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国会議事録一覧

国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会(平成13年10月15日 議事録)

○玄葉委員 玄葉光一郎です。これまで民主党の、特に党内の意見集約に当たられてきた方々が、大体十時間ぐらい、特に民主党としての論陣を張ってくださったというふうに思っています。私は少し自由に話をさせていただきたい、そう考えております。私は、かなり早い段階で、新法が必要だというふうに党内で声を上げた一人でございます。それは、まずテロというのが、いかなる理由があれ、悪だ。そして、これまでも議論がございましたけれども、テロの温床となる根本原因の除去がとても大切であることは言うまでもありませんけれども、残念ながら、妥協が通じる相手でないことも冷厳な事実として押さえなくてはいけないだろう。テロ行為を行ったことが損だったと思わせないといけないということであります。その上で、一つは、日本も二十四名の犠牲者を出しているわけですから、当事者として行動しなきゃいけないだろう。二つ目には、国連初め国際的な協調が生まれてきているだろう。三つ目には、日米安保体制という存在もあるだろう。同盟国というのはやはり特別に大事な国だ、そういう観点から、軍事面での一定のサポートも必要だろう、そう考えたわけであります。そこで、改めてお伺いをしたいと思いますけれども、官房長官、新法が必要と思われるに至った思いのプロセスというか、それをぜひ吐露していただきたい、そう思っております。

○福田国務大臣 今委員が御指摘をされた点は、全く私の思いと同じでございます。この事件は、私どもが予想する予想の範囲を超えた事件だと思っております。そしてまた、その犯行を行う手段というものが、我々が想像を絶する手段、すなわちジャンボ旅客機、これを使って、ひとりで自爆するのはいいですが、同乗している乗客すべての命をかけて、そして自爆行為に及んだということは極めて特異な、私は、飛行機に乗るときにはやはり運命共同体だ、こういったような思いを持って飛行機に乗ることがあるんですけれども、みんなお互いを信じて乗るわけですね、飛行機には。そのぐらい上空で飛んでいる飛行機の不確かさというか、実際の事故率というのは極めて少ないんですけれども、ほかの交通手段に比べてもはるかに小さな事故率だということは言えるんだけれども、しかし、本当にそういう意味では、お互いを信じて乗った、その飛行機にまさか自爆することをよしとするような人が乗っているということは、これはなかなか信じがたいことだし、小説を書いたとしても随分特異な小説だな、こういうふうに思わざるを得ないような、そういうことであったと思います。私は、そういう意味で、あそこで、あのオフィスの中で被害に遭われた方、これも絶対安全だと思っていた、そういうように思っているその方々のことも考え、なおかつこの飛行機に同乗していた人たちのことも考え、まことに、お一人お一人の気持ちになれば、これはもう本当にいたたまれないような気持ちになる、そういう残虐行為だったと思います。この残虐性は、世界じゅうのどこにでもその気になれば当てはめることができる、こういう性質のものである。そういうような人たちがいる、また、そういうことを企画する人がいるんだということは、まことに恐ろしいことであります。そういう人はめったにいるものじゃないけれども、しかし、いれば、そういう人たちを、これを何とか抑え込まなければいけないという思いを持つのは当然のことだというふうに思いますので。そういうことを考えて、我が国として、もちろん同盟国たる米国が攻撃を受けたんだということもありますけれども、それも当然でありますけれども、しかしこれは、そういう人たちをこの世の中で許すことはできない。そういう人がいれば、核兵器だって核爆弾だって平気でボタンを押すでしょう。そういうことを考えて、やはりこの際何とかしてこれを食いとめなければいけない、そういう思いを強く持っておるわけです。これは私の個人的な思いでございますので、お許しをいただいて申し上げたわけでございます。

○玄葉委員 この法律を読みますと、法律の構成は、たまたま米国である意味では発生したテロに対応する法律になっているのではないかというふうに思うんですね。逆に、お伺いをしたいなと思っていたのは、例えば、今回のアメリカ同時多発テロと同じようなテロがイギリスで、あるいはロシアで発生していたとしたら、この新しい法律をつくろうとされたかどうか。特定の国を例示するのが不適切だとしたら、日本あるいは米国以外で同じようなテロが発生していたとしたら、このような法律を必要と考えたかどうかというのをお伺いしたい、そう思います。

○福田国務大臣 これは、今回、米国で起こった。しかし、それが仮に日本で起こったらどうなるか、そしてまたほかの国々で起こったらどうなるか。これはまさに仮定の話、仮想上の話でございますので、それは、そういうことが起こったときにどういう対応をするか、その国、また状況、規模、いろいろなことを考えて決定しなければいけない問題だというように思っております。ですから、これにお答えするのはなかなか難しいということは言えるわけでありますけれども、しかし、そういう中でも、やはり日米安保、そういう同盟関係にある、そしてまた我が国に一朝何かあった場合には米国が日本を守ってくれることに協力してくれる国なんだということを考えれば、それはほかの国とはおのずから違った分があるのではないかというように思っております。しかし、同種の脅威、これを排除する、除去に努めるという意味におきましては、やはりその状況いかんではそれ相応のことを考えなきゃいけないということもないわけではないというように思っております。

○玄葉委員 私、この委員会のメンバーにさせていただいて八割方議論を聞いていたんですけれども、先ほど私が申し上げましたように、私がこの新法が必要だと思った理由は三つなんですね。主体的に国際テロ撲滅のために日本も行動しよう、もう一つは国際協調だ、三つ目に日米安保だ、私は三つあります。でも、政府側から、総理の答弁も含めて、ほとんど日米安保体制との関連というのは出てこなかった、説明として出てこなかった。私は、非常に不自然というか違和感を感じておりました。改めて、法律の構成はそうなっていませんけれども、この法律と日米安保体制の関係をどのように整理されるか。これはたしか外務大臣にも通告をしておいたはずでありますけれども、どのように整理をされるのかというのをお伺いしたいと思います。

○田中国務大臣 日米安保条約とそれから新法との関係ということをはっきりさせた方がよろしいという御質問だと思いますけれども、日米安保の目的というのは、我が国及び極東の平和と安全の維持というところにあるというふうに思いますし、新法は、もう何度もこの場で繰り返されておりますけれども、対テロということで、テロに対して国際的取り組みに積極的に寄与することを目的として新たに立法されようとしていることでございます。目的が異なりますから直接はどうかということですけれども、もっとより詳しく申しますと、この新しい法案は、関連の国連安保理決議を踏まえまして、国際的なテロの防止及び根絶のための国際社会の取り組みに日本として積極的かつ主体的に寄与することを目的としているものでございまして、日米安保体制とは直接は関係するものではございません。国際社会のかかる取り組みに対しまして日本として適切に対応していくに当たりまして、この法案の目的に合致した活動を行う米軍に対して協力を行うということは、当然想定されております。ですから、先月の十九日ですか、総理が七項目というものを出しまして、ブッシュ大統領も直ちにこれを評価するということをプレスリリースで発出されておられまして、そして謝意も表明されております。お尋ねの関心の件ですけれども、もう一つ先へ踏み込めば、ですから、今申し上げたように直接関連はないかもしれませんけれども、私は、結果としては日米安保の強化といいますか、その枠組みが強くなるということはあり得るというふうに考えております。

○福田国務大臣 先ほど玄葉委員が、総理が日米安保ということに言及していないのではないかというふうにおっしゃっていましたけれども、これはそんなことはありません。それはもう大変色濃く総理の発言の前後に表現されておりまして、そのことがなくてこの法律云々ということを言っては絶対にございませんから。その他は、今外務大臣が答弁したとおりでございます。

○玄葉委員 外務大臣が、直接は関係しないけれども、結果として日米安保体制の枠組みが強化されることもあり得るんだというお話でございます。私は、ここは少しニュアンスが違うというか、つまり、こういう法律をこの事態にあってつくるということは、当然、日米安保の将来をこうしたいと展望を描く中で出てきたのかなというふうに思ったんですね。同盟としてのマネジメントもそうでしょう。トータルとしての負担のバランスというのも考えたかもしれません。私自身はそうです。私自身は、自分なりの日米安保体制の将来像というのがあって、それも重要な一つの要素となって新しい法律をつくらざるを得ないな、周辺事態法の適用は、これは日米安保六条との関係で無理ですから、はっきりいって無理だから新しい法律をつくらざるを得ないだろう、そう考えたわけですけれども、認識、違いますか、外務大臣。官房長官でも結構ですけれども。

○福田国務大臣 委員から、日米安保条約の将来、もしくは同盟関係の将来、こういうような御質問でございましたけれども、これは、このテロ事件が起こらなければ起こらなかったことなんですね。我々、計画してこういうようなテロを起こしたわけじゃない、起こってもらったわけじゃない、全く偶発的なことだったわけですよ。ですから、そこで当然考えられることは、日米、特に米国が被害を受けたという意味において、そして自衛権の発動という措置をとられた、そういう米国に対して、そしてまた、世界の共通の脅威というものを除去する、こういう大目標はあるということから、自衛権を発動する、その行動は、米国はいずれにしても中心になるわけでございますから、米国と同様の歩調、もしくは同じ方向を目指した、そして、なおかつ日本が協力できる分野において協力する、そういう手段において協力をしていこう、こういう意味合いでございますから、必ずしも今回、将来のことを展望してといったようなことではない。しかし、同盟国であるという意味において、それは、そういうことを今後考えていくのにいきやすいということはあったかもしれません。ほかの国であれば、先ほど申しましたように、それは色合いが当然違ってくるだろうというふうに思います。

○玄葉委員 私は、日米安保というのは、将来、責任も目的も情報も政策決定過程も、もう一段二段ぐらい共有するべきものだろう。だからといって、軍事的に完全に双務的であれということを申し上げているわけでは決してありませんけれども、負担のバランスを勘案しながら進んでいかなきゃいけないだろう。例えば、圧倒的な超大国米国との同盟関係でありますから、私は、アメリカが一極主義的な衝動というか行動に駆られる可能性というのもあると思うのですね。そういうときに、きちっと注文をつけられる同盟国でありたいと思うのです。今回のケースだったら、場合によっては過剰報復に至る可能性だってなくはない、可能性としては。そういうことを考えると、きちっとやるべきことをやって注文をつける日本、同盟国でありたい、そういうことまで含めて考えて、今回の新しい法律は必要かな、そう考えたわけです。日米安保をやや大げさに言うと、もう一度これから、こういう事案を経て改めて定義をし直すみたいな話というのが私は考えられなくもないなというふうに思っているのですが、その点はいかがですか。どちらでも結構です。

○福田国務大臣 同盟関係というものはどうあるべきか、それはおのおのの、同盟関係にある両国がどういうことができるかできないか、そういうことにも関係してくると思いますけれども、我が国は我が国としてできる範囲でそれを実施するということなんだろうと思いますが、そういう中において、やはり同盟関係にある相手の国が、我々の行動を理解し、そして納得してくれるか、そして時には満足をしてくれるのかどうか、そういうことも当然同盟関係にはあるだろうというように思います。そういう意味において、同盟関係というだけでいえばいろいろなことをしなければいかぬけれども、しかし、我が国は我が国の憲法というまたいろいろと制約があるということを考えますと、それは米国と同じようにできるわけじゃないんだし、できる範囲でもってやらなければいけないということがあると思います、まず。それからもう一つは、そのお互いの同盟関係の中においてお互いに注文をつけ合うことができるかどうか、こういうことでありますけれども、それはやはり、本当の意味の同盟関係というのであれば、やらなければいけないことはやらなければいけない、言いにくいことも言わなければいけないということではないかと思います。それは、お互いにお互いの価値観とか国情とか、また法制度とかいうものを尊重し合いながら行うことであるということだと思いますけれども、私は、よい同盟関係を築くために、これから日本はさらに努力をし、また、そういうふうな考え方を米国に対しても申し上げていかなければいけないというように思っております。 玄葉委員のお考えもそうだと思いますが、そういうことに全く同意でございます。

○玄葉委員 私は、この法律をつくるに当たって、日米安保という道具、いわば同盟という道具をどう活用するのかということもしっかりと説明していかないといけないのではないか。それもバックグラウンドの重要な一つだということをきちっと説明していく必要が私はあるというふうに思っています。そこで、新法は必要だ、問題は中身だということなんでありますけれども、一番気になっている点は、武器使用の問題と活動の範囲との関係でございます。やや逆説的な問いをいたしますけれども、防衛庁長官、今回の新法で、ある意味では防護の対象を傷病兵とか難民にまで広げているわけでありますけれども、これで、活動するに当たって必要にして十分な武器使用の緩和ということなんでしょうか。

○中谷国務大臣 本法案において実施する協力支援活動等を行う上におきまして、自衛隊員の安全確保を考えますと、今回の対応で十分だというふうに考えております。

○玄葉委員 よく言われているケースですけれども、例えば近くの外国の部隊に危害が加えられたとか、あるいは、この法律の文言をおかりすれば、近くまで難民が来ていて、だけれども、自分たちの管理下に入っているとはとてもまだ言えないかなと思われるようなケースであるとか、あるいは被災民の物資援助が奪取された、そういうようなケースとか、いろいろ考えられるケースがあるわけですけれども、そういうケースは今回の法律で対応できるのかできないのか、あるいは、仮に対応できないとしたら、私はできないだろうと思いますけれども、それでも必要にして十分だというふうに言えるのかどうか、お伺いします。

○中谷国務大臣 基本的には、今回は、自己と自己とともに所在して、その職務を行うに伴って自己の管理のもとに入った者を防護対象にしておりますし、いわゆる隊法九十五条の武器防護も認めております。いろいろなケースが考えられ得るというふうに思っておりますが、ある程度、自衛隊が活動する地域において、安全を確保する面において、そこで勤務している自衛官が指示ができる対象者を防護対象というふうにいたしておりますので、その基本をもとに判断をしていくというふうに思っております。

○玄葉委員 下手をすると、お荷物になりかねない可能性があると思うんですね。下手をすると。隊員の安全も危ないですね。余り時間がないんですが、端的に答えていただければいいんですけれども、参考までに、国連のaタイプ、bタイプの武器使用基準ということがよく言われますけれども、これらは小泉内閣では憲法違反、こういう判断ですか。

○中谷国務大臣 今回の武器使用を考える上においては、やはり自衛隊がいかなる武器使用権限を持つかということと、どこの地域において何をするかという観点で考慮しておりまして、どこの地域かといいますと、戦闘行為が行われていない地域に限定しておりますし、仮にそのような事態においては中断をしたり、避難をしたりするわけでございます。そういう点を考慮した上で、今回、自己の管理のもとに入った者を対象として、ある程度自然権的な見地でいわゆる対象者をふやしたという観点でございますので、従来からの考え方と同様でございます。したがいまして、bタイプの武器使用等について、そこまで使用権限を広げたものではございません。

○津野政府特別補佐人 お尋ねの武器使用の国際基準でございますけれども、これは、いろいろ明確な、どういうものを御指摘になっているのか必ずしもわかりませんけれども、一般に、国連の平和維持隊におきましては、要員の生命等の防護のための武器使用と、それから、任務の遂行を実力をもって妨げる企てに対抗するための武器使用とが認められているわけであります。それで、他方、本法案とかあるいは国連平和協力法に基づきます我が国の自衛官の武器使用は、これは従来からしばしば申し述べておりますが、いわば自己保存のための自然権的権利として、自己の生命、身体を防護するために必要やむを得ない場合に限られておる。これは憲法九条が禁止する武力行使に至ることを避けるためにほかならないわけでありまして、御指摘の国連の平和維持隊に許されております武器使用のすべて、特にいわゆるbタイプの、これは任務遂行を実力をもって妨げる企てに対抗するための武器使用でありますが、それを我が国自衛官に認めることは、憲法九条との関係で問題があるという考え方でございます。

○玄葉委員 そういうことであれば、つまり小泉内閣としても従来どおりの憲法解釈を踏襲するということなんだと思います、お二人の説明を聞くと。ということであれば、つまり、仮に危険なところまで行ってもらうということであれば、国際的なPKOの武器使用基準まで武器使用を緩和することと、十分な訓練と十分なコミュニケーション能力と十分な練度、これがないと、本当に大丈夫なのかということではないだろうかというふうに私は思っています。逆に言えば、今回、そこまで武器使用の緩和をしていない。さらに言えば、果たして十分な訓練ができているのか、コミュニケーション能力はあるのかということを考えれば、特に具体的に言えば、パキスタンでの活動というのは極めて限定的に行う必要があるし、むしろ行わないというふうにおっしゃった方がいいのじゃないか、そういうふうに思いますが、いかがですか。

○中谷国務大臣 現時点において、パキスタンの国内で実施するかどうかということは決めておりませんが、仮に実施する場合におきましても、現地政府と綿密によく協議をして、現地の治安情勢、また実施する上においての安全確保の問題、これを十分に現地政府と協議をして、そして現地政府から同意を得た上で実施するわけでございますし、その活動をしている途中で戦闘行為が行われたといたしましても、直ちに一時休止、避難、そして実施区域の変更、活動の中断をして危険を回避するという枠組みを使っております。そういう範囲内で活動するというふうに御認識をいただきたいと思います。

○玄葉委員 一たん出て、途中で撤退というのは、現実にはほとんど考えられないですね。それはまさにお荷物になる可能性というのがあるんだろうというふうに思います。パキスタンで、これから質問される首藤さんが行かれてきたので後でお話があろうかと思いますけれども、アメリカでさえ相当ちゅうちょするはずですね、実際には。国連の枠組みで例えば難民キャンプの運営を自衛隊が行うということならまだしも、自衛隊単独でパキスタンでそれを行うことができるとは私はとても思えない。もしパキスタンでクーデターがあったらどうしますか。あり得ない話じゃないと思うんですよ。

○中谷国務大臣 そういう事態では、直ちに中断をして撤退することも十分考えますけれども、その前提は、パキスタン政府と十分に協議をして、この地域で、この範囲でやるという確約をとって実施をいたしておりますので、その政府自身がクーデター等で崩壊をしたという点については、新たな事態の発生だというふうに認識をいたします。

○玄葉委員 戦場近くに初めて自衛隊が出るわけです。私は、今回は、トータルとして考えたときに、そんなに背伸びをする必要はないだろうというふうに思っているんですね。佐世保と鶴見ですか、米軍の燃料施設がございます。海上輸送中心でいいんじゃないですか、ディエゴガルシアとか。我々の同僚議員からポート・ツー・ポートという話もありましたけれども、医薬品とか燃料とか食糧とか、それを運ぶ。海上輸送を中心で今回は軍事面でのサポートというのはよいのではないでしょうか。

○福田国務大臣 これはもう何度も御答弁申し上げていることなのでありますけれども、要するに日本は限度があるんですね、やることに。行動する内容というのは限度があるんですね。また、その地域も、これもその関係で限定されているわけですよ。それだから、では、そういう仕事はしないでいいのかと。というよりかは、我々が持っている法律、規則等の許す範囲の中でできるだけのことをしたい、できることはやっていきたいということで考えてこの法律案もつくっておるわけでございますので、そういう趣旨なんです。背伸びでもそれは何でもない。できることをしましょうということを言っているだけでありまして、先ほど来防衛庁長官が答弁しているとおりに、できないことはしないんですよ。そして、できない状況ができれば、それは、中断、撤退とかいろいろなことを考えていかなければいけないということであります。例えば、具体的なことになると切りがないので申し上げませんけれども、そういう日本の気持ちというか考え方、これがまず頭にあるものですから、その上で諸活動が規定されているというようにお考えいただきたいと思います。

○玄葉委員 本当に出すんだったら、法律をよく整備しなきゃいけないと思うんですね。私はやや未整備だと思うし、この法律の武器使用原則と活動の範囲との関係でいえば、これは中途半端というか、非常に心もとないというふうに思っています。後でこれは首藤さんからお話があろうかと思います。もう一つ、二つ、三つぐらい本当はあるんですが。ラムズフェルドさんが演説した内容がニューヨーク・タイムズ九月二十七日付に出ていました。この戦争、「ア・ニュー・カインド・オブ・ウオー」という見出しで出ていましたけれども、この戦争は湾岸戦争とは全く違う。これは何と訳すのかよくわかりませんけれども、フローティング・コアリションズだと。浮いた連合だ、ふわふわした連合、変動連合というのか、だというわけですね。それぞれの国がそれぞれのやり方でそれぞれの貢献をするんだということを最初から言っているわけですね。ですから、さっき申し上げたようなことも私はあえて言っているわけです。例えばC130で、国連、UNHCRから要請を受けて物資援助をした、それはそれでいいと思いますよ。いろいろなやり方がきっとあるんだろうというふうに思うんです。そういう意味で、一つ、この委員会で余り議論にならないで見逃せないのがタリバーン後の話でありまして、先ほど私たちの同僚議員の伊藤先生からもお話がございましたけれども、タリバーン後を見据えてのアフガン、あるいは中央アジア、あるいはイスラム諸国をどうするのかということに対して、日本は積極的にかかわるつもりかどうかということであります。イギリスとアメリカあるいはロシアというのは、今回の件もあって、あるいはロシアは過去の件もあって、率直に言ってかかわりにくいと思います。そういう意味では、日本人というのはあるいは日本というのは、今回も、軍事面でのサポートを仮に行うにしても、あくまで協力、支援だということがある。あるいは、実際にアーミテージ国務副長官からの要請もあったというふうに報道では言われている。また、先ほど御説明ございましたように、独自外交の歴史もある、率直に言ってとんざしていますけれども。確かに、去年、タリバーンあるいは非タリバーンが来ているんですよね、東京に。私もそれは知っていました。来ていました。だけれども、むなしい結果に終わっているわけですが、今後、アフガンのタリバーン後、あるいは、もっと言えば中央アジア、イスラム諸国を含めた戦後復興、こういうものに積極的にかかわるつもりがあるかないか、今まで何をしてきたか、おっしゃっていただけますか。

○田中国務大臣 お答え申し上げます。

 従来より、きょう午前中の議論の中でもこうしたお尋ねがあったのでちょっと重複するところもあるかと思いますけれども、アフガン和平には日本なりに取り組んできておりまして、そして今も玄葉委員おっしゃったように、アフガン紛争の各派を東京に呼んで会合を持ったりとか、そういうことの努力もしてまいりました。そして、テロが今回発生する以前だけでも四千五百万ドル以上に上る経済的な支援もしてきておりますけれども、本来、実際に求められて今後行くことは、やはり地雷の除去、これは法改正等もしなければなりませんでしょうけれども、インフラの整備とか、そういうことも戦後のことで念頭に置きながら取り組んでいかなければならないと思います。いずれにいたしましても、アフガニスタンの中に、本当にアフガニスタンの人々から非常に幅広く支持されていて、そして国際社会とも友好的にいい関係を樹立できるような政権が誕生できるように、そして永続的な平和がこの地に確立できるように私たちもバックアップをしていかなければならない、かように考えております。

○玄葉委員 この分野は積極的にかかわっていいと思うんですよ。ぜひ、アーミテージに言われたからとかというレベルを超えて、日本外交の力量が問われる分野だというふうに自覚をしてかかわっていったらいいと思うんです。何から何までというのは、それは我々だって財政事情があるわけですから、最も効果的かつ効率的な方法を、優先順位を決めて、今からきちっと整理をして働きかけをした方がいいと思うんですよ。グランドデザインを描けるのが一番いいけれども、どうもそういう動きが見えなくて心配をしているんです。もう余り聞きませんけれども、ぜひ積極的にかかわってほしいと思っています。かつて、第二次世界大戦の後の戦後構想というのも数カ月前からつくられましたよね。ですから、ある意味では、もちろん勝つか負けるかわかりませんけれども、勝つ側というのは戦後構想を今から準備をしておく必要があると思います。それに日本がかかわっていくということだと思います。あと二、三あるんですが、最後に、国会承認の問題だけ、私も御多分に漏れず聞いて終わりたいと思っているんです。つまり、今まで何度も何度も民主党の同僚議員から国会の原則事前承認が必要だろうということを言われてきましたけれども、そろそろ観念されたらどうかというふうに思うんです。戦争権限法というのがございますよね。これは、もう御承知のとおりで、大統領制であっても、民主的統制のために、一定期間内に議会の承認が得られなければ撤退する、こういうふうにしている。あのマイケル・グリーンさんだって必要じゃないかと言っていますよ。周辺事態法のときも言っていましたよ、実際に。うちは武力行使をしないからいいんだ、こういうことかもしれませんけれども、例えば、PKO法と比較したらどうですか。PKOだって国会承認、正確に言えばPKFですね、国会承認だということです。この事案は特定の事案だからと何回も何回もおっしゃるんですけれども、周辺事態法だって、法律ができて、基本計画ができて、対応措置をとることに、それを対象に国会承認というものを定めているわけですよね。そうしたら、次元の違う話ですね。そろそろ私は観念をされたらどうかと思いますが、官房長官、いかがですか。

○福田国務大臣 何度も同じことを答弁して恐縮でございますけれども、この法案は、ここで御審議をしていただいて成立する、そうするとまた基本計画を審議するということになるというのは、いかにも機動性が失われることではないのかなと。そしてまた、この法案が、一つの目的に集中しているわけですね。目標は一つであるということであります。今申しました機動性ということもありますけれども、この法案による対応措置の多様性、複雑性、流動性の観点から、具体的な措置は行政府の責任において迅速にさせていただきたい、その方が実効性が上がるというように考えていること。また、基本方針を盛り込んだ基本計画、これは、決定がなされる、また変更があるというときには国会報告するということになっております。また、もう一つ申し上げなきゃいかぬのは、防衛庁とかほかの関係行政機関が既存の法令に従って対応措置を迅速に実施するということは、これはあわせ必要なことなんでありますけれども、このような措置についてまで結果として国会の承認を必要とする、そういうことになるおそれがあるということでございます。

○玄葉委員 そうしたら、周辺事態のときはどうするんでしょうか、周辺事態法のときは。だって、周辺事態法は、対応措置をきちっと決めて、それをするかどうかというのを承認事項にしているわけでしょう。そうでしょう。だから、法を承認することと対応措置を承認することというのは、次元が違う話として周辺事態法は定めたんですよね。今回だけはいいんだというのはおかしいんじゃないですか。

○福田国務大臣 周辺事態法では、確かに国会承認は原則として事前承認ということになっておりますけれども、それは各活動の実施について事前承認を必要とするということでありまして、基本計画の内容等については、これは遅滞なく報告する、こういうことになっております。

○玄葉委員 いや、それはわかっているんですけれども、それを踏まえて、だから次元の違う話だと思うんですね。法を承認することと対応措置を承認することというのは、周辺事態法で次元が違う話としてきちっと定めたわけですから、今回それが違うという話になるのはいかにも私は法律上おかしい、法のバランス上おかしいと思います。最後にこう申し上げて、終わりたいと思います。

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