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Information / 国会議事録一覧

安全保障委員会で質問に立ちました。(令和5年4月13日 議事録)

○玄葉委員                                                                             玄葉です。よろしくお願いいたします。                                                                   冒頭、通告しておりませんけれども、防衛大臣、お答えをいただきたいと思いますが、北朝鮮のミサイル発射に伴う、本来はこれは内閣官房長官かもしれませんけれども、Jアラートとかエムネットの発信の仕方、これについて一言お願いをしたいと思っています。                                                                  それは、この問題、度々課題になっております。国民の生命財産を守るためには、念には念を入れるという意味で、空振りも一定程度、私は仕方がないと思っています。ただ、やはり警鐘を鳴らさなきゃいけないのは、またかと思った、あるいは感じた人たちもかなり多いのではないかというふうに思っていて、イソップのオオカミ少年にならないようにしないといけないというふうに思います。オオカミが出たと言っては大人をだましていた少年が、本当にオオカミが出たときには誰にも信用されなかった、こういうことになっては絶対にいけないと思いますけれども、防衛大臣、いかがでしょうか。

○浜田国務大臣                                                                                 委員のおっしゃったとおりであろうと思います。                                                           我々とすれば、これはあくまでも、Jアラートというのは、危険を多くの皆さん方と共有するために、できるだけ早く、そしてまた、これが空振りに終わっても、やはりこれは出し続けるというのは、これは絶対条件だというふうに思っております。                                                                      ですから、今回の件についても、これは我々の立場からすれば、これを常にずっとしていくことによって、逆に、これで皆さんに動いてもらえるようにすることというのは大変重要だというふうに思っています。ですから、こういった形で、今回も来なかった、これはよかったというふうに私自身は思っております。                           ただ、この点、これがもしも来てしまえば、これはまた大変なことであるわけでありますが、しかし、来なくても来ても、やはりそのときには身を隠していただかなければならないということもございますので、その点については、我々、もう少しいろいろな形で分かりやすく説明できるようにしていかなければならないというふうに思っていますので、委員のおっしゃることは極めて重要だというふうに考えて、我々も対応していきたいというふうに思っております。

○玄葉委員                                                                                         再び申し上げますけれども、一定の空振りは、私は仕方がないと思っています。他方で、余り空振りし過ぎると誰も信用しない。領土、領海に本当に落下するミサイルに対してアラートしたのに誰も信用しなかったということになっては絶対にいけないので、やはりよく今回のことは分析、検証する必要があると思います。特に今回は、領土、領海に落下するということを少なくとも予想した初めての例だと思いますので、通過というのじゃなくて落下するということは、たしか初めてではないかと思いますので、そういう意味で、よく分析、検証してください。

○浜田国務大臣                                                                               今現在も我々とすればこの件に関しては検証を続けておるわけでありますので、おっしゃられたように、我々とすれば、しっかりとこれを検証して、しっかりとこのJアラートが皆さん方に信頼されるものになるように努力してまいりたいというふうに思います。

○玄葉委員                                                                                是非、オオカミ少年にならないように、警鐘を鳴らしておきたいというふうに思います。                             さて、今日は安保三文書についての質疑ということでございます。特に、今回の焦点である、まずは反撃能力のことについて議論をさせていただきたいというふうに思っております。                                           まず、私たちの反撃能力についての考え方でありますけれども、年末にかなりしっかりと我々の党も、立憲民主党ですけれども、議論をさせていただきました。様々な議論が実はあったのですけれども、反撃能力一般については、結論だけ申し上げれば、認め得る反撃能力もあれば、認められない反撃能力もあるということです。必要性、合理性、専守防衛の枠内という、我々は我々の三条件と言っていますけれども、そういった三条件の枠の中のものであれば認められるし、そうでなければ認められないというのが我々の正式な立場です。                                                                                          他方で、度々国会の中で指摘をしているのは、第一撃の危うさとか、存立危機事態での反撃能力についての懸念などは、度々指摘をさせていただいているということでございます。                                          その上で、反撃能力でありますけれども、まずお尋ねをしたいのは、施政方針で、今回の三文書を作成する過程で極めて現実的なシミュレーションを行ったというふうに岸田首相も言及をされておられるわけでありますけれども、これらはどんなシミュレーションをされたか、これは説明できますでしょうか。

○浜田国務大臣                                                                                        防衛省は、従来より、将来の防衛力の在り方を検討する過程で自衛隊の能力評価をするためのシミュレーションを行い、防衛力の不足等を検証しております。                                                      今般の国家安全保障戦略等の策定に際しても、相手の能力と新しい戦い方を踏まえ、想定される各種事態への対応について、能力評価等を通じた分析を行ったところであります。                                  例えば、侵攻部隊によるミサイル攻撃、戦闘機等による航空侵攻、艦艇部隊による海上侵攻といった状況を想定し、自衛隊がどのように対応するか検証することを通じた、我が国への侵攻に対処するために不十分な自衛隊の機能、能力の評価に加え、宇宙、サイバー、電磁波の領域、無人アセットを用いた非対称な戦い方、ハイブリッド戦のような新たな戦闘様相等を踏まえた将来の防衛力の検討などを、様々なシミュレーションを行いました。                                                                     こうしたシミュレーションを通じて、スタンドオフ防衛能力、弾薬等の整備や防衛装備品の可動数向上等の持続性・強靱性を始めとする防衛力の抜本的強化の七つの重視分野等を導き出しました。                          今後、新たな国家安全保障戦略に基づき、自衛隊が国民を守る責務を完遂し、国民の期待と信頼にしっかりと応えられるよう、防衛力の抜本的強化の実現に向けて着実に取り組んでまいりたいと考えているところであります。

○玄葉委員                                                                                        今、防衛大臣が御説明をいただいたシミュレーションの概要、これは、衆議院の予算委員会の理事会に提出をされた三枚の紙は私も読んでおります。それで、一つだけよく分からないのは、いわゆる存立危機事態におけるシミュレーションというものは行われたのかどうなのか。これについてはいかがでしょうか。

○浜田国務大臣                                                                             実施したシミュレーションについては、最も烈度が高いと想定される我が国への侵攻事態を想定し、必要に応じて、非対称な戦い方やハイブリッド戦のような戦闘様相も加味しつつ、検討を行ったところであります。

○玄葉委員                                                                                ということは、存立危機事態における反撃能力などが行われるシミュレーションは行わなかった、こういうことでよろしいですか。

○浜田国務大臣                                                                          存立危機事態における対応能力の検証を目的としたシミュレーションは行っておりません。

○玄葉委員                                                                                はい、分かりました。必要性と合理性をできる限りクリアカットに、分かりやすく説明をしていただきたいということを、この間、度々申し上げてまいりました。この委員会でも時々指摘をされていると伺っていますけれども、また私もそばで聞いておりますけれども、予算委員会等で、存立危機事態における分かりやすい例示というものを反撃能力の行使にあって行うべきだという指摘がこの間ございました。                                    例えば、私自身も、岸田総理大臣とのやり取りの中でそういった指摘をさせていただいて、その結果、岸田さんは、分かりやすい説明は大事だ、そのための分かりやすい例を示すということは考えられると思います、こういうふうに答弁をされておられるのですが、分かりやすい例示がなかなか出てこないように思いますが、これについてはいかがでしょうか。

○浜田国務大臣                                                                                   委員の御指摘の点についてですけれども、今、岸田総理のお話もありましたが、分かりやすい説明を行うことは重要だというふうに考えております。                                                                    この点、我が国周辺で、我が国へのミサイル攻撃が現実の脅威となっていることを踏まえ、これらにどのように対応していくべきかについて、皆様の御理解を得る一助となるよう、衆議院の予算委員会の理事会において、既に公表されている三文書に加えて、イメージ図というものをお示しをさせていただきました。                              その上で、この場でも答弁してきたとおり、事態認定後の反撃能力の運用については、実際に発生した状況に即して、武力行使の三要件に基づいて、弾道ミサイル等による攻撃を防ぐために他に手段がなく、やむを得ない必要最小限度の措置としていかなる措置を取るかという観点から、個別具体的に判断するものであります。                                                                                  反撃能力の行使は、事態認定がなされた後の武力の行使という個別の作戦に関わるものであります。いかなるケースで対応を取るかを明らかにすることは、対抗的な措置を取られることなどにより国の安全を害するおそれがあるということで、今まで、我々からこういったイメージ図とか出しているのが、今のところ、精いっぱいのところであると考えております。

○玄葉委員                                                                            今の御答弁の、シミュレーションの概要の三枚紙と、多分、この反撃能力のイメージ図は、私も手持ちでございます。                                                                               ただ、おっしゃるとおり、対応措置の態様の議論ではあるんですけれども、この間、岸田さんは、岡田さんと私の質問の答弁で、個別の事態への対応措置について、個々具体的には言えないけれども、分かりやすい例示は示したいと言っていたと思うのですけれども、それが残念ながら出てこないなと思っていて、これはどうなんですかということなんです。

○浜田国務大臣                                                                                 いろいろと今検討を重ねておるところでありますが、なかなかこれは大変時間がかかっておりまして、申し訳なく思いますけれども、出せるかどうかも含めて、もう一度確認させていただきたいというふうに思います。

○玄葉委員                                                                                            総理大臣の言葉、しかも予算委員会での言葉でございますので、しっかりと対応してもらいたいというふうに思います。                                                                                       その上で、この反撃能力のイメージ図を御覧になっていただいて、少しお尋ねをしたいと思います。                           この反撃能力のイメージ図、我が国に対する武力攻撃が発生をして、その手段として弾道ミサイル等による攻撃が行われた場合、ミサイル防衛網により、飛来するミサイルを防ぎつつ、武力の行使の三要件に基づき、そのような攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限度の措置として、相手からの更なる武力攻撃を防ぐために、我が国からの有効な反撃を相手に加える、こうした有効な反撃を加える能力を持つことにより、武力攻撃そのものを抑止するというのが一つの説明なのだろうというふうに理解をしていますが、とにかく可能な限り分かりやすく説明してもらいたいと思っています。                                                  一番上の行、「我が国に対する武力攻撃が発生し、その手段として弾道ミサイル等による攻撃が行われた場合、」この「等」というのは何を指しているんでしょうか。「弾道ミサイル等」の「等」は何を指しているんでしょうか。

○浜田国務大臣                                                                                  今委員の御指摘の「等」の部分でありますが、今現在の、その部分に関しては弾道ミサイル。「等」というのは、やはりこれから技術革新があったりして、いろいろなまたミサイルの態様が変わる可能性もありますので、そこのところを説明するための「等」だというふうに思います。

○玄葉委員                                                                                    恐らく、このイメージ図でいえば、ここにある極超音速兵器などを指すのかなというふうに推測をします。                もう一つお尋ねをしたいのは、岸田総理大臣との予算委員会でのやり取りの中で私が尋ねたのですけれども、この反撃能力というのは、ミサイルを抑止し、対処する、いわゆるミサイル阻止力のためだけなのですかと。例えば、日本、特に島嶼部に武力侵攻してきた他国の戦闘機や艦船の母港、他国領域の港や空港へ反撃するということは想定していないのかというふうに聞いたわけですけれども、それに対して岸田総理は、ミサイル以外への対応は、武力行使の三要件に合致するかどうか、まずはミサイル対応が現実的に考えられる課題だ、他に手段がないかどうか厳密に考えるというふうに話をして、多くのメディアは、ミサイル攻撃がなくても反撃能力を行使し得るという答弁をしたというふうに書いたわけです。                                  それで確認をしたいんですけれども、これは、いいとか悪いとかじゃなくて、相手からミサイル攻撃がなかった場合でも我々は反撃能力を行使し得るのかどうかという問題です。                                       つまり、この反撃能力のイメージ図の1、まさに「弾道ミサイル等による攻撃が行われた場合、」とここには書いてあるわけですけれども、今私が申し上げたのは、相手からミサイル攻撃がなかった場合、しかし、戦闘機が来ている、艦船も来ている、島嶼部に侵攻しようとしている、そういったときに、他国領域の、例えば戦闘機とか艦船の港に対して、空港に対して反撃能力を行使し得るのかどうか。                                   つまり、相手からのミサイル攻撃というのが反撃能力を行使する絶対要件なのかどうか、これを聞きたいんです。

○浜田国務大臣                                                                                           今委員から御指摘の点ですけれども、これはあくまでも、反撃能力の運用については、当然のごとく、他に手段がない場合とか、そういったことは、これは当然あるわけでありますけれども、しかし、我が国に侵攻を試みる戦闘機や艦艇等への対応は、一般的に、我が国の航空、海上アセットや地対空、地対艦誘導弾等により、相手の領域外で行うことが基本になるというふうに考えております。                                       ですから、すぐ、今おっしゃったように、まず、来ているものに対しての、要するに、防御を張るということでありますので、それは反撃能力と言わず、我が国を防衛するための、要するに、アセットでこれに対応していくということだというふうに思っております。違いますかね。

○玄葉委員                                                                                         もちろん、私、そういうふうに、何というのかな、もう侵略をされているわけですから、侵略というか侵攻されているわけです、我が国の領土、領海、島嶼部に着上陸侵攻している。それに対して対処するわけですけれども、そのときに、つまり、艦船とか戦闘機とかのいわゆる母港ですね、いわゆる彼らが離発着する母港を我々が攻撃をするということは、かなり有効な手段のように私は思います。                                      それは、いわゆる反撃能力という我々の能力をもってして行うべきものなのだろうというふうに思うんですけれども、それが、いわゆるミサイル攻撃が最初になかった、ミサイル攻撃があったら多分それはできるんだと思うんですけれども、ミサイル攻撃がなかった場合でもできるという答弁を私は岸田さんはしたと思っているんですが、その確認をしたかったんですが、ミサイル攻撃が仮になくても反撃能力は行使し得るのか、こういう問いですね。

○浜田国務大臣                                                                             反撃能力の保有について、ミサイル攻撃への対応が現実的課題と整理している旨を述べているとともに、戦闘機の飛来等によって、本当に反撃能力、これしか手段がないのかどうか、これを厳密に考えた上で現実に対応しなければならないと考えております。                                                             この点、現時点で他に手段がないのかと考えれば、我が国に侵攻を試みる戦闘機や艦艇等への対応は、一般的に、我が方の航空、海上アセットや地対空、地対艦誘導弾により、相手の領域外で行うということが基本になると私どもは考えております。

○玄葉委員                                                                                   ですから、今の答弁をまとめると、他に手段がない、最後の最後の手段として反撃能力も、ミサイル攻撃が先方からなくても、最後の最後の手段としては行使し得る、こういうふうに聞こえますが、それでよろしいですか。

○浜田国務大臣                                                                             この点に関しては、当然のごとく、いろいろな確認をしながら、そしてまた国の、国会の方の関与も含めて対応していくことになると思いますので、そこは極めて慎重なこれから判断がなされて初めて行使できるものと思います。

○玄葉委員                                                                                      今ちょっと、通常のスタンドオフミサイル能力という話が他の委員からあったんですけれども、それに答える必要はないんですけれども、いわゆる通常のスタンドオフミサイル能力を、いわゆる例えば遠い遠方地から、遠隔地からいわゆる我々の島嶼部に向かって、相手方に向かって撃つというのは、これは純粋な防衛ですから、それはもう当然問題ないわけですけれども、私が申し上げているのは、さっきから申し上げているように、他国領域のいわゆる戦闘機とか艦船のいわば出発地ですね。あるいは帰る地ですね。他国領域に撃つかどうかという問題なんです。それを、ミサイル攻撃があったら反撃能力として撃てるというふうに今までも説明があったんですけれども、今回私が確認しているのは、ミサイル攻撃がなくても、それは最後の最後の手段としては行えるんですかと。今の答弁は、極めて慎重にやります、極めて慎重だけれども、絶対にできないということではない、こういうことでよろしいですか。

○浜田国務大臣                                                                                基本的に我々が考えていることは、これは先ほどから玄葉委員もおっしゃっておりますが、専守防衛ということが我々のこれは極めて重要な行動だというふうに思っておるわけであります。その中において、今の状態で、飛行機が飛んできた、敵機が飛んできた、そしてそれに対する対処をしているということで、これがその場合、個別の場合に対してどのように判断するかというのは、当然、今その仮定に対して答えるのはなかなか難しい。                                                                              ただ、いろいろな我々の防衛戦略の中で、やはり一番、この国を守るために一番最優先になるものをやはりチョイスするというのは、これは否定することはなかなかできないということで私は思っております。                         ですから、今ここでそれを言ってしまうことによって、先に我々が今までいろいろな抑止ということを考えてきているわけでありますので、それを持っていることで、逆に相手方がそのように感じてくれて攻撃をやめるとか、そういうことを我々も期待をするところでありますので、ここで今、この点について踏み込んで私が答弁するというのは控えさせていただきたいなというふうに思います。

○玄葉委員                                                                                     逆に言うと、抑止のためにも、必ずしも絶対に否定するものではない、こういう理解でよろしいですか。

○浜田国務大臣                                                                       おっしゃるとおりです。

○玄葉委員                                                                           政府としての整理はそういうことなのかということで今日は一つ理解をいたしましたが、よしあしはいろいろ議論はあると思います。                                                                     改めて、もう一回、どうしても必要性とか合理性が十分分かりやすく語られていないという側面があると思うので、もう少し説明してもらえればと思うんですけれども、例えばこのイメージ図を読んで一つ思うのは、反撃能力というのは基本的にミサイル攻撃に対して抑止のため、もう一つは被害の軽減のため。つまりは、抑止が破れて撃ち合いになった、撃ち合いになったときに、こちらが反撃能力を持っていれば、相手はある意味、ガンとガンの戦いだったら物陰に隠れながら撃たなきゃいけないみたいな被害の軽減。これはどっちが主なんですか、これは。いや、私は私の考えがあるんですけれども、つまり、反撃能力を持つ必要性という観点でどっちがメインなのか、両方なのか、これを教えていただけますか。

○浜田国務大臣                                                                         相手から、例えばミサイルで攻撃がなされた場合に、ミサイル防衛により、飛来するミサイルを防ぎつつ、相手から更なる武力攻撃を防ぐために我が国から有効な反撃を相手に加える能力、すなわち、これが反撃能力を保有するということでありまして、こうした能力を持つことによって相手に攻撃を思いとどまらせ、武力攻撃そのものの可能性を低下させることができるというふうに考えております。

○玄葉委員                                                                                       そうすると、抑止と、抑止が破れて撃ち合いになったときの被害の軽減と、両方だという理解でよろしいですか。

○浜田国務大臣                                                                            基本は抑止ということだというふうに思っております。

○玄葉委員                                                                               政府の考え方としてそうだということは理解をしました。                                                   私は、実際は両方じゃないかなと思っているんですね。恐らく、抑止として利いてもらわなきゃいけないんですけれども、実際上は被害の軽減の方が効果があるんじゃないかというふうに、私自身はこの反撃能力というものを理解をしているということです。                                                                もう一つ、必要性の観点で、なかなか語られないことの論点なんですけれども、中距離ミサイルギャップ、バランス・オブ・パワーの中距離ミサイルギャップというのがあるじゃないですか。INFの全廃条約でアメリカは中距離ミサイルをもうなくしてしまった。他方で中国は千発以上、二千発とも言われていますけれども、持っている。このミサイルギャップに対して、やはり日本が反撃能力を持つということが有効であるということが、反撃能力を保有する、あるいは反撃能力を保有し行使し得る状況にする必要性、理由の一つだというふうに考えるかどうか、あるいは説明するかどうかということについてはいかがですか。

○浜田国務大臣                                                                                  我々とすれば、特定の国に合わせてミサイルを、トマホークを持つということを考えているわけではありませんので、そのミサイルギャップについて、我々がそれを考慮に入れたということはないということです。

○玄葉委員                                                                               北朝鮮のミサイルも含めて考えれば、私は、党の中で賛否両論の議論があるときに、ミサイルギャップを埋めるというのも大事な役割だと実は説明をしておりました。ですから、実際はそういったこともあるのだろうと思っていて。                                                                               他方で、政府として、おっしゃるとおり、特定の国、特に北朝鮮以外の国を挙げるというのは、なかなか困難であることは十分承知しております。ただ、実際上は、日本ででき得ることは自分でできるだけやるという基本原則の下で、恐らく、日米の、例えば地位協定も含めて、アメリカに対してもっと物を言えるようにするということも含めて反撃能力というのは議論されるべきなんじゃないかと思っていますけれども、いかがでしょうか。

○浜田国務大臣                                                                               当然、今委員がおっしゃったような考え方もあると思いますし、我々とすれば、先ほどから申し上げていますように、我々の戦略というのは、極めて冷静に、そしてまた、まずは外交力によっていろいろなことが起きないようにするということが大前提ということでもありますので、我々の対応の仕方というのは、その意味では大変、極めて慎重であるというふうに思いますし、委員のおっしゃる中には、当然、そういったことも含まれていることだというふうに思いますので、確かに、おっしゃられる部分も十二分にあるというふうに思います。

○玄葉委員                                                                                    今日は、反撃能力、このぐらいにしておきますけれども、私たちは、冒頭申し上げたように、第一撃の問題とか存立危機事態における反撃能力の行使については懸念を示しながらも、一般的に、反撃能力については、行使し得る場合もあれば、行使し得ない場合もあるのではないかと思っていて、必要性、合理性、専守防衛の枠内というのが我々としては大事な条件だと改めて申し上げておきたいというふうに思っております。                                                                                         今日はもうこれだけで相当時間を費やしてしまったので、二番と三番を省いて、四番も省いて、最後のところ、少し、論点というかテーマが全く変わっちゃうんですけれども、聞かせてください。前回も通告して、そのままにしてしまいましたので。                                                                        ザポリージャ原発などがウクライナで攻撃を受けております。それで、いわゆる戦時下の原子力施設の保護の問題、外務大臣、戦時下の原子力施設の保護の問題というのは、これはやはり大事な課題だと思っています。                                                                                   私もいろんな提言をしたいなと思っていたところに、実は、特定の財団の名前を挙げてしまうのですけれども、今年の二月に笹川平和財団から政策提言が出されて、原子力施設の保護と日本の役割という提言が出されました。これは、そのままお知らせしてあります、政府の方には。                                            どういう提言かというと、提言一と二がありまして、一つは、国連安保理が本来の機能を果たせていないので、IAEAが原子力施設の保護を支援する仕組みを新たに構築する必要があると。IAEAが提唱しているような原子力安全保護地帯の設立、これは例えば、黒海の穀物イニシアチブのような局地的な停戦の仕組みだと思いますけれども、そういうものを設立するとか、国際赤十字委員会との協力であるとか、あるいは、安保理が機能しない場合に備えて、国連総会決議によって国連緊急原子力安全ミッションの派遣などの仕組みを検討するなどという提言がまず最初に出されております。                                             これについての政府の評価を、あらかじめ通告してございますので、お聞かせいただけますか。

○林国務大臣                                                                                      この民間団体による提言内容につきまして、政府としてコメントすることは差し控えますが、今御紹介いただきました政策提言、これは、ロシアによるウクライナ国内の原発に対する攻撃を受けて作成されたものと承知をしております。この原発に対する攻撃、占拠を含めまして、ロシアの一連の行為、決して許されない暴挙であり、ロシアに対して、このような蛮行を即座に停止するように求めるところであります。                            その上で、この提言の一でございますが、戦時下における原子力施設の保護に関連しまして、ロシアによるウクライナ侵略とザポリージャ原発等への攻撃を受けまして、IAEAが実際にグロッシー事務局長のリーダーシップの下で、原子力安全及び核セキュリティーの確保に向けて努力を既に続けられておられます。   国際社会は、IAEA及びグロッシー事務局長の取組を評価して、強く支持しております。我が国としても、G7各国と連携しながら、ウクライナの原子力安全及び核セキュリティー強化のための防弾車四台の調達支援、また、IAEAの活動支援のために約千二百万ユーロの支援を行っております。こうしたことでIAEAの取組を支援してきております。                                                                        たまたまですが、昨日十二日に、私とグロッシーIAEA事務局長、テレビ会談を行いました。IAEAの取組への日本の支援を改めて伝えたところでございまして、G7議長国として、国際社会の連携を確保すべく、リーダーシップを発揮していきたいと考えております。

○玄葉委員                                                                                    私も、今回、IAEAは頑張っていると思っております。ただ、やはり、制度的に限界がいろいろあるので、しっかりと日本が支援できる状況をつくる必要があるのではないかと思っているんです。                                                 私も実は知らなかったんですけれども、ジュネーブ条約というのは、原発への攻撃禁止を定めているんですけれども、原発への攻撃、完全に排除されているわけではないんですね、どうも。                                                                    例えば、当該施設が軍事施設の主要電源になっているとか、軍事的重要性が高ければ攻撃が許容される、そういう余地があるというものになっているようでありまして、本当にそれでいいのかどうかということも含めてしっかり考える必要がある。                                                                   提言二では、原発への攻撃を原則禁じているジュネーブ条約等々をやはり改正すべきではないか。つまり、全面的に原子力施設への軍事行動を防止するように改正すべきではないか。そういった、国際条約の改正作業とか国際原則の確立に向けて、やはり日本としては、広島サミットもあることですし、福島第一原発の事故もありましたし、被爆国ということもありますので、やはり各国間の議論を林外務大臣に先導していただきたいなと。                                                                           これは広島サミットでも何らかの、まあ何ていうのかな、広島サミットで結論が出なくても、議論をスタートさせようというぐらいのことは私は言ってもいいんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょう。

○林国務大臣                                                                                今、委員からお話がありましたように、この五十六条に、「攻撃の対象としてはならない。」こう書いてございますが、一方で、「1に規定する攻撃からの特別の保護は、次の場合にのみ消滅する。」ということで、今お話のあったような、「これに対する攻撃がそのような支援を終了させるための唯一の実行可能な方法である場合」、こういうこともあるわけでございます。                                                                                    いずれにしても、まずはこれが許されてはならない。今回、まさにこのただし書的なものが、じゃ、今回のものに適用されるかといえば、本条が全く適用されるケースでありますから、国際社会がその実効性を高めるために連携していく。もとより、侵略自体が国際法違反であるということは重ねて申し上げてきておるところでございますが、まさに実効性を高めるための連携というのは必要だ、こういうふうに思っております。                      G7でこれまでも、実は原発の占拠を含めて、ウクライナ侵略におけるロシアの一連の行為に対して、ウクライナの主権が完全に尊重される形でIAEAの取組を後押しをするということで結束をして対応してきたわけでございますので、今の委員の御指摘も踏まえて、しっかりG7で対応してまいりたいと思っております。

○玄葉委員                                                                                 これは、ザポリージャ原発はもう現在進行中なのでありますけれども、今後、様々な地域でこういうことがあり得る話なので、戦時下における原子力施設の保護強化の仕組みを、やはり日本がしっかり国際社会の中で議論を主導してつくり上げる、そのきっかけに是非広島サミットをしていただきたいと思っておりますが、最後にいかがでしょうか。

○林国務大臣                                                                             今の条約やG7の対応状況については先ほど御答弁したとおりでございます。まさに唯一の戦争被爆国としての我々の立場、そして、我々は長野県軽井沢でございますが、サミットは広島で行われるということも踏まえて、しっかり対応してまいりたいと思います。

○玄葉委員                                                                                   終わります。どうもありがとうございます。

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