2018年7~10月の映画
☆の数は5つが満点
・「ワンダーwonder 君は太陽」 スティーブン・チョボスキー監督、ジュリア・ロバーツ ☆☆☆☆+α ・「焼肉ドラゴン」 鄭義信(チョン・ウィシン)、真木よう子、大泉洋 ☆☆☆☆ ・「カメラを止めるな」 上田慎一郎監督 ☆☆☆ ・「ミッション・インポシブル」 クリストファー・マッカリー監督、トム・クルーズ ☆☆☆ ・「1987ある闘いの真実」 チャン・ジュナイ監督、キム・ユンスク ☆☆☆☆ ・「恋のしずく」 瀬木直貴監督、川英李奈、小野塚勇人 ☆☆☆☆
・「ワンダーwonder」~秀逸の作品。泣けた。普通でない子へのいじめや偏見は包摂社会になってもなかなか無くならない。彼を取り巻く家族ひとりひとりやクラスメートらの内面がよく描かれている。ジュリア・ロバーツが母親役を熱演。 ・「焼肉ドラゴン」~人気戯曲の映画化。だからなのか特に息子や次女の演技など、または全体的にどこか舞台的な感じを受けた。1970年代の在日韓国人・朝鮮人の実情を教えてくれる。むき出しの荒々しさが井筒監督のパッチギを連想させた。粗末な家に肩を寄せ合って生きる在日の大家族。貧困、差別や偏見に苦しみ、高度成長に翻弄されつつも、逞しく温もりのある家族を築いてきた。懸命に働いて子供たちを育てた父母。差別や偏見を除けば当時の多くの日本人も同様だろう。結局はいじめに合い逃げ場を失って自殺する息子にもしばしば「逃げるな」と叱咤する。在日として日本で生きていくある種の覚悟を感じた。70年代の在日の実態を映画として残しておきたいという鄭(ちょん)監督の意思を感じた。 ・「カメラを止めるな」~製作費300万円の超話題作。ゾンビ映画の製作現場を対象にした作品で、脚本で観客を引きつける。口コミでひろまった。この監督さんは、もし製作費がふんだんにあればどんな作品をつくるのだろうか。 ・「ミッション・インポシブル」~相変わらず妥協知らずの演技は迫力だ。 冒頭のプルトニウムを失うシーンは少し不自然に映る。 ・「1987ある闘いの真実」~韓国の全政権時代の民主化闘争の実話だが、韓国ムービーのエンターテインメント、演技共にうまい。現在の韓国の民主主義、メディア、司法のレベルへの評価は様々で、決して見習うべきレベルとは思わないが、1987年に民衆自らが勝ち取った民主主義ということの意味は韓国民にとっては重いファクトに違いない。 ・「恋のしずく」~酒どころ広島県西条の小さな酒蔵の物語。杜氏が蒸米を捻り餠にしたり、麹室での作業、もろみが熟成するシーンなど蔵人の様子が実家のそれと重なる。映画としては物足りない感を感じる人もいるだろうが、親近感にあふれ、直球勝負の好感の持てる作品。
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