『母なる証明』 : ポン・ジュノ監督、 ウォンビン、キム・ヘジャ他
凄い映画だ。人間の本質の極限を描き、質も高く、ストーリーにおいても強い印象を残す。チョン・スイル監督の「黒い土の
少女」を観た時に似たような衝撃を受けた。
脚本を読んだ母役のキム・ヘジャが「まるで動物の母親のようだ」と語ったという。まさに母というものの極限・情念の深さが
主題である。また彼女はそれを見事に演じている。
人間の心の闇に対応するかのように夜と雨、暗やみのシーンが多い。切なく、悲しい。
冒頭とラストのシーンも脳裏に焼き付く。それだけ上手い映画なのだと思う。
少し気になることは、実際に知的障害者を子に持っていらっしゃる母親が、この映画をどう観るかということだ。原始的とも
いえる母性を表現するための設定・キャスティングだと思うけれど……。
(右画像は映画パンフレットより)
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