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国会議事録一覧

総務委員会(平成13年6月15日 議事録)

○玄葉委員 玄葉光一郎です。小泉内閣がよい仕事をするならば、私たちは応援をしたい、そう思っています。足を引っ張るんじゃなくて、頭を引っ張る、こういう姿勢であります。ただ、いかんせん準備不足だなと思われるテーマが幾つかある。例えば、これから議論する国と地方の関係における改革、これも準備不足の典型の一つだ、率直に言ってそう思っている。小泉さんのこの問題に対する発言を聞いていても、すべてフォローしています。すべてフォローしても、地方分権、全体の改革の、まさに全体像とか手順とかタイムスケジュールとか全然見えない。はっきり言って準備不足だ、そう言わざるを得ない、そう思うわけです。きょうは、交付税の問題とか国庫支出金の問題、税源移譲の問題あるいは国と地方の役割分担、できれば、技術的なことはいいですから、骨太の話をアドリブでしたいと思っているんですが、ただ、その前に幾つか確認だけをしたい、そう思っています。一つは、きのう地方分権推進委員会が最終報告書を提出いたしました。この地方分権推進委員会というのは八条機関で、内閣のもとに置かれている審議会だというふうに理解をしています。通常出される勧告というのは、首相は明示規定がなくても尊重しなければならない、いや、尊重どころか、計画をつくって国会に提出をしなきゃいけない、こういうものだと理解をしています。ただ、この最終報告書は勧告じゃないという。では、どういうふうにこの最終報告書は理解をしたらいいのかということを、まず最初に確認をしたいと思います。

○片山国務大臣 玄葉委員、いいことなら協力しよう、こういうお言葉がございました。ありがとうございます。小泉さんも、日本は、今まで前の内閣が続いて、一日でぱっと新内閣になる、ところが、新内閣になった途端に、あれをどうする、これをどうする、おまえの政策はと言われるんで、やはりこれがなかなか大変なんで、本当は準備期間というのか、そういう期間があればいいなということをせんだっても言われておりましたが、確かにそういう点はありますね。今までが前の内閣で、ある一日でぱっと新内閣になって、新内閣の後すぐ記者会見で、あれどうする、これどうする、こうする、こういうことなんで、その点は今後考えていく課題だと私も思います。さて、今お話しの地方分権推進委員会は、六年間いろいろ活動をやっていただきまして、昨日、最終報告をまとめて発表されました。私のところにも、おととい、諸井委員長ほか来られまして、いろいろお話し申し上げまして、私から六年間の御苦労について深く感謝を申し上げておきましたが、今回の最終報告は、勧告じゃないんですね。これまでの活動を回顧して、委員会の所感を開陳するという意味と、特に今、地方税財源をどうするかということが大きな課題になっておりますから、そういう中で委員会としての見解を示しておきたい、こういうことを言っておられましたので、勧告という形ではないわけであります。諸井さんは遺言だと言っておられましたけれども。地方分権推進委員会はこれで閉幕しますので、そういう意味で、最終的な地方分権推進委員会の思いを見解とともにおまとめになったんだろう、私はこういうふうに思っております。きょう、閣議でも、この最終報告は重く受けとめなければならないということを官房長官も私も発言いたしましたり、地方分権推進委員会が七月二日で終わりますから、新たなる、地方分権を中心に審議する中立的で権威ある機関を、休みなく、飽くことなく、引き続いて立ち上げるような準備を今進めております。

○玄葉委員 小泉さんはやはり準備不足だという話がありましたけれども、でも本来は、総裁選挙というか首相指名選挙に出る時点で、国と地方の関係は大切なテーマだから、改革のプログラムぐらいは本当は持っていなきゃいけない。そう考えると、なれると思ってなかったのかな、そう思ってしまうわけですけれども、それはいいとして、分権推進委員会の報告書を重く受けとめなければならないという片山さんや官房長官の発言があったということであります。私は、この推進委員会の報告書の内容は、できばえはいいと思っています。実は、私の案にも、また私たちの案にも近い。近いからいいと言っているわけじゃありませんが、かなりの労作だ、そういうふうに評価をしたいと思っています。ところで、経済財政諮問会議、この経済財政諮問会議も内閣の中に置かれている。首相が議長だ。経済運営、財政運営、基本方針をそこで調査、審議する。国と地方の関係も議論している。これは首相が議長だから。例えば、地方分権推進委員会と、かなり両者違う意見がいろいろ出ている。それは会議体が違うんだから出ているかもしれない。この経済財政諮問会議の位置づけというか、基本的には、これは首相が議長なんで、ここで決まったことが国と地方の関係においても内閣の基本方針になるんだ、こういうふうに理解をしてよろしいですか。

    〔委員長退席、荒井(広)委員長代理着席〕

○片山国務大臣 経済財政諮問会議は、名前のとおり、経済運営と財政運営の、これは中期を含む基本方針を議論して集約していこう、それから当面は、来年度の予算編成方針の大綱を、大まかな、基本的な考え方をまとめよう、こういうのが中心です。そこで、経済運営、財政運営のところでは、構造改革、経済の活性化を主眼にした構造改革なんですが、その中でいろいろな、例えば私どもの方でいうと、今言ったように、経済運営、財政運営、来年度の予算編成、こうありますと、どうしても今の国の予算の三本柱を議論せざるを得ないんですね、社会保障と公共事業、社会資本整備と国と地方の関係を。そういう意味で、国と地方の関係も取り上げておりまして、最終の意見は今月中ということでございますが、今、調整中です。これからは自立型の国と地方の関係を確立しよう。そこで、できるだけ国に対する依存度を減らすということの中で、例えば地方税を充実する、今の国庫支出金や地方交付税をその限りでは圧縮していくとか、あるいは国の関与、国の規制を縮減していく。こういうことを中心に今、議論しておりますから、これはこれで、玄葉委員が言われるように総理が議長ですから、これがそこで決まれば大きな内閣の方針になると思いますけれども、地方分権推進委員会もそうですし、今度立ち上げる審議会は第三者の、内閣そのものじゃなくて、内閣の外で、権威を持って、中立公平にいろいろな勧告というかサジェスチョンをしていただく。それの言われたことは、我々は尊重していく。こういうことで、機関はちょっと違いますけれども、言われていることは恐らく、似たようなことになるように我々も努力しなきゃいけませんし、新しい審議会にもそういうことを期待いたしたい、こういうふうに思っております。

○玄葉委員 そうすると、結局、内閣の方針をつくるのは、ある意味で、法律に書いてあるところを読めば、当たり前かもしれませんけれども、経済財政諮問会議になってしまうということなんだろうというふうに思うのですね。松下さん、いらっしゃっておられますが、そうすると、私たちが基本的に評価しているこの地方分権推進委員会の最終報告書、これは勧告じゃないのですよ。重く受けとめると言っていても、ある意味では、意思表明あるいは見解、遺言という先ほどの御答弁をおかりすればそういうことでありますが、この見解とか遺言を経済財政諮問会議はどういうふうにその基本方針の中に反映をさせていくおつもりか、お尋ねをしたいと思います。

○松下副大臣 経済財政諮問会議の議長が小泉総理、座長が竹中経済財政担当大臣、その中の有力メンバーに片山大臣も入っておられますし、塩川大臣も入っておられまして、大変熱のこもった議論をしております。最終報告がきのう出てまいりました。この六年間の活動の中で数々の成果を多く上げてこられたわけですけれども、その報告が今回出されたということでございまして、提言という形をとっております。諮問会議の中でも、地方の自立に関して、やはり数々の実例を引きながらいろいろな議論がなされておりますけれども、その中で、今回のこの提言というものも十分参考にしながら、これから精力的にいい答えが出るように議論がなされていく、こういうふうに思っているところであります。

○玄葉委員 先ほど小泉首相の発言をすべてフォローしたと申し上げましたけれども、経済財政諮問会議の先般の基本方針素案というのですか、それももちろんフォローしました。私は、この地方交付税とか国庫支出金という話は、重ねて申し上げますけれども、地方分権改革の全体像の中で議論されなければ間違えてしまう、そう思っているのです。イエスかノーかで結構ですから、大臣、どうですか。

○片山国務大臣 言われるとおりです。地方交付税自身が国と地方の関係に不可分に絡み合っている仕組みですから、全体像の中でそれだけ取り出してこれを縮減するとかなんとかというのは適当でないと私は思います。

○玄葉委員 しかし、率直に言って、小泉さんの発言とか経済財政諮問会議の素案の中身を読み込んでも、全体像が見えない、タイムスケジュールも見えない、手順も見えない、私には見えない。よく読みました。読み込めますか、どうですか、大臣。

○片山国務大臣 まだ成案でございませんので、素案の段階ですけれども、私は、全体像はあれでかなりイメージできる、こういうふうに思っております。ただ、後の進め方のスケジュールというのは、あれでは、それはいつ何をどうやるということまではなかなか書けないような性格の、基本方針ですから、そういうものではなかろうかと私は思いますね。それから、委員、諮問会議ですから、あそこで決めるのじゃないのですよ。しかし、あそこで方針を出したものを閣議で決めれば、これが政府の方針になる、経済財政の諮問会議ですから、そこだけ、ただ、これは議長が総理というかなり異例な形の諮問会議である、こういうふうにお考えいただければいいと思います。

○玄葉委員 民主党は、かんかんがくがく議論しまして、大まかではあるけれども全体像、あるいは、これも大まかではあるけれども、大体のタイムスケジュールあるいは手順、こういうのを決めたのですね、一年ぐらい議論しまして。極めてシンプルに単純化して言うと、我々は、まず最初に国庫補助金に手をつけよう。我々中心の政権ができたら、次の年に国庫補助金に手をつけよう。これは自由党の小沢さんも党首討論でもおっしゃっていましたが、我々もといいますか、我々は、これを一括交付金にしてしまおう。つまりそれは、もっと言うと、前段で国と地方の役割分担の大幅な見直しがある、そこから先に手をつけないとどうしようもない。これもあえて単純化してわかりやすく言うために例を挙げると、例えば国道がある。国道の五十八号線までは国道だけれども、例えば二百五十号線とか百五十号線は地方道でいいだろう。だけれども、百五十号線とか二百五十号線に行っていた国庫補助、これは基本的に自治体にお渡しをしますから、自由にお使いください。自由にというと実は語弊はあるのですが、自由にお使いくださいということであります。実は、これは幾つかに区分をしようということで、しかも、どれを都道府県に、どれを市町村にということで、これも議論しました。これは簡単なようで、当たり前ですけれども、物すごい大変なことです。一年でできるとは正直思えない。だから、我々は、例えば公共事業だけは一くくりにして、実は今、法案を出したのですね、公共事業の補助金だけは、それはそれとして一括、あるいは、今度は福祉だったら福祉は一括というふうにして、順番を追ってというか、現実的に進めていこうというふうに思っているわけです。ちなみに、この配分ファクターというか配分基準というのは、過去五年間の、これまでの受け取った補助金、この平均額に実はしているのです。ラフなようだけれども、学者も入れてかんかんがくがく議論して、そう決めた。それで、四年後に、正確に言うと、五年後に住民税を税源移譲しよう。そして、片山大臣もこの委員会でおっしゃっていましたけれども、五対五にしよう。ただ、景気回復後と言わずに、税収中立で、歳入中立でやろうじゃないか、こういう基本的な案で、残った地方交付税と残った一括交付金で市町村のでこぼこは財政調整しようじゃないか。大まかな全体像、これを極めてシンプルに言いましたから、本当にエッセンスだけですけれども、こういうふうにつくっているわけです。その中で、地方への歳出、確かに国の財政構造改革に資する必要があるね、地方にいわば自由裁量権を与える中で、歳出すべきは歳出していこうねと、こういう全体像の中で実は議論しているわけです。しかし、残念ながら、そういうことが私は見えないと思っている、どうですか。松下さん、手を挙げておられる。

○松下副大臣 片山大臣がお話にお答えすることが正解だと思いますけれども、お話を伺っておって、地方の自立という問題についての重要ないろいろなお話がございました。 玄葉先生のお父さんも、またおじいちゃんも、まさにその責任として、現在の地方自治がどういうふうに進んできたかということを身をもって体験してこられたし、いわばその貴重な経験者だと思うのですね。やはり問題の所在するところは、国においては八十三兆円のいわゆる予算の規模がある。五十兆円しか収入がないという中で、要するに、八十三兆円のお皿を出して食べてくださいということをやってきた。地方でも、九十兆円のそういう規模がある。しかし、税収は三十五・六兆円。そして、地方債を含めて十二兆円ぐらいある。そこに、借金を抱えている国からの二十一兆円、民間機関からも入っていますけれども、入ってくる。こういう仕組みがずっと続いてきているという根源のところをやはり自立ということ、それから分権、どう進むべきかということを含めて、お金の問題がやはり大事なところに、根っこにきちっとあるなということは、私もこの財政諮問会議の話をずっと傍聴し、陪席しながら思っているところであります。やはりそこのところを、お互い地方の自立、それから知恵を出し合いながら元気な地方をつくっていくのに、これからどういう知恵を出し合えばいいのかというところに、それぞれがやはり知恵を出すべきではないかな、こう思っているのです。それだけ申し上げたくて立ったわけです。失礼しました。

    〔荒井(広)委員長代理退席、委員長着席〕

○玄葉委員 松下副大臣、私は、その知恵というのがあると思うのですよ。あると思うのです。残念ながら私は、そこに余り、経済財政諮問会議が気づいているのかもしれないけれども、どうしても、まず地方交付税交付金、国庫支出金削減ありきという感じになってしまっているのではないかという気が私はしている。少なくとも報道ぶりからすると、私はそう思っています。知恵というのは、私は幾つかあると思っているのですよ。私たちが、例えば一括交付金化、これはラフに聞こえるかもしれないけれども、実は今回の分権推進委員会も、包括補助金、包括交付金という話をいよいよ持ち出しましたね。はっきり言いまして、我々の案ですよ。そういうこともいよいよ持ち出してきた。あるいは七県知事、浅野さんとか北川さんが、あるいは橋本大二郎さんがアピールされましたね。つまり、交付税の削減一律ありきというのはおかしいのではないか。私はもっともだと思うのです。国による地方への歳出の義務づけというのがそのままにされていて、つまり、地方への手足を縛っておいて、締めるだけ締めるのか。これはもっともだと私は思いますよ。だから、私は、地方の自由裁量の幅をまず広げてあげてから削減の話をしないと、私はこれはうまくいかないと思いますよ。私は、絶対に削減がだめだと言っているわけではないのです。このままの削減だったら私は反対しますよ。歳出の義務づけプラス国庫補助金で、おっしゃったように、八十四兆円のいわば国の税収だと。それが、国税四十九兆、地方税三十五兆だと。でも、地方税の中には、いわば交付金と補助金、負担金というのがある。この補助金、負担金のところにきちっと目をつけるということと、あと、国による歳出の義務づけというところにきちっと目をつけて知恵を出していかないと、私は間違えてしまうと思うのです。もしあれば。

○松下副大臣 経済財政諮問会議の話をずっと整理しておりますと、気づくことが一つあるのです。これは鹿児島県の例ですけれども、谷先生はおられなくなりましたけれども、昨年、新過疎法ができました。そのときに、過疎を脱却する、いわば卒業するという町村が鹿児島に四つあったのです。全部山中先生の選挙区でした。その町長さんたちが、山中先生のところにお願いに行ったのです。山中先生は、こう言われたのです。おめでとう、君たちは自立して卒業した、立派になったと。町長さんたちは言葉を失ったのです。本当は何とか過疎にしてほしい、入れてくれということを話しに行ったのですね。山中先生は、おめでとうと言われたのです。そして、これから生きていけという話だったのですね。これは、全く別のところですけれども、三十人ぐらいの町長さんや村長さんが集まっているところで食事をしていた。そこにある町長さんが、これはどこの例かは何も言いませんよ、入ってきて、よかった、過疎になったと。だから私は、根本のところに、その補助金とか交付金とかというもののお金の流れの中に、本当に地方の自立とか、自分たちで何か知恵を出し合って何かしたいのだというところが、どこかに欠けているところが、長い間のこの仕組みの中にあったのではないかと思うのです。それを私は発言できませんけれども、陪席し、資料を整理しながら、そこのところからの脱却といいますか、知恵の出し合い、力の出し合いが必要かなということをしみじみ思っているところです。以上申し上げたくて……。

○玄葉委員 ぜひ、あれですよ。まさにその知恵を出せる環境をつくってあげながら、国の財政構造改革に資するようなプランというふうにしないと、本当にいかぬと思います。重ねて言いますけれども、私はこのままだったら反対に回りますね。今の経済財政諮問会議の素案だったら、民主党は反対だということであります。時間が余りなくなってきて、まだ半分もいっていないのですけれども、ちなみに片山総務大臣、これは包括交付金、分権推進委員会がいよいよ検討だということだけれども、出してきたのですね。我々とか小沢さんの言う案に近いのですけれども、何回かこれは議論されていますけれども、どうしてだめなのですか。

○片山国務大臣 私の勉強不足もあるのかもしれませんが、一括交付金のくくりを、今のお話だと公共事業だとか社会保障だとか、こうされるのでしょう。私は、そんなことなら交付税にしてしまった方が早いのですよ。第二交付税の思想ではないか、こういう感じがするので、そういうことなら、全く、いろいろな計算をして、交付税の額をふやした方がいいのではなかろうか。何でその負担金だとか補助金があるかといいますと、負担金は社会保障や公共事業が多いのですが、国と地方の両方の利害に関係があるものを、両方が一定のあれで金を出し合うというのが負担金なんですよ。補助金というのは、国がある行政目的の達成のために、誘導するために、奨励するためにお金を出す。だから、補助金というのは、私も何度か申し上げたことがありますけれども、できるだけ縮減した方がいいと思います。ただ、負担金の方は、これは残さなければいかぬのですね。そこにもいろいろな考え方があるので、私はナショナルミニマムという言葉は余り好きではありませんけれども、一定の行政目的を達する、国と地方の利害が共通することについては、国も出す、地方も出す、こういうことでやってきたわけです。ただ、そこで、玄葉委員御承知のように、国道は国が自分のお金と責任でやればいいのです。都道府県道は国から補助金を出さずに都道府県のお金と責任でやればいい。市町村道も同じですよ。ところが、都道府県道にも、市町村道にも補助金が出ていますよ。国道は直轄事業に負担金を取っているのですよ、都道府県から。さらに、国道の一部については都道府県に仕事をやらせて補助金を出しているのですよ。この辺は、私も整理した方がずっとわかりやすい、こう思っております。

○玄葉委員 おっしゃるように、これは一つ一つの議論はすごく大変なのです。我々も、実はやったのですよ。例えば、負担金一つとっても、義務教育の国庫負担金というのがある。これを地方に任せようという話ですから、要は、それぞれの都道府県で、教員の給与とか教員の数とか、今まで国が決めていたけれども、決められるようにするという話なんですね。だから、それを一つとったって、うちの中でもかんかんがくがくあるのです。ざっくばらんに言うと、日教組の人たちとかの議論とかありますよ、はっきり言って。だけれども、そういうのを全部押し切って、いや、もう都道府県に任せよう、もう都道府県で十分できると。そういう議論を経て、実は我々はくくったわけです。第二交付金とどう違うかというのは、率直に言って、最初に申し上げたように、全部一遍にやってしまうと、これは現実にはできない。だから、一つずつくくっていって、大体、四区分か五区分ぐらいにして、くくってできるものからどんどん出していく。そういうふうにしなければいけないだろうというふうに思っているのです。これは五次勧告のときに、私はすごく心配して、懸念しているのは、国と地方の役割分担の見直しの議論を大分したのですね。大分した。少々政党の悪口になって申しわけないけれども、だけれども、推進委員会のメンバーにも何人か直接聞いたのです。あるいは、大森さんという人が見事にそのときの様子を書いているけれども、国と地方の役割分担の見直しをしようと思うと、物すごい、これは国土交通省も当然でしょう、あと、自民党、物すごい抵抗があった。抵抗があってできなかった、ここに文書もありますけれども。私、これは確かに大変なことだとは思うんですよ。大変なことだとは思う。だけれども、例えば、こういう役割分担の話をした。例えば、さっき道路の例を挙げたから、まさに道路の話をした。五十八号線はまだ国道だ、あとは地方道だ、そういう話をしたら、そんなのは現場を知らない素人の学者グループがつくったんだなんて言いながら、最後は、国土交通省と地方分権推進委員会、没交渉だ、直接交渉しちゃいかぬ、だめだ、そういうふうに徹底して抵抗して、結局、この話はだめになった、それで生まれたのが統合補助金でしょう、率直に言って。私、はっきり言いまして、統合補助金というのは改革の名に値しないと思っています。つまり、あんなのは、あくまで採択するのはやはり国ですから、箇所づけ、国はしないなんといったって、実質上採択しているんですよ。どの都道府県のどの市町村にその統合補助金を採択するか、予算づけするかというのは国が決めているんですから。それではだめなんですよ。それでは全然、陳情政治とか、いわゆる政治の構造改革に何にもつながっていない。だから、包括交付金の話とか一括交付金の話というのは、実は物すごい大変な話なんですよ。大変な話なのをわかって言っているんです、わかって言っている。物すごい抵抗があるのもわかっている。だけれども、これは、実は陳情政治とか政治の構造改革とか、そういうものにつながるんですね。もっと言うと、交付金化しちゃうと、将来、税源移譲したときの財政調整の財源に使える。だから、これから地方分権全体の改革を考えていく上では、この国庫支出金をどうするかというのが最大のポイントだと言っても過言ではない、実は私はそう思っている。こういう族議員の抵抗をはねのけてやってもらえませんか、片山大臣。

○片山国務大臣 私は、総合補助金も、国の関与が全くなくなるわけじゃないんだけれども、まず一歩前進だと思いますね。それは、過渡的に一括交付金と、こういうお話をされているので、この辺は交付税との関係を整理して、だから、大変共感できる部分と、いささかどうかなというところがありますので、今後ともよく御提案は研究をさせていただいて。ただ、私も、地方財政の構造改革は必要だと思っておりますから、この間、経済財政諮問会議でもいろいろ話しましたし、特に、国が警察官や教職員の定数を全部決めて、財政措置もしているというのはいかがかなと思いますよ。消防だってそれに近いんだから。そういうことを見直していく必要はあると思います。

○玄葉委員  本当にこれ、私も与党の経験三年だけして、あと野党なんですけれども、野党を五年やっているんですが、ある意味では野党じゃないと、確かにつくりにくい案なんですよ。だけれども、それは気軽さゆえにつくれたということではないんですね。つまり、野党だから、どうせ選挙をやっても補助金何だかんだという選挙はできないわけですよ、一般には。一般にはできない。だから、逆に言えば、地方分権改革というのを進めるときには、与野党の政権交代というのはやはり必要だなと率直に思う。これは一般論としてそう思っているんです。最後に、ちょっと、もう時間が過ぎちゃったんで、荒井聰さんに少し時間をいただいて、もう一つだけ質問したいと思うんです。我々のプランでいけば五年後なんだけれども、税源移譲の話をするときに、片山総務大臣はいつも景気回復後、こう言っている。この考えは今も変わらないんですか。景気回復後と、この間の本会議でもおっしゃっていた。だとしたら、いつ景気は回復するんですか。景気の回復というのは何をもって景気の回復と言っているんですか、単純なことですが。

○片山国務大臣 私は、二、三年後に経済成長率が二%前後になれば景気回復だ、こう思っております。というのは、私は、国の財政の立場というものを考えていかなければいかぬのかな、こう思いながら今まで議論してまいりましたが、新しい審議会ができれば早速に税財源問題は議論を始めていただきますし、我々も総務省として議論を始めます。ただ、それでは、来年度、国債を三十兆に抑えて、今のままでいっても三兆数千億は切り込まないといかぬと塩川さんは言っておられますよね。国が二兆切り込むから、地方も一兆ぐらいつき合ってもらえぬかと。今、地方の財政計画八十九兆ですから、約九十兆だから、一%で九千億、そのくらいどうにかなりませんか、こういうことを言われておりますけれども、そういう中で、今、税源をこっちへ持ってくるというと、それで国債をふやさなきゃいけませんから。そういうことの中でどう考えていくかは、すぐ来年度といってもなかなか現実的ではないけれども、議論は始めますよ。議論は始める。大方の納得が得られて、よし、税源を移譲してやろうと言われるなら、もう喜んで来年度からいただきますけれども、なかなかそういうことには、今の状況は大変だな、私はこう思っておりますので、よろしくお願いします。

○玄葉委員 いや、国税の穴があくということなんだと思うんですけれども。今回の分権推進委員会は、我々が言っているように、基本的には歳入中立でやる。そういうことだったらどうですか。

○片山国務大臣 それは私も諸井さんに申し上げたんですが、一つの意見ですね、税収中立で。例えば、今、消費税の一定割合が交付税の中に入っていますから、その分交付税を下げて、地方消費税の実を上げるとか、あるいは国庫支出金をこれこれのものは将来的なものはやめて、これを例えば所得税から個人住民税に移すとか、そういうことは可能でございますので、そういう議論は、税源移譲じゃなくて今の中の仕組みの変更ですから、プラスの移譲じゃなくて仕組みの移譲ですから、こういうことは議論していってもいいと私は考えております。

○玄葉委員  歳入中立でやるときに、結局、最大のポイントになるのは財政調整でしょう、今度は。だから、そのときに国庫支出金をきちっと交付金化か何かしておかないと、財政調整、大変ですよ、こういうことなんです。小泉さんのスローガンは、構造改革なくして景気回復なし、こう言っているわけですから、景気回復して国と地方の構造改革だというんじゃないわけですよね。税源移譲は構造改革の最たるものの一つだと私は思うんですけれども、そういう意味では逆ですからね。やはりここは精力的に進めながら、私も別に来年やれと言っているわけじゃないので、そこは精力的に進めてもらいたい、全体の中で議論してもらいたいというふうに思います。終わりますけれども、いずれにしても、現在の経済財政諮問会議とか小泉さんの発言等々を聞いていると、率直に言って、地方交付税交付金、国庫支出金削減ありきの感が否めない。全体像の中で議論をしなければならないということをもう一度申し上げて、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

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