衆議院議員 玄葉 光一郎(げんば こういちろう)の公式ウェブサイトです

本文とグローバルメニュー・サイドメニュー・フッターへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

玄葉光一郎事務所 Koichiro Gemba Official web site

お電話でのお問い合わせ

東京都千代田区永田町2-2-1衆議院第一議員会館819号室 

ともに乗り越える。

本文のエリアです。

Information / 国会議事録一覧

予算委員会で質問に立ちました。(令和2年2月3日 議事録)

○玄葉委員                                                                               玄葉光一郎です。                                                                                               立国社、立憲民主党、国民民主党、社会保障を立て直す国民会議等でつくる会派に所属をしています。

昨日、海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が中東に向け出発をいたしましたので、このテーマから質疑をさせていただきたいと思います。派遣された自衛隊、一体何ができて何ができないのかということについて、まだ国会での議論が十分でないなというふうに感じますので、幾つか質問をさせていただきたいと思います。

まず、私、一月十七日の閉会中審査、安保委員会で質問に立たせていただいたのでありますけれども、そのときに、自衛隊の海警行動、海上警備行動における活動範囲について、ホルムズ海峡は排除されないという答弁がございました。御承知のとおり、防衛省設置法、調査研究で三つの海域に行くわけでありますけれども、海警行動のときにホルムズ海峡は排除されないという答弁が河野大臣からあったわけでありますが、その後、どうも、記者会見を聞かせていただくと、それは例外なのだ、こういう会見の内容も見聞いたすものですから、一体、不測の事態、海警行動のときに海上自衛隊護衛艦「たかなみ」はペルシャ湾に行くのか行かないのか、まずその点から聞かせていただきたいと思います。

○安倍内閣総理大臣                                                                           いわば法制度上できるのかできないのかということと、政策上それをやるのかやらないのか、これは大きな差がございます。                                                                                      そこで、お答えをいたしますと、自衛隊による情報収集活動については、ペルシャ湾やホルムズ海峡で行うことは考えていません。                                                                        これは、ホルムズ海峡からペルシャ湾に至る海域において日本関係船舶の航行が集中する分離航路帯は主にイラン、オマーンを含む沿岸国の領海内であり、当該海域における情報収集活動は沿岸国から無害通航に該当しないと主張され得ることや、ペルシャ湾及びホルムズ海峡の情報については関係各国との連携を通じて一定の情報収集が可能であること等を総合的に勘案したものであります。                                       他方、現時点において日本関係船舶の防護を要する状況にはありませんが、今後、状況が変化し、日本関係船舶に対する不測の事態がペルシャ湾又はホルムズ海峡で発生した場合の海上警備行動の発令については、事態の発生場所やその状況、さらには沿岸国との関係等、個別具体の状況を踏まえて慎重に判断していくこととしております。                                                                     特に、ペルシャ湾の航路帯は他国の領海内を通過しているものでありまして、海上警備行動の発令は個別具体の状況を踏まえて慎重に判断することになります。                                                 いずれにいたしましても、ペルシャ湾やホルムズ海峡で行うことは考えていないということでございます。

○玄葉委員                                                                          今総理から、法制度上の問題と実際にやるかやらないかは別だ、こういう話もあったわけでありますけれども、確かにホルムズ海峡は事実上、公海がないと思います。公海がないですから、無害通航しかできない、そこで海上警備行動自体はできないと思います。ただ、無害通航で、いわゆるただ通っていく、通過していくということは、基本的には私は、国際法上はできると思います。                                                 そういう意味で、例えばペルシャ湾で、蓋然性としては、日本のタンカー、日本関係船舶が侵害行為を受けるという可能性はあるわけでありますから、ペルシャ湾でそういった事態が起きたときに、ペルシャ湾の外から海上護衛艦「たかなみ」がペルシャ湾に駆けつけるということに当然なるのかと私は思っているのですが、それはどうなのですかと聞いております。

○河野国務大臣                                                                                総理の答弁にもありましたように、情報収集活動に関してはペルシャ湾とホルムズ海峡は対象から外れておりますが、海上警備行動について、どこか特定の海域を外しているということはございません。                         ただ、今委員からもお話がありましたように、ホルムズ海峡というのは他国の領域でございますので、ここで海上警備行動をやるというのは、それこそ沿岸国の了解でもない限りはできないということになります。                   理論上、ペルシャ湾で何か起きたときに海上警備行動が発令されて、そこで海上警備行動が行われるということは排除されるものではございませんが、オマーン湾からペルシャ湾まで距離があって時間がかかる、そうしたことを考えて、慎重に、個別的に判断せざるを得ないと思います。

○玄葉委員                                                                             ペルシャ湾、公海での海上警備行動は排除されない、こういうことでございますが、ただ、実際にやるかやらないかということで、総理は、慎重に判断すると。慎重に判断するということは、その答弁を直接聞いてしまうと、基本的には行かないのかな、行くのが例外なのかなと。                                                  つまり、今申し上げたような事案で、ペルシャ湾で日本のタンカーが侵害行為を受けたときにペルシャ湾の外から海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が駆けつけるということはむしろ例外だというふうに聞こえなくもないのでありますけれども、そこは総理はどう判断されておられますか。

○安倍内閣総理大臣                                                                         先ほど答弁をさせていただいたように、情報収集活動については、ペルシャ湾やホルムズ海峡で行うことは考えていないわけでございまして、それ以外の海域で行うことを、海域を指定して行うこととなっております。     そして、果たして海上警備行動を発令するかしないかということについては、先ほど御説明をさせていただいたとおりでございますが、実態としてはどうかということでございますが、例えばオマーンとの関係においては、オマーンは私たちの取組について理解をし支持をしているところでございますし、また、イランにつきましても、イランも我々が詳細な説明をしたことについて理解を示している、直接説明し、その意図について理解を得ているところでございまして、我々、その関係から、そうした努力の上において、今想定はしていないところでございますが、いずれにせよ、万が一そういう事態になれば、個別具体的に判断していきたい、適切に判断していきたい、慎重に判断していきたいと考えています。

○玄葉委員                                                                                   海上警備行動を、今回、不測の事態では発令するということをはっきりおっしゃっているわけですから、一番蓋然性が高いと思われるのは、少なくとも、何度も申し上げますけれども、ペルシャ湾の中だと思うんですね。ここに駆けつけるか駆けつけないかということについて、やはりそこは明確に答弁をしていただきたい。                       もちろん、最終的には個別具体的な状況に応じて判断をしなければならないのはよくわかりますけれども、ただ、先ほど申し上げたように、基本的には行くのか、むしろ行くのが例外なのか。つまり、慎重に判断するというふうにおっしゃったので、気持ちは全くわからないわけではないんですけれども、基本的には行くんですか、基本的には行かないんですか、どっちなんですか。

○河野国務大臣                                                                          先ほど申し上げましたように、基本的にどこかの海域を排除しているものではございませんが、その際に、この護衛艦がオマーン湾のどこにいるのか、あるいは補給中なのか、さまざまな状況もございますし、何が起きているかという状況もさまざまでございますので、基本的に排除はいたしませんが、どうするかは個別具体的に、慎重に判断をするとしか答えようがございません。

○玄葉委員                                                                                  基本的に行かないなら何のための海警行動なんだろうか、そういうふうに言わざるを得なくなりますので、基本的にはやはり行くということなのではないかと私は考えているんですね。でも、慎重に慎重にとこうおっしゃるものですから、こういうたてつけで本当に大丈夫なのかなというふうに思うんです。総理、あったら。

○安倍内閣総理大臣                                                                         恐らく、玄葉委員が私の席に座っておられたら同じ答弁をされるんだろうと私は思うのでございますが、まさに、その海域、これはオマーンとイランということになるわけでございます。そこで、今、私がどういう答弁をするかということについては、イラン側も当然これは、もちろんオマーンもそうですが、特にイラン側も今、私の答弁ぶりについては耳をそばだてているわけでございます。その意味において御理解をいただきたいということでございますが、いわば、ホルムズ海峡ということになりますと大変個別具体的になるわけでございまして、相手も特定されてくるのでございますが。我々といたしましては、先ほど河野大臣から答弁させていただいたように、個別の事態についてその時々に判断をしていきたい。基本的にそれを排除するということではもちろんございません。その上においてそういうお答えとさせていただきたい、このように考えております。

○玄葉委員                                                                             昨年六月に、日本籍船ではありませんけれども、コクカ・カレイジャスといういわゆる日本のタンカー、運航業者が日本の法人である、こういう日本関係船舶が被害を受けた事案がありました。私、安保委員会で一月十七日に河野大臣に、そういった事案について、海警行動が発令されてエスコートに入ってホルムズ海峡を通った、あるいはペルシャ湾に行く、そういうときに事実上丸腰で大丈夫ですか、こういう質問をしました。そのときに河野大臣は、いや、「たかなみ」自身は武器等防護でみずからを守ることができる、これは自衛隊法の九十五条だと思います、同時に、自己の管理下にある船舶についても同様のことが言えるわけです、こういう答弁をされたんです。私、これは間違えていると思うので、ここは訂正してもらえますか。

○河野国務大臣                                                                            質問通告がありまして、議事録を見直しました。                                                   まず、武器等防護によって「たかなみ」は自己の防護ができます。自己の管理下にある日本船籍について、これを守ることができますが、外国船籍の防護につきましては、国際法上、一般的に、排他的管轄権を有する旗国の責任のもとに行う旗国主義の考えによって対処しなければならないわけでございますので、近接、あるいは恐らく呼びかけ、そういうことができるということでございます。失礼いたしました。

○玄葉委員                                                                                 はい、そういうことだと思うんですね。日本籍船ならぎりぎり、武器使用をもって日本のタンカー、日本関係船舶を守れる部分がありますけれども、昨年の六月のような事案だと守れないと思うんですね。だから心配だなと正直申し上げたわけでありまして、そういった懸念というのはやはり今回はまだ残ったままなのではないかと思います。                                                                                         今回気になっているのは、まさに武力攻撃なのか侵害行為なのか、あるいは対象が日本籍船なのか外国籍船なのか、あるいは行為主体が国及び国に準ずる組織なのか、非常に複雑なのですね、そのときの対応状況が。そういったことについて、国民の皆様に理解をしていただくというのがなかなか大変だろう、だから私は繰り返し国会で質疑をしなきゃいけないんじゃないかと思っているわけでありますが。                                       この間の質疑の中でも、武力攻撃は一切想定をしていないんだ、あるいは、国及び国準からの攻撃も一切想定をしていないんだ、こういう話なんですね。でも、全くあり得ないことではないんだろうというふうに思っていまして、起きてから、想定外でしたと言うわけにはいかない事案だと思うんですけれども、総理大臣、大丈夫でしょうか。

○河野国務大臣                                                                           ペルシャ湾岸の全ての国と日本は、今、友好関係にございます。アメリカとイランの緊張関係が高まっているという御指摘もございますが、アメリカは日本の同盟国でございますし、イランとも友好関係にあり、十二月にはイランのロウハニ大統領が来日され、安倍総理との会談を行っている。そういう状況の中で、この湾岸にある国あるいはこの近隣の国が日本の船に対して攻撃をする、そういう状況には今の時点でない、そう申し上げていいと思います。

○玄葉委員                                                                             現時点はそうかもしれませんけれども、私は、事態のエスカレーションというのは全くないとは言えないと思います。特に非常に気にしているのが、イランの核開発のたがが外れたという場合であります。                                  これは、安倍総理、重々御承知のとおりでありますけれども、二〇一五年の、私は歴史的合意だと思っていますけれども、イランの核合意がございました。一方的にトランプさんが、アメリカが離脱をした、私はそう理解をしておりますけれども、今や、この核合意についてイランは、IAEAはイランの中にとどまってはいるものの、今後、遵守しない、こう言っているわけですね。本当にそういうことが起きて、イランが核を持ちそうだという事態になったら、イスラエルは黙っていないと思うんですね。イスラエルは黙っていないし、サウジアラビアだって、核を持つとほぼ言うでしょう。そういう事態が一番怖い。これは、ないとは言えないと思うんですね。                               だから、このことをまずどう見るかということと同時に、私は、日本の外交の役割の一つとして、こういったイランの核合意、日本はあの当時、EU3プラス3の当事者ではありませんけれども、しっかり仲介をする。                            特に、今回のこの核合意の問題というのは、トランプ政権が一方的に離脱をした。トランプ政権は、私から眺めていると、どうやらオバマさんの功績を否定したい、どうもそう見える。だから、どうもこの核合意から離脱したんじゃないかというふうに考えるんですね。ですから、むしろトランプさんに花を持たせて、今の核合意とそんなに変わらない内容であっても、あなたが主導したんですよと上手に持ち上げながら、もう一回、トランプ合意でも何でもいいですよ、新たな核合意を、これまでの核合意の改訂版のようなものを結ぶということを仲介することこそ、日本の外交の大事な役割じゃないかと思いますけれども、総理大臣、いかがですか。

○安倍内閣総理大臣                                                                                      今、玄葉委員が例として挙げられた中身については詳細にコメントすることは差し控えたいんですが、意図としては、まさに我々はそういう役割を果たさなければならないと考えております。                                      その中で、従来からトランプ大統領には直接、核合意に残るよう主張してきたところでございますし、昨年のG7のサミットにおいても、何とか米国とイランが対話することはできないかということについて大きな議論となったところでございますが、世の中で言われていることは、トランプ大統領御自身がいわば主導する形で合意ができればうまくいくのではないか、こう言われているわけでございます。                                                       これ以上はちょっと私も言及することは控えさせていただきたい、こう思うところでございますが、日米関係、いわば緊密な同盟関係でございますし、私とトランプ大統領との関係においても相当突っ込んだ話もできるわけでございます。私がハメネイ最高指導者あるいはロウハニ大統領と会うことも、トランプ大統領からも依頼され、それは了とされているところでございますし、昨年、ロウハニ大統領が十二月に訪日することも、米国も了解をしているところでございます。                                                                        いわば、その中で、日本とアメリカがそういう関係にあるということを前提にイランのロウハニ大統領も訪日をされているということもあり、日本の立場は、まさにこの問題がエスカレートしないように何とか着地点を見出せないか、そういう努力を、大変難しい努力でありますが、重ねていきたい、このように考えております。

○玄葉委員                                                                                     まさに、このイラン核合意、JCPOAと言われていますけれども、JCPOAダッシュを日本が関与して、仲介の労をとってつくるというのが、この中東の情勢をエスカレーションさせない一番大事なところだと思います。                                  そのことを改めて申し上げつつ、この問題でもう一つ聞いておきたいのは、たしか参議院の委員会だったと思いますけれども、あえて新しい法律を今回の自衛隊の派遣ではつくらなかったという趣旨の答弁があったように思いますけれども、でも、私は、この間ずっとこの問題を見ていて、旗国主義というのは大変難しいというか、この問題を考えるとなかなかできることというのは限られることは承知をしておりますけれども、ただ、旗国主義という原則があっても、日本籍船に対してだけは、海上自衛隊が行ったときに、よりしっかりとした武器使用権限を付与できます。                                                                            あわせて、何より国会でこうして議論することで、自衛隊、一体何ができて何ができないのかということについて国民の皆さんにしっかり聞いていただく、見ていただいた上で中東に出てもらうということができたんだろうというふうに思っていまして、本来は、やはり国会でしっかり議論してから出すべきだったんじゃないかなというふうに思いますが、総理大臣、いかがですか。これは大きいから、総理大臣やってください。

○安倍内閣総理大臣                                                                                   国会の御要請の上において、外務大臣、防衛大臣出席の上、国会で審議をしていただきました。これは国民の皆様への説明に資するものであった、こう思っておりますし、また、国会にも報告をさせていただいているところでございます。                                                                                    この問題につきましても、この予算委員会等での御議論もあろうかと思います。その際、わかりやすく御説明をさせていただきたい、このように考えております。

○玄葉委員                                                                                       総理、確認ですけれども、新しい法律をこの問題で制定することも視野に入れるというか、少なくとも俎上に上げて検討した上で、今回はつくらない、こういう判断をされたということでいいですか。                                 これは総理、やってください。

○安倍内閣総理大臣                                                                     いわば自衛隊を海外に派遣させるということにおいて、当然さまざまな議論を防衛省は省内で行います。その議論を受けて我々も判断をするのでございます。その中においては、もちろんそうした立法についての考え方もあった、こう思いますが、既に防衛大臣また私から答弁している考え方に沿って、今回こういう対応をさせていただいたところでございます。

○玄葉委員                                                                                             基本的に、次の問題に移ろうと思いますけれども、ドイツが今回、アメリカ主導の有志連合にも参加をしないということを言っていて、フランス主導の海上警備行動にも、どうも、出るのか出ないのかまだわからないという状況にあるのは、これは何でですか、外務大臣。

○茂木国務大臣                                                                              今回、中東における情勢の安定化、平和の維持につきまして、各国は目標としては同じ目標を持っておりますが、それぞれ違ったアプローチで対応しているというのは事実でありまして、ドイツは、米国の海洋安全保障イニシアチブには参加しない、この旨表明しておりますし、欧州諸国によります海洋監視ミッションの創設、政治的には支持をしておりますが、これに加わるという表明はない、このように考えているところでありまして、それはそれぞれの国内において判断されていることだ、このように承知をいたしております。

○玄葉委員                                                                               これは私の推測の一つですけれども、やはり、ドイツは中東への原油の依存率が、どうも、見ると一桁なんですね。それが一つの大きな原因なのではないかなというふうに思うんです。                                         日本の一次エネルギー供給の割合というのは、石油が現在三九%でございます。ほとんど車とか製造業ということでございますけれども、中東依存が約九割、八七%ということで、これはいつまでたっても改善されないんですね。調達ルートが多角化されないのはなぜですか、経産大臣。

○梶山国務大臣                                                                                 委員御指摘のように、原油の中東依存度は八八%でございます。                                            中東地域には世界の原油の半分が集中していることや、油価や輸送コストなどの経済性を考慮すると、中東地域からの原油調達は今後も変わらず重要であると考えております。                                           他方、原油の調達先の多角化を進める観点から、これまで非中東国での権益確保や国内資源開発などに取り組んできております。具体的には、非中東国の権益確保の取組としては、ロシア、またカザフスタン等がございます。こうした取組を今後も続けてまいりたいと思っております。

○玄葉委員                                                                                   LNGはかなり多角化しているんですよね。だけれども、原油は本当に中東への依存率が変わらない。今、多角化の努力をしているとおっしゃいましたけれども、結局全く変わらないですよね。だから、きちっと多角化するならするということと、やはり一次エネルギーにおける石油の割合というものを相対的にぐっと低くしていく必要があるんだろう。それをすればするほど、日本国の地政学的なリスクというのは相対的に小さくなるというふうに思いますので、やはり、車を電気で走らせるとか水素で走らせるということが大事だということになるんだろうというふうに思います。                                                                              そこで、私、ずっとこの間の政府のエネルギー基本計画を読んできたわけでありますけれども、分析をしても、どうも、再生可能エネルギーの普及に対する本気度が足りないというふうに申し上げざるを得ないというふうに思っています。                                                                                政府のエネルギー基本計画では、二〇三〇年に再エネは二二%から二四%ということでありますけれども、これは、EU各国、中国はもう既に、既にですよ、既に現時点で実現している数字であります。世界からどんどんおくれているのではないかというふうに思います。私はその点では明らかに後進国だと思っておりまして、そういう意味で、これは総理でも経産大臣でも、再エネが日本で普及しない最大のボトルネックは一体何ですか。

○安倍内閣総理大臣                                                                                  再生可能エネルギーの最大限の導入は、これは安倍内閣の基本方針であります。既に一定の条件のもとで系統を開放する方針を決定していると承知をしておりますが、詳細については経産大臣から答弁させたいと思います。

○玄葉委員                                                                               ありがとうございます。                                                                       今、系統と。系統というとなかなか一般的にはわかりにくいんですけれども、簡単に言えば、送電線に空き枠がない、こういうことだと思うんですね。この点について、もちろん努力するということなんでしょうが、私から見ると、やはり、説明は事前に聞いているんですけれども、本気度がとても足りないなというふうに思っています。  わかりやすい話を言えば、例えば原発。これは、送電網の空き枠の使い方というのは先着順だと。だから、今までできている発電所、原発とか火力が最初になるということなんですけれども、原発は一体何基分、送電線をあけてあるんでしょうか。今、たしか稼働しているのが九基だから、もちろん九基は当然送電線を使っているということなんですけれども、一体何基分あけてあるんですか。

○梶山国務大臣                                                                            現在、二十四基廃炉になりまして、三十六基分が先着権があるということなんですが、稼働していないものに関しましては使えるような制度に今なっております。

○玄葉委員                                                                                    梶山大臣、稼働していないものについては使えるような制度になっているというふうにおっしゃいましたけれども、私の知る限り、そうはなっていないと思います。                                                         三十六基ですよ。基本計画でも、たしか原発は三十基動かすことを前提にしているわけですけれども、今の政府の基本計画はですよ。それ以上の三十六基分あけているわけですよ。これで再生可能エネルギーを普及させる、流し込むと言ったって、現実に三十六基分あけているわけですから。                                      例えば、梶山大臣の御地元の東海第二、私から見ると、とても再稼働の見通しは立たないと思います。今後も一切立たない、私はそう思います。だけれども、当然とってあると思うんですよ、送電線は。だから、そういうことがあちこちで行われているんじゃないかということを言っています。

○梶山国務大臣                                                                             総理からも先ほどお話がありましたけれども、送電線の利用ルールについては既に見直しを行っておりまして、具体的には、原発も含めて先行する電源が稼働しないときは再エネなどの新たな電源の送電網への接続と実際の送電を認める、ノンファーム型接続と呼ばれる仕組みの導入を進めております。                                      例えば、東北地方北部では、こうした新たな仕組みに基づいて、先月二十二日に約三百八十万キロワットの再エネの系統接続が決まるなど、既存の送電網を有効活用した再エネの導入が進んでいるところでもあります。

○玄葉委員                                                                                      私は、これはかなり疑問です。そういうふうに国会でおっしゃったということはとても大きな意味があるのでありますけれども、言った以上、これからやらなきゃいけない。現時点は、私は完全にあけてあるという認識なんですよ。だから、きちっと、もう稼働しないだろうというところを流し込む、再エネのためにあけてあげるというだけでもかなり違いますよ。EUは、御承知のとおり再エネ最優先です。だけれども、日本の場合は全く真逆ですから。そこが変わるだけで全く違う。まさに、先ほどもありましたけれども、これは政治の意思の問題だと。                              特に私が申し上げるのは、やはり、これからの時代は、極端なことを言えば、自分たちの地域の電気は自分たちでつくる、自分たちの地域のエネルギーは自分たちでつくるというぐらいの気持ちでこの再生可能エネルギーを進めていった方がいいと思うんですよ、地域分散型のエネルギーで、スマートグリッドもしっかりと導入して。その方がお金が回ります。残念ながら、東京一極集中は、この五、六年、加速度的に進んでいます。地方の衰退、とまりません。そういう認識をしっかり持ってもらいたいんですね。                                            すみません、通告はないけれども、地方創生担当大臣、どうですか。私、この問題は地方を創生する切り札の一つになると思っているんですよ。どうですか。

○北村国務大臣                                                                         お答えいたします。                                                                           人口減少、東京圏への一極集中という課題を克服して地方創生を実現するため、昨年来、第二期総合戦略を閣議決定いたしたところであります。                                                              この第二期戦略に基づき、地方の自主的、主体的な取組について積極的に応援をして、将来にわたって活力ある地域社会の実現と、東京圏への一極集中の是正に取り組んでまいる。                                           本年四月から始まる第二期総合戦略のスタートに向けて、本年も、地方の現場に積極的に足を運び、地方の方々の御意見にもしっかりと耳を傾けて、地方創生のさらなる展開に向けて邁進してまいります。                         それぞれの地方で、そこならではの努力をし工夫をしておりますから、それを生かしていく努力、これをすくい上げる、これが地方創生だと思っております。

○玄葉委員                                                                                          大臣、済みません、ちょっと私の質問を聞いていなかったんじゃないかと思うんですけれども。地方創生担当なので、頑張りますと言ってもらうだけでもいいんだけれども、要は、地域分散型のエネルギーというのは、これから本気で進めていけば地方創生の切り札になりますよということを言ったわけです。それに対して何もお答えになっていなくて。これは別に経産大臣じゃない。きちっと答えてください。聞いていましたか、今の質問。

○北村国務大臣                                                                                お答えします。再生エネルギー等につきましては、やはり、それぞれ地産地消、分散型のエネルギーということで、生かしていくということが大事で、送電などの無駄な金を使う必要はない、そう思っております。

○玄葉委員                                                                            そのとおりですよ。                                                                                 だから、送電コストはかからないんだから、自分たちの地域は自分たちでつくる。お金は地域の中で回りますからね。これは真剣に地方創生の大テーマの一つとしてやっていく。そのために、野心的なエネルギー基本計画をつくるということが大事じゃないかと思います。                                                        分権というのは、やはり、今やもう、権限と財源と、プラス電源を考えるぐらいの時代じゃないかというふうに思います。                                                                               そこで、もう一つ。総理は、温室効果ガスの削減で、胸を張って、この五年間でイギリスに次いで削減率が高いということをおっしゃったんですが、これは二〇一三年を、いわば二〇一一年の三・一一があって、どうしても特殊事情があって石炭をたいた時期、このピークから数えての削減率なんですね。改めて、環境大臣、通告してありますので、九〇年比の温室効果ガス排出量、日本、イギリス、ドイツ、EU、お答えいただけますか。九〇年というのは京都議定書のスタートの年です。

○小泉国務大臣                                                                         玄葉議員から、通告はあるということですが、これは九〇年比のスタート時点の各国の数字をお答えすればよろしいですか。それとも……(玄葉委員「今までの削減率」と呼ぶ)削減率。                                           今、九〇年比ということがありましたが、日本は、九〇年のときが千二百七十五、そして今、直近の二〇一八、これは千二百四十四でありますから、数字からすれば、九〇年と二〇一八、直近を比べればほぼ横ばいということになっております。                                                                     二〇一三年から五年連続削減をしているということはそのとおりでありますが、引き続きこの削減率をより深掘りをしていかなければいけないという趣旨においては、先生御指摘のとおりだと思います。

○玄葉委員                                                                                 私から申し上げますけれども、時間がないので。日本は、九〇年比で見ると二・五%減です、残念ながら。ですから、どうしてもやゆされるところはあると思います。イギリスは四二%減、ドイツは三〇%減、EUは二三%減であります。                                                                                これも、ほとんど私は政府のエネルギー基本計画が原因だというふうに思っていまして。特に、二〇一四年の基本計画で、石炭について、重要なベースロード電源としています。二〇一八年も踏襲をしています。そして、二〇三〇年二六%という数字も出しています。当然、関係者はこのことを詳細に分析をしながら計画を立てますので、世界でも類例を見ないような石炭火力発電所の建設ラッシュになったということだと思うんですね。    OCCTO、電力広域的運営推進機関、このOCCTOという機関が十年後の見通しを発表していますけれども、政府は二〇三〇年二六%と言っていますけれども、このままいくと三七%になるんじゃないかというわけですよ。今の石炭火力発電所をそのままつくっちゃうとですよ。                                                  これはどうするんですか、経産大臣、あるいは環境大臣、あるいは総理大臣。これは短く、できればまとめて、総理、やっていただけますか。

○安倍内閣総理大臣                                                                               まず、九〇年比ということでいえば、これはもう玄葉委員は本当によく御承知の上で質問をされておられるんだろうと思いますが、九〇年代は、イギリスもドイツも、日本の倍CO2を出していたわけであります。日本は、九〇年代は既に世界のいわば省エネでは最先端にいたのであります。そうしますと、二〇一三年比で考えれば、これで考えれば、ドイツは二〇%以上の削減、イギリスは一六%以上の削減。実は日本の二六%削減というのは最も野心的なものとなるわけでありまして、欧州諸国の削減目標のうち半分ほどは、実は九〇年から一三年までの間に既に実現済みのものでありまして、それを織り込んでいるということになるわけであります。                         パリ協定は二〇一五年に採択されたものでありますが、欧州諸国は、その目標設定に当たり、九〇年から二〇一三年までの過去に削減済みの分も盛り込むことで四〇%という大きな数字となっているわけでありまして。まあ、他国の目標について一々論評はいたしませんが、論評は差し控えますが、パリ協定はまさに今ここから世界を変えていこうという協定であり、我が国が直近の二〇一三年の数字を前提に目標を設定することについて恣意的ではないということは申し上げておきたい、こう思うわけでございますが。                                    石炭火力の削減ということについて言えば、これは、温室効果ガス削減に向けて、国内の石炭火力発電について、現行のエネルギー基本計画のもと、高効率化、次世代化を推進しながら、よりクリーンなガス利用へのシフトと非効率石炭のフェードアウトに取り組んでいます。                                                      次期エネルギー基本計画に向けた検討では、当然こうした取組の成果を踏まえるとともに、環境問題への対応に加えて、経済効率性、エネルギーの安定供給、安全性といった観点を総合的に勘案し、あるべきエネルギーの姿について検討する考えでありまして、その上で、気候変動問題を解決するためには究極的に脱炭素社会を実現することが必要であると、長期戦略に掲げたこの目標の実現はこれまでの延長線上の取組では困難であり、非連続なイノベーションが不可欠であり、このため、ビヨンドゼロという野心的な目標を掲げて、米国、EUなどG20の研究機関、世界の英知を結集して、人工光合成を始めとした革新的なイノベーションに挑戦をしていく考えでございます。

○玄葉委員                                                                                  これは本当に、資料をお配りいたしましたけれども、このまま石炭火力発電所をつくられると、三七%に十年後なっちゃうんですよ。これは総理のリーダーシップで何とかしないと、単に高効率化で、何といいましたか、まさに今、高効率の石炭火力もあるんですけれども、それでもLNGの倍、温室効果ガスを出しますからね。ですから、このことは待ったなしで対策をしなければならないということを改めて申し上げて、あした専門家の方がこれを受けて質問をしてくれますので、まさにこのことを改めて申し上げておきたいと思います。                           

最後に、北方領土の問題です。                                                                      これは、安倍首相はある意味リスクをかけて大きな判断をされたというふうに思います。ただ、私は基本的な考え方は違うのでありますが、安倍総理は日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速させるというふうにいたしました。私はこれは基本的な考え方が変わったと思っていますが、政府は変わっていないとおっしゃっている。                            私は、変わったことを認めて、そのことを説明しながら交渉してほしいと思うという観点で聞きたいんですけれども、お手元に配付をしてあるこの北方領土問題の政府の基本的立場、「我が国としては、北方四島に対する我が国の主権が確認されることを条件として、実際の返還の時期、態様については、柔軟に対応する」、これが内閣府のホームページにも書いてある基本的な立場でありますけれども、これは、変わった、変わっていない、どちらでしょうか、総理。

○茂木国務大臣                                                                         政府の立場は変わっておりません。                                                           御案内のとおり、政府として、領土問題を解決して平和条約を締結する、これが基本方針でありまして、領土問題を解決するためには領土の画定が必要であります。領土を画定し、領土問題を解決して平和条約を締結する、この考え方に変わりはなく、引き続き粘り強く交渉していきたいと思っております。

○玄葉委員                                                                                  もう一回、総理。                                                                           北方四島の帰属の問題を解決するというのは何回も聞いています。私が聞いているのは、配付資料のこの基本的立場は変わったか、変わっていないかを聞きたいということです。

○安倍内閣総理大臣                                                                           交渉がうまくいくかいかないかは静かに交渉できるかにかかっているわけでございまして、従来から政府が説明してきているとおり、日本側は、平和条約の対象は四島の帰属の問題であるとの一貫した立場であり、いずれにせよ、政府としては、領土問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針のもと、引き続き粘り強く交渉を行ってまいります。

○玄葉委員                                                                                  総理が今の質問に答えないということは、基本的に変わったということだと私は思います。                                ずばり聞くと、歯舞、色丹と国後、択捉の間に国境線を引くという二島の決着という路線に変わったと思っておりますが、総理、それでよろしいですか。

○安倍内閣総理大臣                                                                            現在交渉中でございますので、中身についてつまびらかにすることは控えさせていただきたい、こう思うところでございますが、四島は日本が主権を有する島々であるという考え方、法的立場には変わりはないということでございます。

○玄葉委員                                                                                 時間が来ましたので、また次の機会に深掘りをさせていただきたいと思いますが、何かこのままずるずる日本の原則的立場だけが後退するということのないように、注文をつけておきたいと思います。

以上です。ありがとうございました。

 

ページトップへ