東日本大震災復興特別委員会で質問に立ちました。(令和2年3月10日 議事録)
○玄葉委員 玄葉光一郎です。 私、地元でもございます。改めて、あの三・一一のときに犠牲になられた方々の御無念、そして御遺族の悲しみ、強く握り締めて、深く心に刻み込みたいというふうに思います。 その上で、きょうは二、三、田中大臣に質問したいと思います。
一つは、復興財源フレームでございます。 この場でかつても申し上げたことがございますが、たまたま私はその当時、与党第一党の政調会長で、閣僚も兼務をしていて、財源をつくるという作業もいたしました。復興のための二・一%の所得税の上乗せ、あるいは復興法人税等を課すということも行ったわけであります。復興所得税は、御承知のとおり、二十五年間かけていくわけでありますが、まさに、復興債でつないで、その復興所得税で返していくということでございます。 この復興財源フレームですけれども、二〇二一年、つまり来年から五年間、どういう形で財源を賄っていくのか、事業を賄っていくのかということについてでありますけれども、どうも説明を聞くと、まさに今私が申し上げた、そのときつくった復興所得税が、当時、七・三兆円を見積もっていたんですけれども、八・五兆に上振れしそうだということで、その上振れ分を使うんだ、こういう説明でございました。 私、その一・二兆ぐらいで、これからの五年間、本当に足りるのかなというふうに心配をしているんですけれども、まず、そもそもの二〇二一年から五年間の想定される事業規模が約一兆円台半ばであるということですけれども、この積み上げの根拠をお示しをいただけますか。
○田中国務大臣 玄葉委員はお地元でもあるということでいろいろと御指摘をいただき、また御指導もいただいております。 今の一兆円台半ばという数字でございますが、復興庁から各省庁に対して復興・創生期間後の復興事業の見通しを検討することを依頼いたしまして、それを受け各省庁が行った整理をもとに、復興庁において、復興・創生期間後に必要な事業規模を現時点であらあら見込んだものでございます。 具体的な数字については、今後の復興施策の進捗等も踏まえ、引き続き精査をさせていただきまして、総理もお話をしておりますけれども、本年の夏ごろを目途としてお示しをしていきたい、このように思っておるところでございます。
○玄葉委員 しかし、一・五兆というか一兆円台半ばということを示しているわけでありますから、あらあらの積み上げはできているだろうと思いますので、それを説明いただけますか。
○田中国務大臣 お答えをいたしたいと思います。 引き続き精査の必要がございますけれども、現段階では、被災者支援関係がおおむね〇・一兆円程度、住宅再建・復興まちづくり関係がおおむね〇・二兆円程度、産業、なりわいの再生関係がおおむね〇・二兆円程度、原子力災害からの復興再生関係がおおむね〇・五兆円程度、そのほかがおおむね〇・五兆円程度、これがあらあらと私の言った見込みでございます。 ただし、分野別内訳はあくまでも目安でございまして、それぞれの上限だとか枠を設けているわけではございませんので、本当にあらあらの数字ということで御理解をいただきたいと思います。
○玄葉委員 今御説明ございましたけれども、田中大臣もしばしば、原子力災害からの復興はこれからが本格化だ、こういうことでございます。 例えば、この委員会での御挨拶の中でも、将来的に、帰還困難区域について、その全てを避難指示解除する、こういうことをお述べになっておられるわけでありますけれども、一体、田中大臣は、この帰還困難区域の全てを避難指示解除するということについてどのくらいのスパンでお考えになっておられるのか、お示しいただけますか。
○田中国務大臣 原子力災害被災地域の復興再生には中長期的な対応が必要でございますし、復興のステージが進むにつれて生じる新たな課題や多様なニーズにきめ細かく対応する必要があることから、いろいろなことについて、事業規模等について必要に応じて見直しを行う、こういうことでございますが、復興・創生期間後の基本方針にも明記しておりますけれども、いずれにしましても、これからの帰還困難区域を含めた原子力災害被災地域全体の事業費ということも含めて、今後、復興の進捗状況を踏まえ、必要があればいろいろと事業規模と財源について適切に考えていきたい、見直しもしていきたい、このように思っております。 期間等については、これからいろいろと地元の皆さんとも相談をしながら見えてくることではないかと思っております。
○玄葉委員 確かに、帰還困難区域全てを避難指示解除するというのは、かなりの年月を要するのではないかというふうに思います。 ただ、私が、特に双葉とか大熊とか、一番F1に近い場所に行けば行くほど皆さんから言われるのは、国は最後まで、特に財源について責任を持ってくれよ、はしごを外すなよということを言われるんですね。 ですから、これはある意味わかりやすい例なので申し上げているんですけれども、帰還困難区域全てを避難指示解除する、こう言わざるを得ないし、やっていくべきだと思うんです。ただ、そうなると、帰還困難区域は相当広いですからね、除染も必要です。例えば再生拠点だけ今回は除染したわけですけれども、全てを除染しないと、恐らく全体を避難指示解除するというわけにはいかないだろう。そういった除染も含めて国は前面に立つとおっしゃっているわけですから、財源的にも最後まで責任を持つ、こういうふうに考えてよろしいですか。
○田中国務大臣 御指摘のとおり、福島の復興再生には中長期的な対応がもうこれは必要でございまして、復興のステージが進むにつれて生じる新たな課題、多様なニーズ、今委員からも御指摘をいただいた大きなお話もあるわけでございます。 今後、必要な復興事業を確実に実施するための財源の確保を含め、政治の責任とリーダーシップのもとで、福島の本格的な復興再生に向けて、強い決意で臨んでまいりたいと思います。地元の自治体の皆さんの御要望もしっかり承り、また御相談をさせていただいて、前に進めていきたいと思っております。
○玄葉委員 田中大臣、国は財源的には最後まで責任を持つとおっしゃってください。
○田中国務大臣 財源についても、その時点でニーズに応じていろいろと対応していく、このことをお話をさせていただきたいと思っております。数字的には、これから中長期的な中にあらわれてくるものではないかと思います。当然、国の責任はあるわけでございます。
○玄葉委員 何か頼りないので。田中大臣、数字を言えというふうに申し上げているわけではなくて、覚悟を示してください、決意を示してくださいということを申し上げているわけで、最後まで財源の責任を国が持つということを言ってください。
○田中国務大臣 福島の復興は中長期的な対応が必要であることは、委員も御承知のとおりでございます。国が前面に立ってしっかりと進めていくということでございます。
○玄葉委員 財源的に最後まで責任を持つと言ってください。
○田中国務大臣 当然、国が責任を持つということは、財源の裏づけもしっかりと対応していくということでございます。
○玄葉委員 ありがとうございます。実際に国が前面に立って国が財源に責任を持たないと、復興は、特に福島の原子力災害からの復興はできないというふうに思いますので、ぜひそういう覚悟で進めていただきたいと思います。 もう一つは、この場でも何回も出ている話ではありますが、通告していたので、これまで取り組んできた風評被害の取組で、最も効果的だったなというふうに思われる取組、あるいは必ずしも効果的ではなかったなと思われる取組、それぞれ挙げていただければと思います。
○田中国務大臣 風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略というのが、私たちは一番、情報発信にとりまして重要でございまして、福島県産の主要な農産物について全国平均との価格差が徐々に縮小、輸入規制について、五十四カ国・地域のうち三十四カ国・地域が撤廃をし、十八カ国・地域が緩和等の成果を示してきておるところでございます。さらに、昨年十一月、私から関係府省庁に対し、国内外に向けた取組の強化を指示をいたしました。 引き続き、関係省庁と連携して、官民挙げて風評の払拭に全力で取り組んでまいりたいと思っております。 外国に対しても、私自身がトップセールスも含めて頑張ってまいりたいと思っております。
○玄葉委員 これは、私、通告していたつもりなんですけれども、要は、風評被害、この間やってきて、例えば、さっきもお話ししていましたけれども、テレビとかインターネットとかSNSとか、いろいろ取り組んできたと思うんですけれども、一番費用対効果が高かったとか、一番効果があったなとかということについて、説明をできればしてもらいたいと思っているんですけれども。
○田中国務大臣 たくさんあると思いますが、国内的には、流通の業者の方々と、十分理解をし、価格の設定をしていただくということが一番です。海外に対しては、やはりメディアを通じての対応だと思っております。
○玄葉委員 ぜひ、これから、例えばALPS処理水の処分の問題でも、仮に、どこに放出するにしても、場合によっては大阪湾かもしれません、それはわかりませんけれども、どこに放出するにしても、また風評被害との戦いになるので、風評被害についてのこれまでの費用対効果等々もよくまとめておいていただければなというふうに思っております。 あともう一つ、これは通告していないんですけれども、答えられたらということでもいいんですが、ことしの夏までに福島のイノベーション・コースト構想の中の国際教育研究拠点の構築の構想をまとめる、こういうふうになっているわけであります。地元の皆様は大変期待をしているわけでありますけれども、これは国立の研究施設というふうに考えていいのかということと、研究教育施設と言っていますので、大学若しくは大学院を併設するというふうに考えていいのか。後ろから紙が入ったようなので説明できると思いますので、説明いただけますか。
○田中国務大臣 十二日に、三月の、第九回福島浜通り地域の国際教育拠点に関する有識者会議が開催され、個別論点整理として組織形態が議論をされております。その中で、座長私案として国際教育研究拠点の基本コンセプト案が提出され、「国立研究開発法人を新設することが望ましい。」と提示をされておるところでございますので、そういう中で、今、最終的な議論がございます。今、委員からもお話があったようなことも含めて、いろいろとありますけれども、最終的に取りまとめが進んでいく、私の方もお約束のことを果たしていかなければならない、この思いでございます。
○玄葉委員 最後に、大臣としてどういうふうにお考えになっておられるか。現時点でのお考えでいいんですけれども、国立で研究施設をつくっていく、あるいは学生も何らかの形でそこに来てもらうようにする、そういうふうに考えてよいのかどうかということについて、大臣としてお考えがあればお答えいただけますか。現時点のお考えで結構です。
○伊藤委員長 申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔な答弁をお願いします。
○田中国務大臣 では、一言。 地元福島の発展に寄与できること、世界に誇れるものにしなければならないことだと思っております。
○玄葉委員 どうもありがとうございます。