東日本大震災復興特別委員会(平成26年4月3日 議事録)
○玄葉委員 玄葉光一郎です。
今日は、ため池の除染から質問させていただこうと思ったんですが、ただいまの高木さんの質疑を聞いて、一言だけ申し上げたいというふうに思います。
今議論になった中間貯蔵施設、これは福島の復興に欠かすことのできない大変重要な課題であります。立場を超えて、受け入れていただくための環境整備を整えなければならないというふうに考えております。
その意味で、先ほどお話の出ていた帰還見通しというのは、私も大変気になっているんですね。つまり、地元の方々と話をしたときに、これがいわば受け入れの条件というより、その前段の、住民説明会を開く条件だ、こういうふうに例えば双葉の町長さんなんかは言っているという実態があるわけであります。
先ほど、地元となかなかかみ合っていないのではないかという厳しい指摘が高木さんからあったわけでありますけれども、確かに、私も行くと、安倍さんが去年の三月に、帰還見通しを示すのだ、夏には公表するんだと言ったじゃないか、あの約束はどうしたんだ、こういうふうに言われるんですね。
根本大臣も、大変御苦労さまだと思うんだけれども、ことしのたしか地元紙のインタビューを私も読みましたけれども、方向性をこの点について示すのだ、こういうふうに言っているんですね。一体どうしたんだと地元の人たちに言われるわけです。
ですから、私も、何とか受け入れていただくための努力を続けたいと思っているんですが、この帰還見通しについては、大臣がやはり地元の皆さんと、腹を割って、ウエットな関係を築いて詰めていかないと、最後詰まらないんじゃないかというふうに考えているものですから、その点について、いかがですか。
○根本国務大臣 帰還見通し、昨年十二月に新たな指針を政府で出しました。そこで、帰還困難区域における除染モデル事業の結果などを踏まえた放射線量の見通し、ですから、私もこれを早く出すようにと指示していますよ。そして、今後の住民の方々の帰還意向、あるいは将来の産業ビジョン、復興の絵姿、これらを踏まえて、地域づくりや除染を含めた今後の取り扱い、地元の皆さんとともに検討を深めていく、これが昨年十二月の政府の指針です。
ですから、私は、この方向に沿って具体的な詰めの作業を急ぐ必要があるので、今それを急がせていますし、具体的に提示をするようにしたいと思います。
それと、今、中間貯蔵施設の問題で、まだ住民の皆様に、例えば我々の地域振興策というのがありますけれども、そこが説明されていないものですから、だから、今そういう段階にあるんですね。だから、我々も早く地域振興策、復興庁は地域振興策を担当しますから、これを提示して、住民の皆様とやりとりをしながらその振興策を深めていく、このプロセスが実は玄葉委員のおっしゃるとおり必要なんですよ。
ただ、今そこが、住民の説明会に入れていないものだから、だから、よく見えないから、ところが新聞にはどんどんどんどん書かれている、だから、どうなっているんだと。私は、そのいらいらする気持ち、本当によくわかります。そして私も、その意味では、大熊町あるいは双葉町も訪れて、そしてさまざまな意見も聞いてまいりました。
例えば大熊町は、先ほども申し上げましたけれども、大川原地区、あそこを拠点にしようと。大川原地区の復興計画は、将来の線量見通しも、町が復興庁と相談しながら提示しましたから、そこに具体像が見えるんですね。そして、大川原地区、あそこは居住制限区域、あそこは除染しましたから、そういうことで、大熊の場合はビジョンが見える。双葉町はそこが見えていないものですから。
ですから、委員のおっしゃることは私もよくわかります。ですから、我々はこれを、プロセスを含めてぜひ前に進めて、そして住民の皆様と、県、自治体の皆様と丁寧に話し合いをしながら、一緒に取り組んでいきたいと思っています。
○玄葉委員 その御苦労はよくわかるんです。
よく伊沢町長と腹を割って、表だけではなくて、やはり非公式に腹を割って話すというのが何より大事じゃないかな、そういう時期だろうなというふうに思います。ですから、中間貯蔵施設の住民説明会というのではなくて、もっと本格的な、本質的な、地域振興のことも含めて話をさせてもらいたいのだというオファーをされたらどうかなというふうに思います。
さて、ため池の除染、これも昨年末から私の方からも内々要請をしておったわけであります。先般、根本大臣が地元に入ったときに、実施をするという表明をいたしました。一歩前進であるというふうに思っております。
その上で、福島県のため池は三千八百くらいあると言われております。一千九百ぐらい、農水省等々で調査を行ったというふうに聞いております。ため池の底の部分から放射性物質が検出をされています。大雨が降ってしまうと、農地に流入してしまうことが懸念されているわけであります。
したがって、農業の振興、あるいはまだ農業が再開できていない地域において再開させるためにも、ため池の除染というものは不可欠だというふうに考えておりますけれども、このため池の除染、その具体的な除染の手法、工法、そしてタイムスケジュール、本来であれば、私は、去年要請をしていた段階では、農繁期には除染はできませんので、ことしの一月、二月、三月に行ってもらいたいという思いがあったわけでありますが、そこは出おくれというふうに言わざるを得ないのですが、これからの具体的な工法とタイムスケジュールについてお示しをいただきたいと思います。