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Information / 国会議事録一覧

東日本大震災復興特別委員会で質問に立ちました。(令和元年6月11日 議事録)

○玄葉委員                                                                               玄葉光一郎です。未曽有の原発事故があったゆえにつくられた福島の地域づくりの理念というか目標というのが幾つかあります。とりわけ、原発事故由来というか、ああいうことがあったからこそつくられた分野が医療とエネルギーの分野です。それぞれに立ちはだかる壁があります。そのことを、きょうは特に復興大臣には知っていただいて、強力に後押しをしていただきたい、そういう思いから、二、三質問をいたします。

原発事故の際、私は、福島の出身でございますし、たまたま被災地では唯一の閣僚でもございました。あのときに一番困難な対応をきわめたことの一つは、低線量被曝に対する対応でした。

なぜ困難だったかというと、御承知のとおり、低線量被曝に対する知見というか、リスクに対する明確な知見というのがなかったんですね。ですから、あの当時、外部被曝とか内部被曝に対する基準値も相当保守的なものにした、こういう経緯がございました。

当然ながら、県民の皆さんの健康に対する不安というのはどんどんどんどん広がっていったわけです。ですから、当然、復興の福島県の理念とか目標には、健康に対するものというのが大事な柱になっていったんですね。

私もある意味かかわったんですけれども、がんに対する不安というのがまず当然出てくるわけですね。ですから、がんの死亡率というのを福島県は長期的に見たら日本一少ない県にしようとか、いろいろな目標が語られて、さまざまな試みがこの間行われてきました。県民健康調査というのも大々的に御承知のとおり行われていますし、福島県立医科大学のところに国際医療科学センターというのをつくって、それをいわば復興の医療の拠点にしよう、あるいはそこで得た知見を世界に発信しようということで、この間やってきました。

ただ、私もかかわってきたんですけれども、一番立ちはだかっている壁が医師の不足なんですね。もちろん、お医者さんでなくてもできることというのはたくさんあります。例えば食生活の改善とか、さまざまあるんですけれども、やはり医師でなきゃできないこともたくさんある。

御承知かもしれませんけれども、あの原発事故のときに、実は医師自身も、特に小さな子供がいる医師は県外に出たんですよ。千人出ちゃったんです、一気に。でも、県民はすごく不安じゃないですか。これで物すごいギャップができて、その後も、もちろん改善はしているんですけれども、まだまだ医師不足の状況があります。

やはり経緯を踏まえると、復興大臣、ぜひ、福島県の医師不足には特別の対策が必要だという認識のもとで厚労大臣と取組をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

 

○渡辺国務大臣                                                                               玄葉委員にお答えいたします。

福島は御地元でございますし、その当時に閣僚としていろいろな形でかかわってきたということもまた、いろいろな意味で知見が多いと私は思っております。

やはり医師不足というものは大変な状況であるということは、私も認識をしております。

その中で、復興庁として今進めているのは、まず、医師を確保するためには、二十九年度予算において、四年分として二百三十六億円の福島県の地域医療再生基金の積み増しを行っております。ここでは、医療人材に対する修学資金の貸与、それから、県外からの医師招聘の人件費の支援を行っているところであります。          

こういった施策を実施しているわけでありますが、いまだになかなかそこが充実していないというふうに思っております。

したがいまして、引き続き、復興庁としましても、福島県そして厚生労働省と連携しながら、医療従事者の確保に努めてまいりたいというふうに思います。

 

○玄葉委員                                                                               厚労省、来ていますか。厚労省はどういうお考えですか。

 

○迫井政府参考人                                                                          御答弁申し上げます。

厚生労働省といたしましても、福島県の医師不足に対しては重点的な取組を当然進めていくべきものと考えております。

先ほど復興大臣の方からもお話ございましたが、地域医療再生基金、あるいは総合確保基金と呼んでおりますけれども、基金を活用したさまざまな事業とともに、福島県に限らず日本全体で医師の偏在をいかに解消する、あるいは改善していくのかという取組も当然福島県には適用されるわけでありますので、まず、全国の医師の偏在といいますか分布の状況を評価をいたしまして、これは二月に公表いたしておりますけれども、医師の偏在指標というものがございますが、福島県につきましては、先ほど玄葉議員おっしゃったとおり、医師の少数県に該当いたします。それから、更にもう少し細かく見ますと、六つの二次医療圏がございますけれども、三つの二次医療圏につきましては医師少数区域というふうになってございます。

こういったことから、これは福島県にもちろん限らずでありますけれども、医師の偏在対策につきまして、昨年の通常国会で成立をいたしました改正医療法、これは、都道府県が医師偏在指標に基づきまして今年度中に医師確保計画というのを策定をしていただき、同計画に盛り込まれる医師の派遣調整といったことを含めて、施策により医師の確保を行うという考え方になってございまして、具体的に少し、医師の増加といいますか、医師をふやす方法といたしまして、医師の派遣調整を始めとして、あるいは、医師の少数区域等で勤務をした医師を評価する制度でございますとか、それから、医師の少数区域の多い都道府県、これにつきまして、臨床研修病院の定数につきまして重点的に設定する、あるいは、都道府県知事から地域枠、出身枠の拡充、そういったものを要請できるというふうに考えてございます。

 

○玄葉委員                                                                              おっしゃるとおり、福島県だけの問題ではありません。医師の都市部への偏在というのは、私は日本の極めて深刻な課題だと思います。

さまざまな考え方があります。医師の職業選択の自由等々もあるから、余り自治体への医師の配置について一定のルールを設けるべきではないとか、いろいろな意見がありますけれども、私は、国がもっと医師の需給について強力にコントロールすべきだという意見です。

今、ある程度一歩踏み出そうとしているのかなという感じもするんですけれども、国は、厚生労働省は、私はもっともっと強力に、医師不足の県に対して多数の県から派遣をするということをコントロールすべきだと思います。

全国でそうなのでありますけれども、とりわけ福島県というのは、残念ながら、先ほど申し上げたように、医師の数が下から四番目なんですよ、対人口比あるいは医療圏などで見ると。これは、震災があったというのも大きな原因の一つです。そこまで震災前はひどくなかったんですよ。やはり震災で出ていっちゃったんですね、常勤の医師が。残念ながら、帰らないんですよ。ふえてはいるんですけれども、やはり相対的には物すごく少ない。

だから、さっきのような、がんの死亡率を日本一少ない県にしようというとても立派な目標に向けて頑張っているのに、やはり医者が足りない。これは、やはり国が、復興大臣もぜひ音頭をとって、何とかしてほしいとみんな思っているんです。

今、厚生労働大臣は福島県の出身ですから、これは、復興大臣、本当に厚生労働大臣と相談して、今やろうとしている取組を、とりわけ福島県は原発事故で千人出ちゃったという経緯があるから、とりわけ強力に進めるということで、私、二人で話し合ってもらいたいと思いますけれども、いかがですか。

 

○渡辺国務大臣                                                                              確かに、福島県は、偏在の順番でいきますと全国四十四位ということであります。大変な状況であるということを、私もそういう認識をしておりますので、これを、厚生労働大臣、まさに御地元であります、お互いにちょっと協議をしていきたいというふうに思います。

 

○玄葉委員                                                                                       せっかく来ていただいている方々がいらっしゃるので、次の問題に移りますけれども、医療プラスエネルギーなんですね。

今、水素の話がたくさん出ておりましたけれども、もっと根づいた話でいうと、やはり原発事故があったから、県内のエネルギーを全部再エネ、新エネで賄おうと福島県はやっていて、できれば、やはり地域の地産地消で資金循環をさせたいと思います。全国のモデルにしたいと思うんですけれども、この間、ある町が小水力の適地を見つけたんですね。これでいこうといって電力会社に相談したら、よくある話ですけれども、そんな空き枠がないといって断られる。これは結局、系統の問題、空き枠の問題に最後はなるんですね。

この問題も、やはり国が、こうやって復興の理念、目標を立てているわけですから、復興大臣が経産大臣と、福島はちょっと特別だよねと、本当はこれは全国に適用してもいいんですけれども、でも、経緯があるから、このこともやはり復興大臣がリーダーシップをとるべきだと思いますけれども、いかがですか。

 

○渡辺国務大臣                                                                                         エネルギーの問題については、先ほどもいろいろと、前の委員の皆さん方からも水素の関係もございました。今、小水力の話もございました。いわゆる再生可能エネルギーというものを最優先に使っていくべきだというふうに私は思っております。

したがって、ありとあらゆる方向で物事を考えていく必要があるというふうに思っておりますので、この点についても経産大臣ともお話をさせていただきたいというふうに思います。

 

○玄葉委員                                                                            よく地方分権は権限と財源といいますけれども、権限と財源と、最近、電源と言われているぐらいなので、やはり地域の中で資金循環させる、私は一つのすごくいいモデルになり得ると思いますから、ぜひお願いをしたいと思います。

最後に、文科副大臣にもいらっしゃっていただいているので質問いたしますけれども、前々回だったかと思いますけれども、前回かな、放射線副読本の活用状況をぜひフォローアップすべきだという話をいたしました。

やはり最後に行き着くのはリスコミなんですね、リスクコミュニケーションで、放射線に対する知識、正しく恐れるということが日本全体でどこまでできるかで、風評被害が抑えられる程度が変わってくるというふうに思います。

そういう意味で、私は文科省に、ぜひ、副読本をつくったら、配って終わりじゃなくて、きちっと活用されているかどうか。これは、学校現場がいかに忙しいかというのは私もわかっているつもりなんです。わかっているんですけれども、短い時間でいいから、すごく端的に子供たちに教えていくということがすごく重要です。

文科副大臣、いかがでしょう。

 

○浮島副大臣                                                                             玄葉委員におかれましては、三月十四日、御質問をいただいていると承知をいたしているところでございます。

今御指摘ありました放射線副読本の活用、これにつきましては、各学校の判断に委ねられているところでもございますけれども、今後、放射線教育のさらなる充実をしていくためには、学校における活用状況を把握していくこと、これは必要なことだと考えているところでございます。

今後、授業での活用状況、活用した教科名、また活用に当たって工夫した点、そして改善すべき点などについて、学校現場の調査にかかわる事務負担にも配慮をしながら、年内を目途にフォローアップを行いたいと考えております。

 

○玄葉委員                                                                               ぜひしっかりフォローアップしていただいて。

私も、事務負担というのは確かにあるだろうなというふうには思います。何かいっぱい学校現場というのは副読本が配られて、結局、やはり受験もあるしとかということもあって、なかなか、放射線のことは後回しということになりがちなので、本当に私はポイントを絞って教えるということでいいと思うんですけれども、そのことをきちっと子供のときから教えていただくことで相当変わってくると思いますので、フォローアップしたら、またそういう指導をしてもらえればと思います。

以上で終わります。どうもありがとうございました。

 

 

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