日本をあきらめない!
(後援会新年会の挨拶より抜粋)
・変えよう日本の政治
新しい年を迎え、心からお慶び申し上げます。昨年は政・官・業の癒着による不祥事が続出、補助金をめぐる仲介やあっせん、口利きが自民党の体質であることが明らかになり、国民の政治不信は高まるばかりでした。一方、肝心の民主党も代表選をめぐる混乱など必ずしも国民の期待に応えているとはいえません。しかし、ここであきらめるわけにはまいりません。政治が良くならなければ日本は良くならないのですから。
・私の政治理念
私はこれまでずっと「うそをつかない、ごまかさない、いばらない」をモットーに地方の振興と地方分権、政治主導、主体性のある外交の確立などに全力をあげて参りました。私はパフォーマンスはできませんし、嫌いです。今後もごまかしのない姿勢でがんばり抜く覚悟です。今年の政界は何があっても不思議ではありませんが、たとえ何があっても私は私の政治理念を貫き通し、評価を受けたいと思っています。
・キーワードは仕事づくり
最近、「構造改革」という言葉がひんぱんに使われます。構造改革の定義は明確ではありませんが、小泉首相が「構造改革なくして景気回復なし」という場合の経済の構造改革を仮りに定義するとどうなるのでしょうか。
国の経済成長は、労働力人口と一人当たりの生産性の二つで決まります。ところがわが国の人口は、2006年から毎年60万人ずつ減りつづけます。ということは、一人当たりの生産性を高めなければ、経済成長はしないということになります。日本経済は人口が減るのに合わせて成長しなくてもいいということになれば、それはそれとして一つの考え方です。でも私は700兆円もの財政赤字があり、高齢化で税収も減れば、国民が必要な一定の行政サービスを受けることが出来なくなることを考えると2%ぐらいの経済成長は必要だと思っています。そして、それには一人当たりの生産性を高めなければなりませんし、競争力の強い産業を育てていかなければなりません。そういう産業構造にすることが、小泉首相の経済構造改革であると言うのなら、これはこれでやらなければならないと思っています。
・縮小型の小泉路線
でも問題なのは、小泉首相の構造改革は縮小型になっていることです。どんどん景気を縮小し、雇用を縮小しながら経済の構造改革をしようということになっているのが問題なのです。小泉さんのメッセージというのは、「改革するから痛みに耐えてくれ」ということだったと思います。でも「改革もなし、成長もなし」、痛みだけが出ているのが問題です。
・時代に逆行の抵抗勢力
それなら自民党の抵抗勢力、たとえば亀井さんたちの主張はどうでしょうか。とにかく「どんどん国債を出せ、いくら出してもいいから、それで景気対策をやれ」という主張です。これをやれば一時的に景気は良くなるかもしれません。でもその後はもっと悪くなりますし、この従来型のバラマキ手法がうまく行かないのは、過去10年の失敗で証明済みです。彼らに予算の中身の見直しはできませんし、ましてや将来に向けてのシステム改革はなお無理です。
・住宅ゼロ税率を
これに対し、私は仕事をつくりながら構造改革を進めるべきだと主張しています。この私の主張は民主党の政策として取り上げられつつありますが、小泉さんの構造改革が縮小型なのに対し、拡大型の構造改革を進めようというもので、例えば「住宅ゼロ税率」を主張しています。新しく家を建てるときには、消費税をとらない、親から子に建築資金を贈与するときも税金をとらない、そのことで住宅の建築を促進し、関連産業の仕事を増やしながら構造改革を進めようというものです。
住宅ほど関連する企業があり、新たな仕事をつくる業種はありません。しかも日本の衣・食・住のうち衣・食は世界の水準、いや水準以上に達し、豊かになっていますが、住宅は経済水準から見ればまだまだ不十分であり、おそらく国民の半分はより質の高い住まいをつくりたいと考えているのではないでしょうか。需要は数多くあります。
人手が足りないことから荒れ放題になっている山林を守り、環境を保全するため森林作業員を増やすことも有効な方法ですし、規制を緩和することで仕事を増やすことも考えられますし、それとは逆に環境保全などで規制を強化することで仕事を増やすことも必要でしょう。ちなみに住宅ゼロ税率にするには、1兆円の財源が必要になりますが、それは国債を足したり、予算の組み替えでも可能です。
・地方の発展なくして日本の発展なし
私は前々から「地方の発展なくして日本の発展なし」と言い続けて来ました。地方の発展を図るには、地方分権の確立が欠かせません。
今進められている地方分権は、財政が厳しいから交付金を減らし、補助金を減らし、苦しいんだから合併しなさい、というやり方です。でもその前に補助金と交付金の見直しと財源移譲が必要です。
今、国の一般会計81兆円のうち17兆円は自治体向けの補助金と負担金で、その数は3千項目にものぼります。これらは全部国のヒモつきですが、私がこの3千項目を全部調べたら、そのうちの大半が都道府県と市町村でできる仕事なんです。ですから中央省庁はこれを地方に移譲すればいいんです。
私が仮に総理大臣になったら補助金は4種類ぐらいに分け、自治体に渡します。例えば1割減額されたとしても、自由に使える金にすれば、各自治体は最も効果的で、最も効率的な使い方を考えます。
こうした地域に密着した課題を住民と日々向き合っている市町村が住民と話し合って解決することが、真の地方分権であり、そのようにして地域の持っている潜在能力を最大限発揮させ、活力ある地域をつくることが、わが国全体の活性化につながります。
この本格的な地方分権が進めば、中央省庁のキャリア官僚は、現在の3分の1で済むようになります。大部分が補助金に関する仕事をしているので、いらなくなるわけです。このいらなくなった3分の2はどうするか。優秀な人々なんですから、政党や政治家のスタッフや政治家、あるいは地方自治体に行ってもらえばいい。そういう権限を持っている自治体なら、みんな行きたがるようになります。
・多様な自治を求めよ-市町村合併-
「人口1万人以下の町村は出張所にしてしまえ」という西尾私案や自民党小委員会の案はあまりに乱暴です。
市町村合併は住民が自主的に決めるべきで強制合併には、絶対反対です。平成17年度までに合併すればいろんな恩恵があると国が約束しており、それを含め合併をすれば今より大きな夢を描けるなら合併すべきでしょう。しかし合併しない町村があっても然るべきです。大切なことは、合併の是非を巡る検討プロセスであり、同時に国が多様な市町村の形態を認めていくことです。
例えば三春町は当面合併しないことを宣言されましたが、伊藤寛町長さんはアメリカの一部で行われている行政マネージメント制を導入しようとされています。熟慮し合併をしない認めた自治体には、多様な自治の形態を認めていくべきだと思います。
・日本をあきらめない
拡大型経済構造改革も、分権改革も、真の政治主導確立も、政権交代可能な勢力づくりも私はあきらめません。それは日本をあきらめることになりますから。