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東日本大震災復興特別委員会(平成26年6月18日 議事録)

○玄葉委員 玄葉光一郎です。
 根本大臣、風評被害対策についてお尋ねをしたいと思います。
 提案でもありますけれども、私も、この風評被害対策について、この間、さまざまな説明を各省庁から受けてきたのです。現状の評価については、私は決して甘くないというふうに思っています。より改善するためにどうすればよいかということであります。
 やはり一つは、根本大臣が、もっと言えば復興庁が、よりトータルで戦略的な風評被害対策を、しっかりと各省庁をグリップして講じることが非常に大切だというふうに強く感じているんですね。
 それは恐らく根本大臣も同じように思っている部分もあると思うのですが、例えば食品摂取の問題、いかに厳しい基準、百ベクレルで、世界基準からすれば大変厳しい基準で日本がそれらを実施しているとか、あるいは、空間線量、健康、遺伝の問題、例えば、万が一被曝していてもこれは遺伝をしないとか、そういう、いわゆる科学的知見に基づくこと、あるいはファクトをどういう手段で効果的に伝えるかということについて、実はそれぞれの省庁は、農林水産省も消費者庁も、努力はしているんですよ、私が見ていても、あるいは説明を聞いていても。ただ、何が起きているかというと、風評被害対策全般について説明してくれと言うと誰も説明できない。これは実態です、率直に言って。
 私は、これは、ぜひ、御地元でもあるので、根本大臣が音頭をとって復興庁で、担当者はいるのはわかっているんですけれども、もっとしっかりと厚みのある体制をつくって全てグリップする。復興庁はこの問題でも一段上にあるのだということで、ぜひこの対策を実施していただけませんか。

○根本国務大臣 委員のお話のとおりだと思います。
 その意味で、多岐にわたる関係省庁で一体となって検討を行って、風評被害対策パッケージ、これを取りまとめました。そして、その中で各省庁と議論をしながら取りまとめた。
 具体的には、被災地産品の放射性物質検査や空間線量把握などの確実な実施、放射性物質の健康影響などを含めた正確でわかりやすい情報提供。これは、今委員のお話にあったように、食品の規制値百ベクレルというのは世界で一番厳しい基準ですから。EUは千ベクレル、アメリカは千二百ベクレル、これだけの厳しい規制値を我が国はやっている。そして、低線量の健康影響の問題も、今の時点での科学的な専門的な知見を取り込んだ情報提供の資料、これも各省庁と一緒に取り組みました。そして、被災地産品の販路拡大、あるいは新商品開発などへの支援、国内外から被災地への誘客促進。これは、各省庁を一緒に参加させて束ねて、そして、全体の風評被害対策をまとめてまいりました。
 ですから、私も、各省庁個別の話を聞かれた場合には、自分の省庁だけの話を言うのではなくて、全体の風評被害対策パッケージをつくってありますから、それも各省庁がそれぞれ、もし自分の個別のところを聞かれた場合でも、全体の対策のパッケージを説明してもらいたいと思います。
 風評被害対策は非常に福島の復興再生にとって、委員がおっしゃるように、私は鍵だと思っていますから、これは政府を挙げて一丸となって取り組む、そして、それぞれの各省庁もみずからの制度をどんどん深掘りしていく、そして、全体で大きなパッケージとしてさらに進めていく、これが何よりも必要なので、委員のおっしゃるように、全力を挙げて取り組んでいきたいと思います。

○玄葉委員 福島県内での科学的知見をそれぞれの住民の皆さんに説明をしていくときに、一番効果的だなと思ったのは、保健師さんとか栄養士さんが歩いてくれるというのはとても効果的なんですね。これは全国に言えることで、いろいろ聞いてみると、消費者庁は専門家三千人を養成した、こういうことなんです。まだまだ足りないと思いますけれども。
 ただ、例えば専門家三千人を養成して、これは人海戦術をして歩く、あるいは説明するのですけれども、今大臣も指摘をされたようなトータルな風評被害対策全般、つまり、空間線量も食品摂取も、健康、遺伝に対する影響も全て説明しているのかと思ったら、実は消費者庁に関係することだけ、その専門家の三千人は説明しているわけですよ。もったいないと思いませんか。
 これはやはり、つくづく思うんですよ、すごく人海戦術はいいので、あるいは基本的にパンフレットもそれぞれ別々なんです、だから、せっかくだから一つに、コンパクトに、今申し上げた三つ、四つのテーマ全部まとめちゃって、そして、栄養士さん、保健師さん、それは一つの省庁からお願いされるかもしれないけれども、復興庁からきちっとお願いして、トータルで説明してもらうというのが一番効果的、戦略的、効率的だというふうに思いますが、いかがですか。

○根本国務大臣 二つあると思います。
 誰が説明するか。これはやはり住民の皆様から信頼される方が一番効果的だと思いますね。ですから、お医者さんとか保健師さん、栄養士さんもそうだと思います。
 そして、地域の状況にもよりますけれども、一番効果的だと思うのは、私は、車座で対話する、あるいは一対一で丁寧に対応していただく。川内村の保健師さんの事例がある。これは非常に効果的なやり方だと思います、リスクコミュニケーションのやり方。
 それから、今お話のように、食品の規制値がどうなっているかとか、あるいは低線量の、先ほど遺伝するかどうかというお話もありましたが、今の科学的知見も専門的知見もありますから、その意味では、ことしの二月に公表させていただきましたが、復興庁、環境省を中心に、関係省庁と連携して、そういう健康影響に関する基礎的情報をまとめました。ですから、これは、こういうものを、私も、おっしゃるように共通のもので説明する。そして、この基礎的情報は、専門家約五十人に全部チェックしてもらいましたから。その名前も書いてあります。そういうもので提供していただく。
 要は、おっしゃられるように、例えば、時点的な問題があると思いますが、消費者庁でもそういう説明資料をつくっている、各省庁もそれぞれ工夫してつくっている。やはりこれらを点検して、共有して、さらにブラッシュアップしていくということが必要だと思います。その意味では、委員の御指摘のようなテーマについて、健康影響に関する基礎的情報というものをまとめてありますから、これをぜひそれぞれの場で活用していただきたいということも、我々連携して取り組んでいきたいと思います。

○玄葉委員 ぜひ、根本大臣、さっき申し上げたように、もう御理解いただいていると思いますけれども、食品摂取も空間線量も健康影響評価もトータルで、パッケージで、せっかく専門家を養成しているのだから、しかも県内だけではなくて全国に向けて説明をしていく、そのことについてのリーダーシップをぜひ発揮してもらいたいということと、やはり地上波テレビの影響というのは大きいです。ですから、政府広報の活用も含めてぜひ検討してもらいたいと思います。
 次に、防災拠点空港の問題で、西村副大臣にお尋ねをしたいというか、提案をしたいと思います。
 三・一一の一つの教訓というのは、いわゆる道路とか鉄道網というものが麻痺をした、そのときに、実は、福島の例を挙げると、福島空港というのは大きな役割を果たした。それは、救援の要員であるとか救援の物資のいわば輸送の拠点になったということがございます。
 したがって、きょう申し上げたいのは、これは日本の全体の防災体制の話でもありますけれども、首都圏の直下型あるいは南海トラフ地震などが起こるというふうに言われている中で、幾つかの地方空港を防災拠点空港として整備してはどうかという提案でございます。
 また同時に、この福島空港、これはそのモデル事業として、国が責任を持って、復興にも寄与するという観点からして、防災拠点としての整備というものをしていくべきではないかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。

○西村副大臣 お答えを申し上げます。
 委員御指摘のとおり、いざ大災害が起こったときに、空港というのは非常に大事な拠点としての役割を果たすこと、これはもう衆目の一致するところであります。被災地に向けて全国からの救援物資を運ぶ拠点、あるいは逆に、被災地から患者さんなんかを搬送する受け入れ拠点としての空港、両方の意味があるわけでありまして、そういう意味で非常に重要な役割を果たしていると私どもも認識をしております。
 御指摘のあった、例えば首都直下地震あるいは南海トラフ、こういった大規模地震のいわゆる災害応急対策活動について、本年度中に具体的な計画をつくるべく検討を行っているところでありまして、その中で空港の位置づけについてもぜひ議論をしてまいりたい、このように考えております。
 御指摘のありました福島空港についての、モデル事業という御質問でありますけれども、さまざまな活動拠点として、周辺に医療機関がどの程度あるとか、あるいは自衛隊との距離とか、そういったものも含めて、地元の自治体の御提案もお聞きしながら、そうした関係者あるいは専門家の御意見も聞きながら、今後、幅広く意見を求めて検討してまいりたいというふうに思います。

○玄葉委員 井上副大臣、石原環境大臣においでをいただきたかったのでありますが、きょうは復興特でございますから副大臣対応ということのようでございます。
 この問題、最後は金目発言、取り上げざるを得ないということでございます、大変ショックでありました。中間貯蔵施設は、先ほども質疑で出ておりましたけれども、福島の復興にとって必要不可欠な施設でございます。与党、野党の枠を超えて、私自身も地権者の皆様にお会いをすればお願いをする、そういう立場でこの間も活動してまいりました。
 ただ、肝心かなめの担当大臣がこのような発言、失言をするということになると、交渉はさらに難しくなるのではないか、結果として福島の復興がおくれるのではないかということを大変危惧しているわけであります。
 当然ながら、この石原大臣の発言というのは撤回をされる、そういうふうに考えてよろしいでしょうか。

○井上副大臣 この件につきましては、これはまさに大臣の御発言でありまして、大臣御自身がきちんと説明をされ、また深く反省をし、謝罪もされておられますので、そのことに尽きることだというふうには思っております。
 撤回ということであれば、大臣からの御発言としては、歩きながらでの話であり、正式な会見ではなかったものであって、誤解を招いたことについて心からおわびをされた、そういうものだと承知をしております。

○玄葉委員 副大臣御自身の発言ではないので、副大臣が答弁する立場かという問題も、そういう部分もあるというふうに思うのですが、大臣の話に尽きるかといえば、やはりそうではないのだろうというふうに思うんです。
 思わず本音が出たのかというふうに疑う人たちも、当然ながら県民にはたくさんいらっしゃるわけです。地元の新聞にも出ておりましたけれども、金で中間貯蔵施設の問題が解決するのかというふうにおっしゃる方々が大変多いです。
 私も実家が原発から四十キロのところにございまして、恐らく石原大臣は、決定的に想像力が欠如しているのだというふうに思うんです。つまり、先祖伝来の土地を手放さなくてはいけない、あるいは本当に墓参りに行けなくなるという人たちの気持ちに一度でも本気で立ったことがあれば、こういう言葉は出ないですよね。
 だから、綸言汗のごとしという言葉がありますけれども、やはり、出てしまったのであれば、もちろん責任をとるなり、けじめをつけるなり、最低でも、発言は撤回されるというのが最低限のけじめだし、県民の皆さんにきちっと謝罪をするということが必要なのではないでしょうか。

○井上副大臣 これも、大臣御自身が御発言をされておりますけれども、決して、金で解決する、そういった趣旨ではないということ。
 ただ、住民説明会が終わった直後であって、住民説明会でも、賠償の金額の話であるとか、あるいは地域振興策、こういったことについて非常に御意見が多かったということで御発言をされたというふうに理解をしております。

○玄葉委員 もちろん、適切な補償というのは必要なことです。ただ、それ以前の、より本質的な問題だというふうに思います。
 大変深刻な状況を、根本大臣、どう受けとめておられますか。

○根本国務大臣 石原大臣がどういうおつもりでお話をされたのか。非常に短い言葉でしたから、さまざまな考えを持たれた方もたくさんおられると思います。その意味では、先ほど来、石原大臣の趣旨、それを副大臣からお話がありました。
 やはり、我々、今、中間貯蔵施設の問題は福島復興再生の大きな鍵ですから、とにかく、住民の皆様には何とぞ御協力をお願いしたい。そして、玄葉委員も私も地元にありますし、私も、そこは、あの三・一一のときにおりましたから、だから、皆さんの気持ちはよくわかりますよ。そして、確かに先祖伝来の土地もある、その問題もよく私もわかる。
 その意味では、我々、この中間貯蔵施設の問題は、とにかく、真摯に、丁寧に住民の皆様にも説明をしながら、そして、御理解を求めて前に進めていくというのが我々の責任であり、使命ではないかと思います。

○玄葉委員 もう質疑時間が終わるのでありますけれども、私も、何とか中間貯蔵施設をつくっていかないと、それぞれの他の地域の仮置き場の処理というか、そういう問題にも大きくかかわるわけであります。非常に私もショックなのですよ。
 ですから、どうやって前に進めるかということを考えているので、そのためには、この間のような釈明ではやはり済まないと思うんです。何らかのけじめなり、おわびなり、発言の撤回なり、さらに踏み込んだ行動を期待したい、求めたい、そのことを申し上げて、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
 

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