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国会議事録一覧

総務委員会(平成20年2月19日 議事録)

〇玄葉委員 民主党の玄葉光一郎です。

 今、ねじれ国会というふうに言われておりますけれども、私は、ねじれというのは力だと思います。それは、例えばねじり鉢巻きというのがありますけれども、あれもねじっているから力になる、あるいは、ばねだってねじってあるわけです。だから、ねじれというのは力だというふうに私は考えております。 その意味では、今回の道路特定財源の問題について、それぞれが余りしゃくし定規の議論ではなくて、同時に、それぞれのもともとの考え方に固執するのではなくて、建設的で柔軟な議論をこういう場で展開することが大切だ、そういう観点で質問をさせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 まず、増田大臣は大臣になられてから、地方を再生しなくてはいけないということで、あちこちの現場を視察されておられるわけでありますけれども、それぞれの地方自治体の最優先課題というのは、ごらんになって、何だというふうにお感じになられましたでしょうか。

〇増田国務大臣 地方のそれぞれの地域を回って見ますと、経済が大変疲弊をしている、それから生活面で、例えば医師不足等の問題などがさらに深刻化をしているといったような問題、それから、ちょっとその先の経済の問題になりますと、その経済の部分については、特に基幹産業であった一次産業が著しく力をなくしているといったような声が多く聞かれました。地域によってそれぞれの重点の置き方は変わってまいりますけれども、そうした声は、多くは公共団体の財源が今非常に逼迫しているということによって、サービスもまたさまざま低下をしたり、それから非常に大きな、大胆な産業誘致の構想が描けないといったようなことにも起因をしているのかというふうに思っておりまして、地域の実情がさまざまなものですから、一概にどうのこうのということをこの場でもなかなかうまく表現できませんけれども、やはり多くの皆さん方、異口同音に、今のそうしたさまざまな問題に対して、何とかして地域の発想を生かしてそれを克服していきたい、そういう思いというか強い意気込みというものを感じてまいったところでございます。

〇玄葉委員 経済であるとか医師不足であるとか農林水産業であるとか、それぞれ地域によって最優先課題はまちまちである、あるいはトータルに考えていかなきゃいけない、こういうことだと思います。 次に、それぞれの地方自治体の自由度とか裁量とか、そういったものが高まるということについてはいかがお考えですか。

〇増田国務大臣 分権型の社会が目指しているところは、こういった、全国にさまざまな自治体がありますが、でき得る限りそれぞれの自治体が自由な発想で自分たちの考え方のもとで自律をしていく、こういうことを制度的にもつくり上げていくのが分権型の社会の考え方だというふうに思っておりまして、その中では、権限ですとか財源ですとか、それからあと議会などでの条例制定権ですとか、そういうものをできるだけ地方公共団体の自主性、自律性といったものにつなげていく、こういう形できちんと整備を整えていくことだというふうに思っております。

〇玄葉委員 そうすると、今御答弁ありましたように、それぞれの地方自治体の最優先課題というのはさまざまである、同時に、自治体がそれぞれ権限、財源を有して、自由度、裁量が高まっていくことは大変望ましいことだ、こういうことだと思います。 そうすると、仮に、この道路特定財源、これはこれまでも議論がございますように、国分、地方税分合わせて五・四兆円ある。地方分は、さまざまな計算の仕方があるでしょうが、九千億円プラス七千億円は最低限あるだろう、一・六兆あるだろう、こういうことですけれども、それらが仮に、暫定税率を残す形で、あるいは暫定税率を本則にする形で一般財源化される、あるいは、どこかで暫定税率分を使い道自由な環境税のような形で新税に組みかえて一般財源化され、地方の財源はこれまでどおり確保される、こういった考え方についてはどういうふうにお考えになられますか。積極的に賛成ですね。

〇増田国務大臣 今の道路の関係でありますけれども、国税と地方税と、それぞれ制度が非常に密接にリンクをしているということが一つあるのと、それから、これは私も知事をしていたときに、各ユーザーですとか道路団体の方から、やはり暫定的な税率を実際には課しているわけでありますので、そういうものについての使途、目的について、道路の整備のために使われているので、それ以外であればやはり税率を下げてほしいという実際の要望書ですとか、それから声というものを聞いてきたことがあります。 ですから、この関係についていいますと、そういった使途がいろいろと自由になるですとかいうことに対しては、実際に納めている皆さん方納税者の理解とか、それからいわゆる受益者負担の考え方と、やはりあわせて考えていく必要があるのではないか。ですから、今お話がございましたとおり、暫定税率を維持して使途、目的を拡大するということですが、その維持してというところが実は使途、目的と非常に絡んでくるというところがこの問題の課題として一つあるのではないか。 そういう使途拡大ということになりますと、今、もう政府として、国税についていえば、一般財源化というこの大きな方針は出ているわけでありますが、道路に関係する部分についてというふうに言っているのも、納税者の理解を得るためにそういう枠をはめているということなんだろうと思います。 ですから、我々、地方税法案を今回出しておりますけれども、地方税につきましても、御案内のとおり、国の自動車重量税とは違って、これは当初から目的税にして道路に関係するところに充てる、道路整備に充てるということで納税者の理解を得ている、こういう性格のものでございますので、そうした道路税の経緯と、それから今の納税者の理解という点についてやはり十分考える必要があるのではないかというふうに私は思っております。

〇玄葉委員 意外な答弁をいただいたなというふうに思っておりますけれども。現実には、自動車諸税、関係している方々というのは、もうこれまでも議論がありますけれども、消費税並みに広いと申し上げてもよいのではないかというふうに思います。 地方分権を推進する立場の総務大臣が、一般財源にしてこれまでと同額あるいはそれ以上の財源を地方自治体に確保させるということについて、いかがなものか、こういう見解を持っているというのは、私は非常に残念でならないわけでありますけれども、ございますか、どうぞ。

〇増田国務大臣 もう少しお時間をいただいて、敷衍して申し上げますと、やはりこの問題は、確かに一般財源か特定財源かというような大きな論点がありますので、これは十分議論する必要があると思うんですが、この道路整備の関係でいいますと、私は、道路整備の事業量ですとか道路整備計画が、どういうことであるべきなのか、あるいはどういう量なのか、ここが一番この問題の本質といいましょうか一番大事なところであって、地方分権の関係で申し上げましても、これだけの道路事業計画、地方の道路計画あるいは道路事業量というものが必要だということであれば、必ずそれを実行していくだけのきちんとした財源を手当てする必要があります。道路計画というものがあって、道路事業量というものがきちんと決まれば、それに対して完全にそれが不足することのない財源をきちんと手当てする必要がある。そうした財源を手当てする上で、大変大きなお金になりますので、それを一般財源という形で充当できるのか、あるいは担税力のある皆さん方に、特別に目的を定めてさらに財源を調達させるということでその全体を賄えるということであれば、それは特定財源という形で財源を調達するということも十分考えられる方法であって、それが今までこういう道路特定財源という形で、ユーザー、ガソリンを消費する皆さん方からお金をいただいていた趣旨だと思うんですね。ですから、そういう、計画ですとか事業量をきちんと、それぞれの地域でどれだけ必要なのかということがあれば、それに十分対応する。それを満たすだけの財源を確保する方策として、一般財源か特定財源か。そして特定財源でなければユーザーの納得が得られないということで今までこれだけのお金を調達してきたわけでありますので、これは分権の時代になっても、やはりこれだけのお金が必要で、それが特定財源という形でなければなかなかユーザーの理解が得られないということであれば、そういう方策をとって税収の確保を図っていただかなければならない。これはまた違う観点ではないか、こういうふうに考えているところでございます。

〇玄葉委員 よくわからないですね。ユーザーには当然理解を求めていくというのは、これは政治の意思として行う必要があるし、行えばいいわけであります。十二分に理解が得られると私は考えています。 同時に、道路計画の話は後で申し上げますけれども、これは率直に申し上げて、先ほど御自身がおっしゃったように、それぞれの自治体が最優先とする課題というのはそれぞれなわけですよ。私もたくさんの陳情をいただきました。道路は、例えば救急車を運べないとまさに困るので、命の道路なんだ、こういうお話をたくさんいただきました。そういう面もあるかもしれません。だけれども、今の現状は、救急車で患者さんを運んだら病院に医者がいなかった。これもまた大変な実態なわけですね。ですから、道路だけが最優先する時代ではないということはもう間違いないと思います。 そういう中で、それぞれの自治体が政策的な競争原理を働かせて、教育に使う、あるいは福祉に使う。道路に使うんだったら堂々と一般財源から使えばいいじゃないですか、堂々と。なぜそれが地方分権の推進をする総務大臣から言葉として語られないのか、不思議でなりません。

〇増田国務大臣 先ほど、医療ですとか産業の振興とか申し上げましたけれども、やはりそういうものの基礎というか基盤で道路があるということで、特に今まで整備がおくれていたところが今の時代も道路整備を渇望しているということ、しかも、今までどうしても、放射状の道路にしても大都市から中心に順番に整備されてきているということがございましたので、ちょうどそういった整備を必要なところがまだまだ地方にいっぱい残っていて、そこが整備されて初めて、工業にしても農業にしても、いろいろ産業の基盤が成り立っていく、こういうことではないかと思います。この計画自体については国交省の方でいろいろ議論しているので、余り私の方からも深入りすることは、ちょっときょうはあえて避けておきますけれども、いずれにしても、そういう道路の計画ですとか地方で今まで待たされてきた整備量というものがあるとして、そうしたものに対して必要な財源を確保するということが必要であるならば、それに一番合った形で、納税者の皆さん方が理解を得るような、そういう方策を出していく必要がある。ここが多分議論の、判断の分かれ目ということになるんじゃないかと思いますけれども、これだけの整備量がまだ必要で、それに対しての財源がまだ膨大に必要だと。五十九兆円の、マックスということで、この是非というのはまた別途国土交通委員会等でいろいろあると思うんですが、そういった五十九兆なら五十九兆、かつて六十五兆とか言われていましたが、それだけの、六十兆ぐらいの財政的な需要があるというか必要があるということであれば、それに沿った形でやはり納税者の御理解をいただいて、お金をいただいてこなければならない。今までそのために過去からああいう税率をお願いして負担をしてきたという経緯がございますので、これは十年後にどうかということは別です、十年後は別ですけれども、もし今の段階で、やはりそれだけの量が必要で、それだけのお金を徴収していかなければならないということで、それが一番納税者に理解を得られるということであれば、やはりそういう今までのやり方を延長してやっていかなければならない。そして、仮にそうした一般財源化をすることによって、冒頭私が申し上げました、道路を使う皆さん方から、それだったらもう税率を下げてほしいという声がいろいろ関係団体から来ているわけでございますので、そういうことで税率が下がって必要な税収が得られないということになると、さらにまた各地域での道路整備が将来に延ばされてしまう、こういうことではないかというふうに思っております。

〇玄葉委員 地方の自由度を高めたいと再三答弁されてきた総務大臣のこれまでの答弁と、私は矛盾するというふうに思います。さらに申し上げると、道路計画についてはちょっと後でお話をいたしますけれども、私が今回聞いているのは、一般財源化されて暫定税率が廃止をされるという場合についてお答えになっている部分も半分ぐらいあるわけですね、今、大臣の答弁は。つくれなくなっちゃったら困ると。一般財源化されてそれが本則になったり、あるいは、仮にという話をしているんですよ、本則になったり、暫定税率が残ったりした形で一般財源化され地方の財源が確保された場合のことを聞いているんですよ。それでもだめなんですか。そんなしゃくし定規の議論をするんですか。

〇増田国務大臣 これは正直、委員、なかなかお答えしにくい部分があるというのは、地方税法を今立法府に提案していまして、もし本則で書けるんだったら、やはり書いて提案するのが私らの趣旨でありますし、暫定税率を高く付すということは、そういう目的税化をしないと納税者の理解が得られないだろうという判断が私どもはあるので、それで立法府にお出しをしている。もし、今先生がお話しになったような形で納税者の皆さん方の理解が得られるというのであれば、それはそういう法律のつくり方にして出しております。この法案は御承知のとおり、地方税の部分も、設立当初のところから、これだけの税をいただくというのはやはり納税者の皆さん方に理解を得られないだろうということで、それで当初から目的税ということで地方税の部分は法律をつくり上げていますので、仮に今言いましたように一般財源化するということであれば、この地方税については法律の根底が当初から崩れてしまうので、やはりそれは当時の経緯からいっても税率を下げてお出ししなければいけない、こういう関係になっていると思います。

〇玄葉委員 冒頭私が申し上げたように、ねじれは力で、道路特定財源で与党と野党が歩み寄って一つの案をつくるという可能性があるわけですよ。だから、冒頭申し上げたように、余りこれまでの考え方に固執しないで柔軟な議論をしましょうと。だから私はあえて暫定税率に触れないんですよ。あえて触れないんですよ。前向きで建設的な……。まず一般財源化することがいいかどうかということの議論の整理をしなきゃいけないから申し上げているんですよ、あえて。だから、そのことについてどうかと。そんな、今まで法案を出しちゃっているから答えにくいというんじゃなくて、一般財源化されて、まさに地方の財源が確保されるという制度設計は、これからだってやろうと思えばできるんですよ、政治なんですから、国会なんですから、立法府なんですから。それは法案を修正する形だって何だってできるわけですよ。そこをやった場合、どうかと、こういうふうに聞いているんです。

〇増田国務大臣 この問題について、私の方で、一般財源化、それから特定財源ということについて申し上げますと、やはり一般財源化をすると、どうしてもこれについては税率の問題に響いてくるから、あえて目的税化をしてお出ししている、こういうことなんですね。確かに、立法府の方でいろいろな議論があっていいと思いますし、それから、私もあえて冒頭申し上げましたんですけれども、やはり地方自治体が自主的な財源というのを獲得していくということ、これはこれからの方向でもありますし、そして実際に各自治体も非常に多くのニーズを持っている、これも私十分に承知をしているところです。さらに言いますと、確かに六市町村が署名をしていなかったということでありますが、しかし一方で、これだけの一千八百近い自治体がこうした問題に対して意思を表示しているというのは、これも逆に言うと非常にびっくりするぐらいやはり高い率でございまして、恐らく、道路については、先ほど言いました産業振興ですとか医療とかそういった問題の非常にベースになっているものですから、それだけ皆さん関心も深く、あえて署名されていなかった方も、皆さんやはり税率の問題については非常にぴりぴりして、それについてやはり削減されることを心配しておられるということもございます。ですから、この問題というのは、一番大事なことは地方の道路整備の事業、量あるいは計画、どれなのかということから、それに沿った形で財源対策を私どもが責任を持って考えていく、そういうことが物事の筋道ではないか。一般財源化を全部行って、そして全部それでやるという、これも考え方としてはもちろんあるわけですね。一般財源化して全部そこで、自治体の自由でやるということですが、あえて申し上げますと、そうしていろいろ自治体に選択をさせた結果、仮に道路を選んだ自治体が前どおりの、今の我々がお出ししているような法案の結果による道路事業を整備できるかどうかといいますと、そこがやはり問題になってまいります。要するに、全部を一般財源化するということであればどうしても、税率を下げろ、そして歳入を当然減らさなければいけない、そういう圧力が高まって、結局、法の目的からもそこが崩れてしまいますので、仮に一般財源化をして道路を選んだとしても、その整備量が少なくなる。あるいは国が整備してくれる新直轄、ほかのものは料金であれしていますからいいですが、新直轄等も減ってしまって、また自分たちの整備する順番が後になってしまう。そこが一番自治体の危惧しているところではないかというふうに思います。

〇玄葉委員 いや、私は、結果として道路以外に回っても仕方がないし、それでいいと思うんです。私も地方で、さあ順番待ちだという、例えば高速道路なんかで、必要な高速道路はたくさんあると思いますよ。だから、そこはまさに道路の中期計画をきちっと精査すればいいわけですね。そもそも、それぞれの自治体の首長さん方が要望されているというのは、あなたの要望している道路がこのままではできなくなりますよと言われたら、それはだれだって陳情しますよ。もっと言えば、小泉改革でこれまで痛めつけられて、交付税交付金が三年間で五・一兆円減って、補助金、負担金が四・七兆円減って、税源移譲が三兆円だけだったから、そういう事態になっているんですよ、そもそも。本当は、私は、これまでの地方分権運動は何だったんだと、もう暗たんたる気持ちにさえなっているんですよ、はっきり申し上げて、今回の動きは。道路局の手のひらで全国が踊っている、中央集権そのもの、官僚主権そのものですよ。それに総務省の事務次官が何だか同調するような発言をして、各方面に訴えていくなんという、とんでもないですよ。政府の方針を説明するならわかりますよ。各方面に訴えていくなんて、これははっきり言って立場を超えています。そう思いませんか。

    〔委員長退席、今井委員長代理着席〕

〇増田国務大臣 結局、この問題、従来どおりの制度あるいは税率を維持して、そしてこういう計画をつくるのか、あるいは今の一般財源か特定財源かの問題について言えば、今委員もおっしゃいましたように、一般財源化をする、しかし地方の道路整備はそのことによってもっと少ない形で選ばせるかということにつながってくるのではないか。だから、やはり根っこは、地方でどれだけの計画あるいは進捗度でこの問題を進めていくのかというところに帰着をして、もし仮に地方の道路整備量が少なくて済む、そしてそれも多少、あるいは新直轄、国のやる分ももっと先に延びてもいいということで、そのかわり財源はもっと少なくてもいいですよということであれば、そういうことであれば、またその財源のところは新たに別のことを考える、そういう考え方もあるかもしれません。これは可能性としてはいろいろあると思うんですよ。ただ、今の私どもは、これはちょっと別のところでの議論になるかもしれませんが、五十九兆なりなんなり、六十兆近いそういう計画があって、それだけ財源が必要だというときに、今ある制度を変えてしまうと財源の調達ができなくなるということだと思います。ですから、繰り返しになりますが、そのことについて今、地方自治体が、全体的にはおっしゃったとおり交付税等も減ってまいりましたし、大変厳しい中で財源調達をしてきたということから考えれば、道路局の手のひらという、ここの見方もいろいろ分かれますけれども、首長としては、やはり地元の道路を整備するというのが最優先の課題で、なかなかそれをそうじゃないと言えませんから、首長としては。地元のそういうことからいえば、有権者から選ばれている中で違う行動は言えないので、そこはやはり温かい目で、決して手のひらの上で踊っているのではなくて、本心から心配をして、それで自分たちの道路が先延ばしされることを心配して、整備についてきちんと考え方を言っているのではないか。それを変えていく上で、立法府の方で、政治家同士で高い見地でいろいろ議論が行われるということでもございますし、そのことについてのいろいろな議長裁定もございますので、いろいろな議論があってしかるべきだと思いますけれども、その状況については、私はよく注視をしていきたいと思います。

〇玄葉委員 私は別に首長さんたちを、やじでありましたけれども、ばかにしているとかそんなことでは全くなくて、むしろ理解します、そうやって、予算を減らしますよ、あなたのところの道路はつくりませんよと言われたら、そうせざるを得ない、だから立場を理解します、こう申し上げているんです。ただし、こういう手法、体質は大問題ですよ。中央集権から地域主権国家にするというのは、間違いない、これからのこの国のありようですよ。そういうときに、まさに全く分権あるいは地域主権と逆行するような手法、体質で今回の議論が進んだということ自体が大変な問題だというふうに思います。私は、一般財源化するというのはもう当たり前の、改革の初歩だというふうに確信をしています。そういう改革の初歩もできないで、子供たちへの未来への希望というのは決して再生できない。余り時間がないのでとうとうと述べるつもりはないですけれども、この間、アメリカとソウルと上海とストックホルムと東京で、世代間幸福度調査というのをやった結果を見ました。そうしたら、ソウルも上海も、親の世代、自分の世代、そして子供の世代はそれぞれ、親の世代より自分の世代、自分の世代より子供の世代が幸せになるというわけです。ストックホルムもシリコンバレーも、親の世代と自分の世代は大体同じくらい、子供の世代も同じくらい幸せだろう、こういうふうに答えるわけです。東京はほとんどの人が、子供の世代は今よりも不幸せになるだろう、こういうふうに答えるわけです。それは、まさに今までの延長線上でだらだら惰性で行われてきた政治に大きな責任があります。まさにつくりかえをやらなきゃいけません。そのつくりかえをするときに、一般財源化なんというのは、私からすれば改革の初歩中の初歩ですよ。それもできないということに対して、本当に甚だ私は暗たんたる気持ちになっています。だから、柔軟に議論して、何とか与野党でより前向きな結論を得たいと思って、きょうも議論をしている。ちなみに、今回の道路中期計画の評価も聞きたいと思います。できるだけ端的に答えてください。

〇増田国務大臣 私も簡単に申し上げますけれども、まず、今お話のあったとおり、地方分権の中で、地方税の中でも、あるいは私どもも、岩手県としても、特別の目的税のようなものをいっぱいつくります。今も自治体でもいろいろ出てくると思います。ユーザーの理解を得られる中で、例えば産業廃棄物などの処理に充てるための産業廃棄物税などは、やはりそういった形で排出事業者等に理解を求める。ですから、一般財源か特定財源かとか、目的税か普通税かということについて、そういう分権型社会の中でいろいろ知恵、工夫を尽くして、それで一番これが納税者の理解を得られる、住民の理解を得られるということであれば、いろいろな目的税や普通税もあっていいと思います。これは一般論として私はそう思うので、そのことと、一般財源化が分権の初歩だというと恐らく、今道路の問題について一方でいろいろな無駄遣い等のことが言われている、私はもう本当に、道路特定財源を使っていろいろなことがあるとすれば、これはけしからぬことだし、すぐに正さなければいけないというふうに思います、それは私もそう思っているんですけれども、そういう中身の話等と、それから制度の問題は少し違うということだけ一言申し上げておきたい。それから、中期計画の内容については、これは主として国交省の関係でありますが、私はマックス五十九兆ということを言っておりますし、大きな方向で、財源が余っている部分について一般財源化をするということでありますが、そこをうんと切り詰めて、そして可能であれば、これは毎年毎年国会などできっちり見ていただく必要があると思いますが、そこを徹底的に見直しをして、少しでもそれが切り詰められることが現実問題として可能であれば、それを一般財源化していくというのは当然のことだろうというふうに思うところであります。

〇玄葉委員 各地方を視察されている大臣ですから、多分この中期計画も当然ごらんになったと思います。私も勉強しました。これをごらんになって、例えば、九九年の交通量で調査をしているんじゃないか、あるいは結論づけているんじゃないかとか、もっと〇五年は減少しているんじゃないかとか、こういう交通量の議論、あるいは費用対効果、あるいはその便益、こういった議論がほとんどなんですけれども、私は、それはそれで必要だと思いますが、一方で、交通量だけで道路計画をつくっていいのか、こういうことも実は思うんです。つまりは、これをごらんになってどうですか。私の個人的な感想、これは党というより個人的な感想を申し上げると、はっきり言って、これは大都市中心の計画に感じるんです。どうですか。

〇増田国務大臣 やはり道路ですので、これは計画をつくる際に交通量等も見るでしょうし、それからあと、そこを見ましたとき、コスト費用、BバイCですね、コスト・ベネフィット・アナリシスですか、それで見るときの便益をどのような範囲で見るのかということにいろいろな議論があって、単に経済的な便益ということだけでなくて、数字に全部うまくあらわせるのかどうかはあれですけれども、その土地土地が置かれている状況によって、やはり過疎地域でも、いろいろ交通量は少ないけれどもこれだけ大きな効果がある、そういったものを厳密にその中にカウントした、そういうものになっていてほしいなと。詳細の数値とかを責任を持って答える立場にもありませんし、それから手法についてよく知っているわけでもございません。国会の論戦の中なり、あるいはそれを私も見ましたけれども、それだけの話でございますので、これ以上申し上げられませんが、ただ、その上で、全体のネットワークですとか踏切の解消ですとか、それから医療の、命の道ですとか、十六だったか何か、いろいろたしか書いてあったかと思いますので、全体として見れば、大都市それから地方全体を見たものとしての計画であろう。ちょっと私もこれ以上のことをなかなか、計画をつくる立場じゃないので申し上げられませんが、そういう全体を見た計画だろうというふうに思います。

〇玄葉委員 私もちょっと調べてみたら、例えば東京の三本の環状線、例えば、首都高速中央環状線、東京外郭環状道路、首都圏中央連絡道路、これが平成十九年以降の残事業費、約四・六兆円ございます。立体交差、これで二十二兆円ございます。多分、今後東京都だけで恐らくこの五十九兆円のうちの十兆円以上は使うんだろう、用地が高いですから使うんだろうというふうに思います。実際、さっき、受益者負担、こうおっしゃったんですけれども、実はガソリン税を最も負担していないのが東京都民ですね、はっきり申し上げて。地方の方がガソリン税を負担しているんですよ。自動車保有台数が一世帯当たり、福井県がたしか二・四台とか二・五台あって、東京都が〇・七とか八ですね。ガソリン税を負担していないところが実は一番便益を受ける、私はそういうふうに見ているんです、この道路計画を。確かに通勤地獄は問題です。問題です。例えば、中期計画を見ると、渋滞対策、あかずの踏切、これはイコール地球温暖化対策だ、こう言っているわけです。でも、本当ですか。本当に地球温暖化対策をするんだったら、道路を整備するんじゃなくて、公共交通機関こそ整備すべきなんじゃないですか。道路じゃないでしょう。みんなできるだけ電車に乗って、できるだけバスに乗って、そういうことなんじゃないんですか。本当にこのままの、現行の中期計画でいいんですか。総務大臣。

〇増田国務大臣 計画の妥当性の話になると、これはやはり国交大臣が責任ある立場で答えなければいかぬというふうにまず思いますが、今のお話、確かに事業費的には用地代も大変高いですから、今おっしゃった三環状などは、大変大きな、地方から見ますとびっくりするぐらいのお金がかかってはいます。一方で、これもよく言われている御批判の中で、私、岩手にいましたときに、なかなか厳しいことを言われるなと思っておりましたが、地方でつくっている道路というのは、もう本当に無駄遣いじゃないかとか、車もろくに走ってないんじゃないかとか、そういうところばかりつくって自分たちが一番損しているということを都会の人たちに言われたりという話も聞きました。やはり、両方でいろいろな言い方はあるんではないか。ただ、大事なことは、道路というのはつながっていないとだめなので、確かに地方のそういう道路を整備するということと同時に、これは人間の体でいえば血管と同じような話ですから、動脈とか静脈、とにかく、太いところとそういう毛細血管に至るまでがうまくつながらないと、血も流れないし、物流効果も出てこないので、確かに中心部のところのそういう道路についてのかかるお金は大変高いものですが、そのことによって、例えば岩手から大阪に行く、持っていく、物が環状道路を通ってぱっと流れるといったこともあるので、私、もうこれ以上、計画論についてですので、なかなか申し上げる見識とか知見もございませんから、やはり全体、一体として計画自体は評価をしていかなければならないんではないかというふうに思っております。

〇玄葉委員 例えば、総務大臣、やはり大いにこの問題を一緒に議論していかなきゃいけないのは、だって、東京一極集中を是正するという立場でしょう、基本的に。格差を是正するという立場でしょう、基本的に。ですから、そういう立場であれば、このまま単純に――公共交通機関ならまだともかく、道路で通勤地獄を解消させて、人をもっともっと東京に集めるという政策がこれからさらに出てくるわけです。しかも、もっと言えば、東京都は、御存じのように基準財政収入額が基準財政需要額を何と一・四兆も上回っているんですよ。そういう状況の中で、たかだか法人二税の一部を国に召し上げて、ほかの地域に渡した。一方で、福田さんに石原さんは、環状線をつくれ、わかりましたと約束させているわけですね。石原知事の高笑いが聞こえてきますよ、はっきり申し上げて。だから、これはやはり、もっと本当に国土全体のことを考えて総務大臣は積極的に発言していかないと、いつの間にか、もっともっと東京一極集中が加速しますよ、このままいくと。

〇増田国務大臣 この計画の、特に環状線などについては、恐らく国交省の説明も同じだと思いますが、例えば先生の御地元の福島あたりから、今一番景気のいい東海ですとか近畿圏に行くときの、その流通利便性をさらに上げていくということの効果。要するに、環状道路ですから、むしろ中にいる人たちよりも、外から入ってくるものがどういうふうに出ていくか、そういう意味合いの方が多分大きいのではないかというふうに思います。やはりこの問題で大事なことは、いろいろお話を今お伺いしましたし、こういった問題について建設的に議論していくということは大事ですし、それから、東京にすべての機能を集めるということが決していいとも思っていない。それぞれの地域を自立させる必要があると思っていますが、その大きな自立をさせていく上でのいろいろな、各地域で各首長たちが考えているものの計画がその中に入っているということですね。それは地方の場合に、各地域の考えております道路がその中に盛り込まれているからこそ、その財源が減ることに対して首長たちもいろいろ危惧を申し上げているんだろうというふうに思いまして、そういった地方の計画が全くなしに、首都圏とか東京だけの計画ということではなくて、全体を見た、つくり上げた計画ですから、そういう東京のための、あるいは大都市中心の計画ということよりも、むしろ全国にそういった基幹的なネットワークを展開するということの是非が問われているのではないか、一万四千キロの議論を聞いていましても、むしろそういったことの是非が問われているのではないか。もちろん総務大臣としていろいろ意見を言っているわけですし、財源の確保が安定的でなければいけませんから今のことを提案しているわけですが、やはり本質は、大都市なり地方なりでどういう道路をどれだけのスピード感を持って整備していくのか、そこの計画論が一番大事であって、それに沿った形での財源をきちんと調達していかなければならない、そこに私として一番責任を持っている、こういうことでございます。

    〔今井委員長代理退席、委員長着席〕

〇玄葉委員 計画論は計画論で、今申し上げたように、どのくらいのスピードでどのくらいの事業をどこで行うのかということは大いにやったらいいと思いますけれども、その前に、それは堂々と一般財源にして、本当に必要ならそこからつくればいい、ほかのサービスと競争原理を働かせたらいい、こういう真っ当な、極めて真っ当だと私は思いますけれども、そういう考え方がなぜ通じないのかということが、正直きょうはもう少し柔軟な議論をしたかったなという思いでおりますけれども、そういうことを申し上げたいということでございます。しからば、東京にはこういう形でかなりの投資が行われるわけでありますけれども、地方の再生をどうするのか、実際に。疲弊していた地域は再生する、こういうことを増田総務大臣はおっしゃっているわけでありますけれども……(発言する者あり)地方の再生ですね、地方の再生をどう図るのか。(発言する者あり)

〇増田国務大臣 委員の皆さん、ひとつ静粛にお願いします。 玄葉君。

〇玄葉委員 私、増田プランというのも拝見をしました。あれはあれで私否定しません。大いにやってください。ただ、私がそれぞれ全国を回ってみて感じていることを一言申し上げたいんですけれども、今求められていることは、そういった増田プランのようなものもあっていいんだけれども、もっと根本的なこの国の基本政策の転換、再設計だと思います。先ほど医師不足の話とか農林水産業の話をされましたけれども、そういったところが抜本的に再設計されない限り、正直言って、この国の、限界集落対策も含めて、地方の再生というのはかなりきついなというふうに感じています。何が申し上げたいかというと、私が総務大臣に期待することは、増田プランもいいんですけれども、他の閣僚と議論をするときに、もっと基本政策の再設計にまで踏み込まないと地方の再生というのはできませんよということを、総務大臣なのですから、地方の再生を担当する大臣なのですから、言っていただきたい、そのことを申し上げたいのです。いかがですか。

〇増田国務大臣 地方の再設計というお話でございましたけれども、医師不足についてもそうでありますし、産業の問題についてもそうですし、コミュニティーが崩壊しているような非常に多くの地域が見られますし、それから、そのことによって国土保全機能も著しく低下をしている、そういうこともございます。ですから、今この時期で何か手当てをきちんとしないと、限界集落というのは、もう限界どころか消滅してしまう、こういう時期でありますし、それなりの危機感を持って、みんなが本当にそういう地域を共生の考え方でどうやってお互いに支え合っていくのかという立場に立たないといけない。ですから、そこはもう都市も地方も、区域を、あるいはそれぞれのエリアとかテリトリーを超えて協力しなければならない、こういうふうに思っているんです。そういう立場に立って、今、閣僚なり他の省庁にというお話でございましたが、まさにそういう形で主張をして、大分、他の省庁もこういう地方の問題、危機感は、これは程度問題もあるかもしれませんけれども、考えるようになってきたというか、他の閣僚もいろいろ協力するようになってきたのではないかなという気はします。もちろん、それがいいとかいうつもりはなくて、常にもっともっと根本に立ち返っていかなければいけないというふうに思いますが、今のままでは地方がもう完全にひどい状況になってしまう、単に効率性だけで押し切れる問題とは到底違うということの認識は十分にそれぞれのところに出てきているのではないかというふうに思っております。だからこそ、ああいう再生戦略だとか、それから今回の地方再生費のことについても財政当局も認めた。普通ですと、交付税なんかでは全部、偏在是正を税でしますとその分減らされるということでございましたが、別途の歳出の必要性は理解をしたということもございます。しかし、それだけでいいということじゃなくて、まだまだ、もっともっと私も努力しなければいけませんし、それぞれのところで理解をもっと深くしてもらわなければいけないということであります。この点についてはいろいろ、きょう御出席の委員の皆様方のお力もいただきながら努力していきたいと思います。

〇玄葉委員 現在の延長線上ではなかなか、残念ながら、再生するというわけにはいかないだろうと思います。我々も、農業政策については具体的に法案にして提案をしています。いずれ林業政策もやらなきゃいけない、エネルギー政策もそうだと思います。例えば東京都と青森で、新しく高校を卒業する人たちが、有効求人倍率というのがありますけれども、新卒高卒者、これは何と二十六倍開きがあるんですよ。どのくらいの仕事を選べるか、二十六倍ですよ。これはもう尋常じゃないんですよ。そのくらいの状態になっているときに、道路計画ばかりではありませんけれども、今のような東京一極集中を加速させるような政策を続け、抜本的な地方再生策が講じられないでいるという現状に対して、我々は甚だ危機感を抱き、具体的な提案をそれぞれのテーマについてさせていただくということにしたいというふうに思います。本当は道州制の議論とかいろいろな議論をしたかったんですが、最後に、せっかくですから、例の分権改革推進委員会が地方の支分部局、出先機関、私は将来的に廃止していいと思っていますけれども、これを縮小することについてゼロ回答だと。甚だ不見識な回答をしているわけですけれども、総務大臣として、これはメルクマールですから、リーダーシップをとって、しっかりここは、出先機関を廃止縮小するということでまとめていただけますね。

 

〇増田国務大臣 分権委員会の議論、私も議事録で見ましたが、答えを見ますと、やはり理由になっていない回答が多いのではないかというふうに思います。分権委員会の方でいろいろ理屈を整理されると思いますし、最終的には、縮小して、廃止できるものはやはり廃止をしていかなければいかぬというふうに思っていますので、向こうの分権委員会ともよく御相談したいと思いますが、その上で整理をされた勧告をいただける予定になっておりますから、それについて実現に全力を挙げる。出先機関については、知事の段階でも、二重行政になっている部分が大変多いなというふうに思って、改革の必要性は私も前から思っておりましたので、そういう分権委員会のお力添えもいただきながら、この問題に当たっていきたいというふうに思います。

〇玄葉委員 終わります。

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