものは交渉の場で相手方とやりとりをする、そういうことにさせていただいているということを御理解いただきたいと思います。

○玄葉委員 委員長、ぜひこれは理事会で、やはり過度に臆病になっていて、これでは国会で議論にならないということになってしまいます、今後もずっと、交渉中。だから、一体どこまで議論できるのかということについて、前向きな理事会での議論をお願いしたいんですけれども、いかがですか。

○若宮委員長 かしこまりました。

ただいまの件につきましては、理事会で引き取らせていただきます。

○玄葉委員 委員長、最後に。

ぜひこれは、最低限の説明責任は負っていただきたいと思います。それは確かに、機微だから、どこまで言っていいんだろうかということは常にある意味緊張した答弁を強いられることにはならざるを得ないと思いますけれども、それも外務大臣の私は務めだというふうに思います。

私は、今のままいくと、今からもう予言しておきますけれども、二島で最終決着になる可能性がはっきり申し上げて高いというふうに思います。

ですから、さまざまな懸念を持たざるを得ない今回の交渉であるがゆえに、しっかり国会で議論していく必要があるというふうに思います。

以上です。ありがとうございました。

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