外務委員会で質問に立ちました。(令和2年3月6日 議事録)
○玄葉委員 おはようございます。立国社会派に所属をしております玄葉光一郎です。 きょうは、新型コロナ関連、あるいは日中関係を中心に質問をしたいと思いますけれども、冒頭、忘れたくても忘れられないあの三・一一にあと一週間ぐらいということでございまして、ちょうど九年になるわけでありますが、韓国が、福島あるいは放射能関連に関して嫌がらせ的な言動があります。大変残念なことでありまして、処理水の問題も科学的な根拠に基づかない言動をされたり、あるいは、民間団体だとは思いますけれども、防護服を着た聖火ランナーのポスターをつくって張り出すみたいなですね。はっきり言って、嫌がらせだと思います。 これは、日本の輸出管理の厳格化が去年の八月、夏に行われたあたりと大体軌を一にするわけで、よく韓国外交にはあることではありますけれども、外務大臣、しっかり、役人任せにせずに外相同士で、このことについては強く抗議をしてもらいたいと思います。
○茂木国務大臣 玄葉委員がおっしゃるとおりだと思っております。 私も、韓国の康京和外交部長と何度か会談を重ねておりますが、そこの中でも、科学的根拠に基づかないさまざまな報道について極めて懸念を持っているということは強く申し上げているところでありますし、これからも引き続き、そういったことを働きかけていきたいと思っております。
○玄葉委員 江戸のかたきを長崎で討つというのは、本当によくこの種の外交ではあるわけでありますけれども、このことは、本当に、科学的根拠に基づいて三・一一のことあるいは放射能のことについてはやりましょうということを繰り返し外務大臣から、まあ、カウンターパートは外相にはなりますけれども、よく言っていただきたいということを改めて申し上げたいと思います。 その上で、私も質問通告してからきのう聞いたわけでありますけれども、きのう、重要な日中関係の発表が二つ同時に、ほぼ同時にあったわけであります。一つは、習近平国家主席の訪日延期、まあ、訪日は延期されると私も想像していましたけれども、そのことの正式な発表と、中国、韓国からの入国者全員の二週間の隔離、停留というか待機という措置でございます。 まず、訪日延期の問題でありますけれども、この訪日延期の問題で、十分な成果というものを重視するのだということはこの間言ってこられて、私、その答弁があったときに、ああ、延期だなと正直、予算委員会でそういう答弁があったときにそう感じましたけれども。 基本的に、今回延期になったのは、新型コロナの対応が最優先であると同時に、十分な成果について、なかなか、この一カ月間くらいの準備では成果が得られない、そう判断したということでよろしいですか、これまでの答弁から考えると。
○茂木国務大臣 習近平国家主席の国賓訪日につきましては、ことしの春ということで調整を進めてきましたが、双方の都合がよい時期に行うということで改めて調整を進めるということをきのう発表させていただいたわけであります。 先週来、この問題につきまして、日中の外相会談、さらには、訪日しましたヨウケツチ中国共産党政治局委員との間で議論を行ったところでありまして、そういった議論も踏まえて日中間で引き続きやりとりを行った結果、双方は現下最大の課題であります新型コロナウイルス感染症の拡大防止を最優先する必要があり、また、習近平国家主席の国賓訪日を十分成果が上がるものにするためには両者でしっかりと準備を行う必要がある、こういう認識で一致をしたところでありまして、習主席の国賓訪日については、日中両国が地域、国際社会が直面する課題にともに大きな責任を果たしていくことを内外に示す機会にしていくという考えには変わりはございません。
○玄葉委員 一点目の、新型コロナ対策を両国とも最優先する、当然のことだと思います。 もう一つは、この間も繰り返しおっしゃっていたわけでありますけれども、十分な成果が得られるよう準備をするのだと。この十分な成果というのは、やはり、この一カ月の準備の期間では得られそうもない、あるいは新型コロナのウイルスの感染状況からして十分な成果が得られそうもない、そう判断したというふうに考えてよろしいですか。
○茂木国務大臣 十分な成果を得るための時期としてどういう時期がいいか、また、そのための環境整備としてどういうことをやるかということを考えた上で、春ではなくて、適切な時期で再調整するということになりました。
○玄葉委員 確かにおっしゃるように、十分な成果を得るための時期として適切じゃないのではないか、こういうふうに考えたということだろうと思います。 だとすると、この十分な成果というのは一体具体的に何を指しておられるのか。先ほどの答弁だと、両国とも地域全体で大きな役割を果たしていくのだ、こういうことをおっしゃっているわけですけれども、よく、第五の政治文書をつくるのだというような報道等もあるわけであります。 御承知のとおり、七二年、七八年、九八年あるいは二〇〇八年、それぞれ日中関係の基礎となると少なくとも言われている文書があって、今度は第五の政治文書をつくるのだ、そのための調整をするのだと言われておりましたけれども、そういうことで考えておられるのですか。
○茂木国務大臣 まだ、第五の政治文書をどうするかということについて、決まっているものはございません。 その上で、今最優先の課題であります新型コロナウイルスの感染症を防止していくという観点から、保健衛生の分野でも日中間、また国際的な協力、これの重要性というのは高まっているんだと思います。さらには、地球温暖化であったりとか、そういう地球規模課題に対して、それぞれが大国になっている、こういった中で大きな責任を果たしていかなきゃならない、また、時代が新しくなる中で、その時代にふさわしい新しいルールづくり、こういったこともともにやっていく、こういう議論を進めたいと思っております。
○玄葉委員 おっしゃるように、公衆衛生とか気候変動とか、こういったことも大事、確かに大事だと思います。今度の成果の一つにぜひしていくべく調整をしてもらいたいと思いますし、成果の中で一番重要視してほしいのは、南シナ海、特に東シナ海、尖閣の問題だと思います。絶対にこの問題は譲れないし、最も日本側として重視しなければならない点だと思いますけれども、当然、このことは最重要視しているということでよろしいですか。
○茂木国務大臣 東シナ海の問題、そして南シナ海におけます課題、こういったことについては、日本にとって、また国際社会全体にとっても極めて大きな課題だ、こういう認識を持っております。
○玄葉委員 したがって、いつ来日をされるか定かではありませんけれども、習近平国家主席が日本にいらっしゃるときにつくり上げる文書なのか、まあ報告、文書と正式に言えるかどうかわかりませんけれども、少なくとも、成果に、尖閣の問題を最重要視すると考えてよろしいですか。
○茂木国務大臣 先ほど申し上げたように、第五の文書を含め、成果について今の段階で決まっているものはございませんが、我が国としては、こういった問題を重視して議論したいと思っております。
○玄葉委員 ちょっと最初に戻りますけれども、いわゆる第五の政治文書というのは基本的に、できればつくりたいと考えておられるんですか。
○茂木国務大臣 習主席、中国の国家主席の国賓訪日というのは十年に一遍ということになるわけであります。そして、大国になった中国と日本がともに国際社会の課題に対して大きな責任を担っていく、こういった姿勢を内外に示していく機会にしたい、こういう観点から考えていきたいと思います。
○玄葉委員 できればつくりたいということですね。
○茂木国務大臣 内外にしっかりと示す機会にしていきたいと思います。
○玄葉委員 私、この日中関係を考えるときに違和感があることがあって、それは、日中関係は完全に正常な軌道に戻ったという認識を持っていると安倍総理が述べておられることなんです。本当に正常な軌道に完全に戻ったと言えるのかどうか。 これは事務方に、当たり前のことですけれども、改めて、通告していますので確認したいんですけれども、二〇一三年以来の中国の公船の接続水域への入域、領海侵入の状況、どうなっていますでしょうか。
○滝崎政府参考人 御質問にお答えいたします。 今委員から御指摘のあった時期以降ということですけれども、特にこの一年間だけで申し上げても、尖閣諸島の接続水域にはほぼ毎日、中国の公船による活動というのが確認されておりますし、それから領海侵入についても、月に二、三回の頻度で発生しているというのが現状であります。
○玄葉委員 過去最高レベルなんですよね。それなのに、完全に正常な軌道と、本当に外務大臣、言えるんですかね、これ。
○茂木国務大臣 恐らく、いろいろな国の関係を考えても、玄葉委員も外務大臣をやられて経験をされていると思いますが、それは、例えば外交関係が絶たれたりとか、対話が途絶える、こういう国もあると思います。そういった国同士の関係を正常な関係とは呼べないんだと思います。 もちろん、日中の間では、そういった、東シナ海、さらには南シナ海をめぐる問題、拘束事案、さまざまな懸案というのがあるわけでありますが、少なくともハイレベルで、首脳レベル、外相レベルも含めて、交流、対話を重ね、率直にそういう問題について意見が言える、また、お互いにそれらについて改善を模索する、こういう動きがあるという意味において、正常な軌道に戻った、このように考えております。
○玄葉委員 私はここは認識が違っていて、率直な意見交換ができるようになったということと、完全に正常な軌道に戻ったということは、やはり、普通、考えれば違うんじゃないかと思いますね。それは、率直な意見交換ができるだけで完全な正常な軌道に戻ったと本当に言えるのかどうかというのは、私は強く疑問を持つということを申し上げながら、出入国管理の問題に入りたいんですけれども、安倍総理の応援団でもあるメディア、産経新聞でさえ、この間の危機管理、特に出入国管理を評して、水をくむような出入国管理だというふうに評しています。 きのう発表になった、中国、韓国からの入国者全員の二週間の待機、これは、なぜ今なのか。なぜ今なのかということなんですね。もしやるなら、相当前にこの水際対策の強化はやらなければほとんど意味がなかったのではないか。なぜ今なのかということを、外務大臣、政治家として、あるいは今回のコロナ対策本部の重要メンバーのお一人として、なぜ今なのかということをお答えいただけますか。
○茂木国務大臣 さまざまな水際対策、今回初めてとったわけではなくて、中国湖北省、さらには温州市を始めとします浙江省からの入国規制、こういったものは既にとっているわけであります。そういった中にあって、日本にとっても、今この一、二週間が山場という時期にあり、一方で、中国が最大の感染者が確認されている国であり、また、韓国が、今の伸びであったりとか規模でいいますと、非常に大きな増加が、感染症の増大が広がっている。この水際対策が特に重要になった。 こういう観点から、今回につきましては、検疫の強化だけではなくて査証の制限等も行う形にしたわけでありまして、中国及び韓国に所在します日本国大使館又は総領事館で発給された一次、数次査証の効力を三月三十一日まで停止をする。同様に、香港、マカオ及び韓国に対する査証の免除措置の停止、これも三月三十一日まで行わせていただく。期間を区切った上で、しっかりした水際対策をとっていきたいと思っております。 また、十四日間の待機、それから国内において公共交通機関を使用しないこと、これは要請という形で行わせていただく。 ただ、査証が出ない、また査証が無効になるということでありますから、入ってこられる方というのは極めて限定的になると思っております。
○玄葉委員 韓国は更に感染が拡大をしていて、中国は逆に新たな感染者数は減り始めている。なぜ今なのかというのが全くわからないんですよ。エビデンスを示してほしいんですけれども、なぜ今なのか。なぜ一カ月前じゃないのか。 あのときに、浙江省とか湖北省、特に湖北省、だから私は予算委員会でも湖北省縛りが問題だという話をしていたんですけれども、検査も入国拒否もそうだと思うんですが、何で最初から小さ目小さ目に行くのかなというふうに思っています。 ですから、なぜ今なのか。一カ月前にやるなら私はすごくわかるんですけれども、今、閉じていこうとしているときに、つまり感染者数が減ろうとしているときにこの措置をとる、その今がわからない。どうですか。
○茂木国務大臣 恐らく、湖北省、武漢等々に入国制限をかけたときは、湖北省におけます感染者数、これは極めて高い数字でありまして、一万人当たり、恐らく、私の記憶ですと三十人を超える、こういうレベルでありました。これが少なくとも、今当局の発表によりますと、かなり低いレベルまで下がってきているのは確かでありますが、今、中国全体、八万数千人の感染のうちで、五万五千人が治癒しているにしても、二万五千人、厳然として感染されている方がいらっしゃる。そして、韓国につきましては、この数が五千人を大きく上回る。こういうレベルになってきていて、さらに、日本において、この一、二週間が、まさにこの感染拡大を防げるのかどうか、ピークが高くなるのか、山を小さくできるのか、この瀬戸際に差しかかっている、こういった中で、この措置をとらせていただいたわけであります。
○玄葉委員 まだよくわからないんですね。 結局、一カ月前に、私は、やるならやったらよかったと思いますよ。そうすれば、水際対策としてしっかりとした措置だと評価できたと思います。アメリカは御承知のとおりかなり早い段階で、アメリカだけじゃありませんよ、シンガポールだってそう、オーストラリアだって、たしかニュージーランドなんかもそうだったと思いますけれども、中国全土からの入国を拒否しているわけですけれども。 それに対して中国は、その当時、アメリカの中国人の入国制限を、親善の行動ではない、こういうふうに批判をしていたわけですね。もしかしたら、習近平国家主席の来日の問題への配慮があったのではないかというふうにも言われています。 さらには、これは当然配慮するのかもしれませんけれども、経済とか観光への影響、インバウンドですね、そういったことも全て勘案した結果、今ということなんでしょうか。
○茂木国務大臣 それは、当然、感染症の拡大を防止する、これが最優先でありますが、同時に、中国、韓国と日本とはさまざまな形で交流等があるわけでありまして、こういった経済への影響であったりとか、そういったことも当然考慮をするわけでありますが。 私の手元の数字によりますと、一万人当たりの感染者数、これで見ますと、これはきのう時点の数字でありますけれども、韓国が一・一二人、次に高いのが中国の〇・五八という数字になりまして、例えば日本でいいますと、これが〇・〇二五です。韓国が一・一二、そして、中国が〇・五八に対して、日本は〇・〇二五という数字であります。これが広がらないようにする。このために、一番高い韓国、中国について、三月の三十一日までと当面の期間は区切りますが、査証の停止であったりとか入国制限をとる、これはやむを得ない措置だ、このように考えております。
○玄葉委員 ちなみに、日本はどうしても検査の数が少ないので、全体として率が下がるということは、現実問題、あるんだろうと思います。 今、特に問題にしているのは中国なんですよね。中国の感染率というのは当初から高かったはずですよ、一カ月前から。その時点でやるならやらないと、やはり水際対策としては明らかにだだ漏れだと言わざるを得ないということではないかと思います。 先ほど経済や観光の影響は無視はできないというようなお話がありました。現実、そうでしょう。恐らく国家主席の訪日問題も微妙に絡んだんじゃないかと思いますけれども、やはりそういったことへの配慮も若干はあったでしょう。
○茂木国務大臣 この措置につきましては、コロナウイルス感染症拡大防止、こういう観点で行っております。 数字、毎日見ていますから。毎日自分で確かめて、これがどうなっているか。それで、省内で会議を行って、危険情報をどうするか、また、どういう措置であるか、これを毎日検討しております。その上で、どれだけ数字が中国内でふえてきているか、武漢の数字がどうであるか、逆に温州市がここまで下がってきたな、いろいろなことを考えながら、判断というのはさせていただいております。
○玄葉委員 ただ、外務大臣が恐らく主に判断するのは、こちらからの渡航中止をするかどうかとか、要請をする、渡航の抑制をどうするかとか、多分そういうことなんじゃないかと思うんです。中国人をどうするかというのは、やはり外務大臣がメーンでかかわったんですか。
○茂木国務大臣 基本的には、これは入国制限でありますから法務省ということでありますけれども、入国制限をするに当たっては、当然、中国そして韓国、それも地域ごとの感染の状況であったり、こういった情報が必要でありまして、そういった数字であったりとか、現場の、実際に総領事館等々から入手しました情報、こういったものは提供する必要がありまして、そういった情報をもとにして各省で協議を行いまして、法務省において決定をするということであります。
○玄葉委員 これは、今お話をしていてもまだ十分わからないんですけれども、なぜ今になっちゃったんだというのは、経済や観光への影響、あるいは、言いにくいでしょうけれども、国家主席の訪日の問題も微妙に絡んだんだろうと推測をいたします。そういう意味では、本来あるべき、早い段階での水際対策の強化をしてほしかったということを申し上げたいと思います。 最後に、WHOなんですけれども、WHOのこの間の言動、特にテドロス事務局長は、一月三十日に緊急事態を宣言しましたけれども、中国への配慮があったんじゃないかというふうに報道がございました。そのときの発言に、不必要に渡航や貿易を制限する必要はないというふうな発言もされている。最も懸念される国に、イタリアあるいは韓国、そしてイラン、日本と、日本まで名指しをされているわけですけれども、WHOの、これまでのこの問題、この問題というのは新型コロナの問題に関する一連の言動への評価をお聞かせをいただきたいと思います。
○茂木国務大臣 まず、日本に対する評価でありますけれども、三月二日の日に、中国以外の四つの懸念国の中に日本が入った。日本として、WHOの方に、きちんと事実関係、こういったものをお話ししまして、次の日、三月三日以降は、中国以外で発生している感染者の八割については、韓国そしてイタリア、イラン、この三カ国、こういった形でありまして、日本の措置につきましては、きのうのプレスリリースでも、しっかりした対応をしている、このような発表をしている、そのように考えております。 その上で、この新型コロナウイルス感染症の拡大防止、早期の鎮静化が国際社会全体が直面する大きな課題となっている中で、WHOに対するいろいろな見方、意見があるということは承知をいたしております。我が国としては、WHOが専門性を生かした活動を進めることを強く求めていくとともに、我が国自身、WHO及び関係各国と連携をして、事態の収束に向けて全力を尽くしていきたいと思っております。 先日も、WHOは、中国に対して日本や米国の専門家を含みます合同調査団を派遣し、現地の状況について分析を行って、報告書を発出して、症状、感染経路、致死率等の分析を行うとともに、中国、発生国・流行国、非発生国、一般国民、そして国際社会の五つの方面に向けた勧告を行ったところと承知をしております。 毎日プレスリリース等も出ております。テドロス事務局長の会見等もあるわけでありまして、そういったものもしっかり見ながら、正しい判断がなされるように、こういった観点から注視をしていきたいと思っています。
○玄葉委員 これは通告しているので、ちょっと教えていただきたいんですけれども、国連の専門機関が、それぞれトップ人事がどうなっているか、十五あるんですけれども。 つまり、今回気になっているのは、よくこれは報道でもあるんですけれども、事務局長さんの出身がエチオピアで、エチオピアに対する援助を中国が莫大に行っているということで、中国の影響力があり過ぎるんじゃないか、こういうふうに言われていて、さまざまな報道があるということになっているわけですけれども。 今、国連の専門機関、十五ありますけれども、トップの人事、どうなっていますでしょうか。
○赤堀政府参考人 お答えいたします。 国連の専門機関のうち、中国人が長を務める機関は、国連食糧農業機構、FAO、国連工業開発機構、UNIDO、国際民間航空機構、ICAO、国際電気通信連合、ITUの四機関です。
○玄葉委員 十五の専門機関のうち四つあるんですよね。今回も、知的所有権の機関に立候補していて、恐らくアメリカも、日本もこれは公表していないと思いますけれども推したと思いますけれども、こちら側が推した候補者が入っているんですけれども、別に中国の方がトップになっても、公平に公正に中立の運営をしてくれるなら大いに結構、むしろ、大変大事なことだというふうに思うんですね、ルールに基づく責任ある大国になってもらうわけですから。 ただ、残念ながら、そうならない場合も見受けられるので、これは私、外交のすごい大事なところだと思うんですけれども、やはり、何だかんだ言って、国際機関がルールをつくるというところが御承知のとおりあるわけです。そこの人事をどうするかというのは、かなり戦略的に行っていかなければならない。 特に、アメリカが、特にトランプ政権が、国連あるいは国連の専門機関等への関心を私はやや失っているように思うんですね。その空白を中国が埋めちゃう。そうすると、力による秩序とルールによる秩序があると思いますけれども、ルールによる秩序の方も中国が出てくるということになると、これはかなり大変だなと思ってしまうんです。 ですから、これは、外務大臣、ぜひ、外相同士、相当、特にアメリカ、ヨーロッパ、よく連携をとってもらって、まずアメリカに、国連にきちっと関心を持て、国際機関に関心をもっと持て、そうじゃないとやられるぞということをきちっと伝えて、しっかりと連携をとってほしいと思いますが、いかがでしょう。
○茂木国務大臣 まず、今回のWIPOの選挙の結果を見る限り、アメリカが関心を失っているということはないなと、率直に申し上げて、私もポンペオ長官とはさまざまなやりとりをやっておりますが、そういう思いを持っております。 その上で、委員御指摘のように、十五ある機関の中で特定の国の比率が余り多くなる、これは、もちろん人物本位の部分もあります、経験のあるトップということは重要ですから、国籍を問わずに。そういったこともありますが、よく考えなければいけないと思っております。 それは、ある意味、途上国であったりとか、さまざまな利益を代表する国であったり、また女性の候補者であったりとか、さまざまな要素はあると思うんですけれども、そういった中で、日本としてもきちんと、望ましい人が、特に日本人がそういう国際機関等々でより高い立場を占めることによって、日本が考える国際ルール、国際スタンダード、こういったものが世界に浸透していくような、普及していくような形をとっていきたいと思います。
○玄葉委員 もう終わりますけれども、確かに、今回のWIPOのアメリカの取組を仄聞すると、完全に関心を失っているわけではないと思います。でも、多分この分野だったからなんじゃないかなという感じもするんですね。つまり、ハイテク技術を強要する中国に対して問題だとやはり思って、問題意識が非常にこの問題は強かった。ただ、違う問題になるとまたトーンダウンする気配があるので、国連の専門機関のトップ人事、しっかりと重視して取り組んでほしいということを申し上げて、私の質問を終わります。 どうもありがとうございます。