『ボーダーライン』 ドュニ・ヴィルヌーブ監督、エミリー・ブラント、ベニチオ・デル・トロ
『山河ノスタルジア』 ジャン・ジャンクー監督
『海よりもまだ深く』 是枝裕和監督、阿部寛、樹木希林
『マイケルムーアの世界侵略のススメ』
その他、G.W.の米国・メキシコ訪問の往復の機内で、『コンテンダー』(ニコラス・ケイジ)、『ブラック・スキャンダル』(スコットクーパー監督)、『コンカッション』(ピーター・ランデスマン監督)。
「ボーダーライン」は、米国メキシコ国境での凄まじい麻薬戦争をリアルに描いている。
「山河ノスタルジア」は、秀作だが「罪の手ざわり」のようなインパクトに欠ける。「罪の手ざわり」は中国社会の矛盾を暴力で表現し、中国国内では上映許可がおりなかった経緯がある。今回は中国国内でも上映できる作品を作りたかったのではないか。海外生活が長くなり中国語を話せなくなった息子がアイデンティティーを失っていく姿は、やはり現代中国の問題点を突いている。
「海よりもまだ深く」は、心に染み入る会話の数々が「海街ダイアリー」と重なる。「幸せは何かをあきらめないと手にできない」という老母のつぶやきが印象的。
「マイケルムーアの世界侵略のススメ」は、社会問題を鋭い視点で扱ってきた監督が、世界各国を訪れ、米国に「(略奪して)ぜひとも採り入れたいもの」を撮影している。少々冗長だがおもしろい。日本にとっても「採り入れたいもの」が見つかりそうだ。
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