平成21年を迎えて
あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。
心より御礼申し上げ、皆様の本年のご多幸をお祈り申し上げます。
日本経済がというより世界経済が正念場である。
サブプライムローンの破綻に端を発した米国発の金融・経済危機は、その深さや広がりにおいて30年代より大きいともいわれ、その影響は、米国、欧州はもとより、米国経済と深くリンクする中国やインド、そしてロシアなどの資源国やブラジルまで及んでいる。
「よりまし」といわれる日本も例外ではない。内需中心型経済への移行を実現できていなかったツケもあり、残念ながら私たちは出口の見えない長いトンネルの入り口にいる。
大切なことは、「危機の乗り切り方」である。どのような乗り切り方をするかで次代の日本が決まる。限られた財政余力の中で行われる経済対策は、その内容を読めば未来の日本が見える中身にしなければならない。
次の成長戦略を大胆かつ戦略的に経済対策に組み入れることが重要である。
具体的には、住宅・医療・教育・環境技術・農林業がポイントだ。
住宅投資は経済波及効果が最も大きく、内需拡大の柱となる。日本の強みの一つは、金融資産の大きさであるが、その75%は60歳以上が、同時に不動産の75%は50歳以上が有していることに着目して政策立案すべきである。
医療も同様に家計消費の柱足りうる。日本の医療費はGDPの8%程度にすぎないが、米国では15%、欧州では10~12%もある。健康に対する消費はまだまだ旺盛である。
教育は日本の将来を決定づけるものであることは言うまでもない。人口減少時代にあっては国民ひとりひとりの質で勝負するしかないし、また日本人は自らや自らの子どもの人生を豊かにするためには教育支出は惜しまない。
環境技術は日本の得意分野になり得る。この際、環境問題をチャンスととらまえて環境関連技術を大きく後押ししなければならない。現在の施策ではまだまだ中途半端である。
農林業は地域を下支えする。世界の穀物価格が乱高下する中、最貧国の事情を斟酌すれば自給率を高めることは世界に対する責任でもある。40%を60%にするくらいの目標を掲げて投資をすればよい。荒れ放題の山林には人手が必要だ。間伐や下草刈りなど人の手が入らないと立派な木は育たない。緑の雇用を本格実施する時が来た。
アイスランドでは国内の銀行預金の総額がGDPの10倍以上になるという。よって銀行を国有化した現在、国家そのものがそれに耐え得るのかということになる。
やはり単層社会は脆弱である。かねてから主張しているように、日本は、バランスの取れた市場主義で重層的な「懐の深い社会」を目指すべきである。その上で、
人口減少や高齢化などの諸問題を他の先進国に先駆けて克服することで、世界から一目置かれ尊敬される国家にならなければならない。
現在、政府の打ち出している経済対策には、次の日本への戦略的ダイナミズムが欠けていると言わざるを得ない。例の給付金などは何をかいわんやである。
日本も米国のように「変化によるエネルギー」が必要な時だ。
本日召集の通常国会。
議院運営委員会の筆頭理事として国会運営の交渉窓口を務めることになりました。忙しくなりそうです。
経済危機の入り口であること、歴史の教科書に載るであろう総選挙の直前であることに留意の上、心して活動したいと思います。
今年も宜しくお願い申し上げます。