第44回総選挙を終えて
2005年9月11日は、私のこれまでの人生の中で最も悔しくかつ辛く切ない日となった。
自ら選対委員長として説得し擁立した候補者や仲間たちがバタバタと倒れていくさまを目の当たりにし、身体が引き裂かれるような思いになっている。候補者擁立の責任者として申し訳なかったと思う。ただ、候補者擁立に何か問題があったのかと反省してみるが、今なお「総選挙時点で考えられるほぼベストの候補者たち」であったと考えている。強いて挙げれば、比例名簿をより有効に活用する手立てがあったはずという点か。
では何が敗因か。各論で2点。
第1に、「改革の旗」を小泉自民党に奪われたことである。政府の郵政法案に対する民主党の対応は完全に「易きに流れた」。その結果、スキを衝かれた。
第2に、メディア戦略で負けた。しかし、担当者も気の毒だ。党の広報・メディア戦略の組織体制自体にその場しのぎの感があったことは否めない事実だからである。昨年の参院選で民主党に負けた自民党がこの部分を強化したことは明らかである。
さらに決定的であったことは、自省も込めてであるが、「解散の時期を見誤った」ことである。来年秋の解散の想定で、民主党は全てを準備していた。候補者擁立・目指すべき社会像・課題設定etc.。岡田代表は、公務員の人件費削減問題もこちらから打って出る準備をしていた。
私たちにふさぎこんでいる時間はない。
ピンチは最大のチャンスである。民主党新生の第1ステ-ジは43歳という若い前原代表の誕生である。私は代表から幹事長代理を頼まれ、固辞したが、結局お引き受けした。反省ばかりでは次の展望は開けない。
民主党新生の第2ステージは次の3点を軌道に乗せることである。
第1に、「改革の旗」を民主党に取り戻す。暫くは改革競争でいい。そして従前の民主党では結論を得にくい課題こそ新代表のリーダーシップにより、魅力的な案をまとめてみせることである。逃げずに、オープンで議論し、シンプルな結論を出していく。
第2に、「広報・メディア戦略室」の設置である。党機構は、簡素化・一元化・戦略化の観点で見直す。特に、戦略企画・広報メディア部門の重要性が今後飛躍的に高まる。それらの部門を一元的に担当する部門を設け、精鋭を揃え、相当のエネルギーを注ぐ。
第3は、「最強の候補者軍団」づくりである。民主党は今回の選挙で大負けしたものの、次回総選挙での出馬希望者は選挙前以上である。自民党の水ぶくれ状態を考えると今後さらに希望者は殺到するだろう。善戦健闘するも落選した候補者に今後選考する新たな新人を加え、ランクアップした候補者軍団をつくり上げる。早ければ10月末にも第一次内定を発表できるようにしなければならない。
自民党の小選挙区での得票の合計は、民主党のわずか1.3倍であるにもかかわらず、獲得議席は4倍であった。これが小選挙区である。当然、逆もあるということである。次回総選挙でのリベンジを誓う。
臥薪嘗胆の季節である。