あまり知られていない話ですが、昨年、英国のBBC放送が世界各国で行った調査において、「世界に良い影響を与えている国は？」との問いで、日本が１位になりました。
また、国連のレポートには１人あたりの“真の豊かさ”の１位はやはり日本という報告もあります。

外務大臣として、日々各国の方々とお会いするなかで、世界中の人たちが日本に対して、私たち自身が思っている以上に良い印象を抱いてくれていることを実感し、大変誇らしく感じています。

勤勉さや道徳心、高い技術力、伝統・文化などが高い評価を受けています。
それらを物語るように昨年の震災での日本人の互いに助け合う光景や自制的に行動する姿は、海外で大きな賞賛を浴びました。

一方、国際社会のパワーバランスは大きく変容し、さらに2046年には日本の人口は１億人を切ると言われています。この20年の経済低迷、少子高齢化社会への本格突入にあたり、日本の“国力”が問われています。
英「エコノミスト」誌は世界全体に占める日本のGDP（国内総生産）の比率は現在の約６％から2050年には約２%に大きく後退すると予測しています。

世 界は、未曾有の震災に見舞われた被災地、特に原発事故という惨禍に遭った「フクシマ」がいかに復興するのかを見つめています。また、高齢化が急速に進む 日本が、多くの国の課題になりつつある超少子高齢化社会という難題を世界に先がけ解決できるかどうかを注目しています。
私は日本の未来に大きな希望とともに強い“危機感”を抱いています。

国の力をつけていく時です。
与党か野党かは関係ありません。
与野党が互いに足を引っ張り合っている余裕などありません。
私たちには次の世代に豊かな日本、世界に誇れる日本を引き継ぐ責務があります。

「福島の復興」や「日本の力をつける」ため、その困難から決して逃げることなく、皆さんとともにひとつずつ乗り越えてまいります。