鳩山政権4ヶ月
1月18日、通常国会が始まった。「政治とカネ」に焦点が当たりがちだが、現下の経済状況を考えれば、予算を一刻も早く通すことと成長戦略はじめ日本の根本問題についての内容のある議論がより大切なことは言うまでもないだろう。
鳩山政権が誕生して4ヶ月である。
(1) 日米密約問題や「仕分け」にみられるように情報公開が進んだこと。
(2) 予算編成において、医療・農業・子ども・教育などに重点配分し、税金の使い途を
変えたこと。
(3) 政治主導を試みていること。
などは、政権交代が実現しなければできなかったことであり、大きな前進である。
課題もある。
政治主導はいいが、政務三役がオーバーワークになっている。官の効果的な活用を考えるべきである。
マニュフェストも柔軟に修正しなければならない。麻生政権の税収見積もりは46兆円であったにもかかわらず、実際の税収は37兆円になりそうなのだから、
正面から逃げずに説明すべきである。衆院選は政権選択、参院選は政策選択という側面がある。夏の参院選は、修正マニュフェストで臨むべきである。その
際は、子ども手当の支給額抑制、暫定税率廃止と地球環境税創設の同時実施、民主党型成長戦略の具体策などをしっかり書き込む必要があるだろう。
夏の参院選に勝利して初めて本物の政権交代となり、このことは至上命題である。非改選は62議席。改選議席は53議席。今回は60議席を取らねばならない。
現在の状況では、60議席を上回るのはかなり大変なことである。
小沢事務所問題の最大のポイントは、国民の理解が進むのかどうかである。そのことに伴って小沢幹事長がどうされるかはご自身が適切に判断されると思う。
国民の理解が進むことを期待したい。
むしろ、一連の小沢事務所問題の対応をめぐり浮き彫りになったのは、あまりにも小沢幹事長一人に頼りきっている民主党の現状である。政策や党のあり方に
ついて闊達に議論できる雰囲気や場をもっと作る必要がある。闊達な気風が失われれば、急速に民主党は枯れてしまうのではないか。そういう危機感を抱いている。
持続可能な政権政党に成長できるか正念場である。