2017年12月の映画
☆の数は5つが満点 ・「おじいちゃん、死んじゃったって」 ☆☆☆ 森ガキ侑大監督、山崎佐保子原作、岸井ゆきの
・「婚約者の友人」(仏独合作) ☆☆☆☆ フランソワ・オゾン監督、ピエール・ニネ、パウラ・ベーア
・「ギフテッド(GIFTED)」 ☆☆☆☆ マーク・ウェブ監督、クリス・エバンス、マッケンナ・グレイス
・「希望のかなた」(フィンランド) ☆☆☆ アキ・カウリスマキ監督・脚本
・「おじいちゃん、死んじゃったって」~誰もが通る身内の死。思春期に初めてそれを経験した時の悲しみ、葛藤、疑問を表現している。この作品でも描かれているように、葬式は日頃疎遠になっている親戚が一堂に会して、絆やルーツを確かめ合うようなところがある。多くの人が通る人生の通過点をコミカルさも交えながら描いている。監督はソフトバンクのCMで売り出した人なので、かなり突飛な映画を想像していたが常識的なものだった。 ・「婚約者の友人」~クラシックな雰囲気をもつ良い作品。美しくも切ないストーリー。モノクロとカラーを効果的に織り交ぜた映像。各登場人物の心理描写も俳優陣の演技もいい。心に残る一本。 ・「ギフテッド」~秀作。数学の天才児を特別に育てるか、ふつうに育てるか。親代わりの叔父と天才児であることを知った祖母の親権争い。その過程での心の機微や葛藤の表現が上手い。子役が「天才的」演技。僕の妻も娘も観て感動した作品。 ・「希望のかなた」~面白くはないが深く考えさせられる問題作。深刻化する難民問題をストレートに取り上げ、「直視せよ」というメッセージ性の強い作品。フィンランドのヘルシンキの風景が北欧らしい。主人公が入国管理局で面接を受ける際に語った言葉が忘れられない。「空爆したのは米国、ロシア、政府軍、ISのどこなのかわからないが、家族は空爆で死んだ」。おそらくはイスラム教スンニ派と思われるが、宗教を聴かれ「なんでもいい」。まさに無辜の民こそが犠牲になっている。
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