内閣委員会で質問に立ちました。(令和3年4月2日 議事録)
○玄葉委員
玄葉光一郎です。
西村大臣、連日お疲れさまでございます。大変だと思います。御同情申し上げたいと思います。
試行錯誤されておられるということはよく理解をしております。ただ、今回の三府県への蔓延防止措置の適用等、我々見ていると、残念ながら、ちぐはぐ感というか、そういうものは否めないのではないかというふうに思っています。今日、私が西村大臣に申し上げたいことはただ一つだけでありまして、タイミングということです。タイミングということを今日は申し上げたいと思います。
まず、大阪とか兵庫、今回、蔓延防止措置の適用になったわけでありますけれども、そもそも緊急事態宣言の解除が早過ぎたのではないか、こういう指摘がありますけれども、その点については西村大臣はいかがお考えですか。
○西村国務大臣
まず、緊急事態宣言の解除についての御質問でございます。
緊急事態宣言をいつ発出するか、あるいは解除するかについては、専門家の皆さんから既に基準というもの、六つの指標をいただいておりまして、それを総合的に見ながら判断をしていくということになっております。
そうした中で、大阪、兵庫につきましても、大阪も兵庫も新規感染者の数でいえば二桁に落ちていたものと思いますし、基準を満たして、ステージ3からむしろ2に行くぐらいの、専門家の皆さんが言われているステージ3、そしてステージ2に向かっていくという、この基準を満たしていたものと思います。そうした中で、それぞれの知事と状況について何度も確認をし、共有をし、そして専門家の皆さんの御意見を聞いて判断をしたところであります。当時の諮問委員会でも、専門家の皆さんからこのことについて何か反対があったわけではなく、賛同いただいて解除させていただいたということであります。
ただ、当然、この春の時期、去年も拡大したわけでありますから、リバウンドをしっかり防ぐようにということでの対応を引き続き取るようにということで、それぞれの県においても、二十一時までの時短であるとか、飲食店に対する呼びかけであるとか、引き続きこうした対策を取ってきたところであります。
御質問の点につきましては、専門家の皆さんの御意見を聞いて、政府として判断をしてきたということでございます。
○玄葉委員
関西三府県はそうかもしれませんけれども、東京などは、残念ながらリバウンドの兆候が見られているときに解除しているように私には見えます。もし、関西三府県、心配ならば、以前ここでも議論させていただきましたけれども、蔓延防止措置を宣言を解除するときに適用するという方法もあったのではないかと思いますけれども、その点はいかがですか。
○西村国務大臣
当時の状況を見れば、例えば大阪府における、やはり常に感染の半分ぐらい、あるいはそれ以上を占める大阪市内、中心部ですね、兵庫県でいえば神戸市、こういったところでの感染を見ても、かなりの程度落ち着いてきていたわけでありますし、病床もしっかり確保できていた、そうした状況でありますので、解除する時点で直ちに蔓延防止を使うということでは判断はしなかったわけでありまして、この点も含めて専門家とも議論をし、そのような形にさせていただいたところであります。
○玄葉委員
私が見ていると、かなり総論的に申し上げると、どうも全般的に、解除するのには早過ぎて、例えば今回の蔓延防止措置も適用するのにはトゥーレートというか遅過ぎるのではないかという、このタイミングの問題というのを今日は特に問題にしたいなと思ったわけです。
というのも、ここで特措法の改正を、内閣委員会で議論したわけです。私、西村大臣にいつも申し上げてきたのは、是非、基本的な戦略と方針というものを分かりやすく説明してほしいとこの間言ってきたわけです。その方針を決めるときに極めて大事になると私がずっとこの間言い続けてきたのは、やはり初期消火じゃないか。ピンポイント封鎖のようなものをするために、とにかくぼやをぼやのうちに消す、止めるということがやはり一番大事なんじゃないかなと私は思うんですね。
今回、大阪にしても兵庫にしても宮城にしてもそうなのですが、本来、私が僭越ながら担当大臣であれば、二週間前にこの判断をしたのではないかと思うし、すべきだったのではないかというふうに思うんです。それが初期消火なのではないかなと思いますけれども、いかがでしょうか。
○西村国務大臣
大阪について言えば、昨日が六百を超えまして、おとといが五百九十九、その前が四百三十二ということで、四百、五百、六百と、このレベルに今なってきております。二週間前が、今から二週間前ですから三月の二十日頃で言えば、百人から百五十人ぐらいのレベルでありました。大阪の場合、いわゆるステージ4、緊急事態宣言が必要となるレベルが三百のレベルですので、この数日間で、この一週間、五日間ぐらいで三百に達して、そこからスピードが上がってきている感じであります。
そうしたところからすると、二桁で落ち着いていたところが百人台になってきたというのが二週間前の状況で、病床もしっかり確保できておりましたし、これは知事とも連日のように、私、意見交換をし、状況を確認しておりますが、当然、解除した後のこの春の時期で、八時までの時短が九時までとなり、そして、どうしても行事の多い時期になってきていますので、若い人たちが飲食を重ねて、そして若い人たちの感染が増えてきたということの状況を確認しておりましたけれども、変異株のウェートがぐっと高まってきたことを、この何日間、大阪も確認をしながら、この感染力が強い、スピードが速いということも専門家の皆さんからも指摘をいただき、そして、正式に要請をいただいたのがおとといで、昨日判断をさせていただいたということであります。
○玄葉委員
この内閣委員会に参考人質疑で舘田さんという方がいらっしゃって、ここでおっしゃったのは、リバウンドを阻止しなければならない、だから何をすべきかといったら、急所はたたき続けるということであるとか、変異ウイルス対策とかいろいろ言われたんですけれども、そのときにおっしゃったのは、例えば東京ならば新規感染者を一日に百人以下に抑えておく必要があるということをこの場でおっしゃっていて、多分、大阪ならばそれは七、八十人とかのレベルだと思うんですね。
この場での議論でも西村大臣がおっしゃったと思うんですけれども、私はここに認識の違いが少なくともあるんだなと思ったんですが、私は、やはりステージ2でも必要ならば打つべきだと思うんです。打つというのは、蔓延防止措置を適用すべきだと思うんです。つまり、先手先手でやはり早め早めに適用するというのが私はこの蔓延防止措置の最大のポイントなんじゃないかなと思っているんですよ。心底そう思っていて、遅れちゃったら、ほとんど特措法を改正した意味がなくなっちゃったんじゃないかという心配をしています。そういう意味で、やはりちょっと遅いと思います。いかがでしょう。
○西村国務大臣
まず、舘田先生とも私も何度も議論をさせていただいていますけれども、確かに、感染者の数、新規陽性者の数は少ない方がいい。我々も、できれば百人レベルにしたい、五十人にしたい、ゼロにしたいと思いますけれども、これはなかなかそうはできない難しいウイルスであります。
解除したときも、東京は三百人を切る、一週間でいうと二百七、八十人だったんじゃないかと思いますけれども、三百人を切るレベルで、いわゆるステージ2のレベルで、3から2に落ちていくレベルであります。これは、舘田先生始め、私、諮問委員会でも申し上げましたけれども、そのレベルで抑えていくことが大事で、もちろん、それより少なくしたいけれども、そこから増やさないことが大事だ。増えてきたとき、これも何度も申し上げていますけれども、何度も増えます、何度も大小はともかくリバウンドは起こりますので、そのたびにそこでたたいて、これは舘田先生と一緒ですけれども、大きな流行にしないということであります。
御指摘のように、蔓延防止等重点措置は緊急事態宣言よりもより機動的に使える、使わなきゃいけないというところは全く同感でありますので、今回、私どもも、知事とも話をしながら、どのタイミングでどう発動するのか。御指摘のように、基本はステージ3から4に行かないようにするためにそこでたたくということですけれども、おっしゃるように、ある地域でステージ2の段階から急激に増えてきたらそこはたたくということですので、基本的な方針は、全く思いは一緒でありますけれども、知事とも共有しながら、また専門家の意見を聞きながら対応してきたということであります。
○玄葉委員
いろいろ議論してきて政府の考え方も分かってきたのは、結局、これはもうゼロにはできないので、何度でも起きる、ただ、波を小さくするんだということだと思うんです。その考え方に立ったとしても、私も、それは基本、何度でもある程度は起きるんだと思うんです。ただ、要は、その波をできる限り小さくするためには、やはり先手先手で早く打つ、早く蔓延防止措置を打つ。そのために私は特措法改正に賛成したのであって、どうもやはりこの三府県は、私の認識としては遅過ぎたという、私の認識です。
是非お願いしたいのは、これから蔓延防止措置を使うと思うんです。やはりここはタイミングが遅過ぎないように早め早めに打っていくということで、是非西村大臣に御提案申し上げたいと思いますけれども、いかがでしょう。
○西村国務大臣
ええ、全く私もその思いでおりますので、特に専門家の皆さんからも、首都圏とか沖縄とかでこうした状況、感染が拡大してきている中で、首都圏の場合はまだ横ばいから微増、東京はちょっと増加傾向にありますけれども、三県は前週比でも一・〇幾つですので、横ばいで今、皆さん頑張っておられる、二十一時までの時短を徹底してやっておられる、こういうことだと思いますけれども、四月に入って、異動の時期、歓送迎会も含めていろいろある時期でありますので、この時期、国民の皆さんにもしっかりと訴えをしながら、状況をよく見極め、そして、その状況に応じて機動的に、蔓延防止等重点措置の活用も含めて必要な対策を講じていきたいと考えております。
○玄葉委員
それで、今回、飲食店等への支援を規模別にしていただくということで、私はそれはよい方向に向かっているというふうに思います、正直、ちょっと遅過ぎるとは思うんですけれども。ただ、よい方向に、いろいろな議論を踏まえて今御努力いただいているんだなというふうに認識をいたします。
確認ですけれども、そうすると、これは飲食店への支援がまずあって、これを規模別に今考えていて、制度設計をどう考えているのかということと、取引業者への支援も、何か報道によるとですけれども、売上げが去年の同月あるいは前々年の同月と比べて五〇%を下回るようなときは一時金を差し上げるというようなことのようでありますけれども、これは、蔓延防止等重点措置が適用になった地域との取引によって生まれた減少を証明する必要があるのか、それとも、蔓延防止等重点措置を取っていなくても例えば九時までの時短なんかが行われているわけで、そういうことの影響を受けているお店も含めて対象にするということなのか、確認をしたいと思います。
○西村国務大臣
まず、時短営業に応じていただける飲食店への協力金につきましては、御指摘のように、これまでの国会での御議論、附帯決議もいただきました、こうしたものも踏まえまして制度設計をいたしております。
中小企業の場合、日額、最も規模が小さいところも四万円の支援としながら、そこから一定以上超えてきたときに売上げに応じて増加していく。上限を十万円といたしておりますので、月額換算で三百万円の支援。大きな企業の場合は、今のは売上高に応じてなんです。そして、大企業の場合は、売上げ減少額に応じて最大六百万円、月額換算で六百万円までの支援、一日二十万円で月額換算で最大六百万円までの支援を行うことといたしております。これによって、規模に応じて、また影響に応じて支援ができると思いますので、これまで以上に是非時短営業に応じていただければと考えております。
そして、このタイミングも、私ども、できるだけ早くやりたかったんですが、緊急事態宣言のさなかであるとか途中で変更すると都道府県が混乱をするので事務的に難しいという話をいただいていましたので、蔓延防止等重点措置を導入するこの機会からスタートをさせたということであります。御理解をいただければというふうに思います。(玄葉委員「取引業者」と呼ぶ)ええ。
その上で、一時支援金を、これまで六十万円、三十万円の支援を行ってきた、緊急事態宣言の影響を受けた。これを踏まえながら、今度、蔓延防止等重点措置によって影響を受けるそうした事業者に対して、今、月額最大二十万円、個人事業主十万円の支援を行うということで、昨日方針を発表いたしました。詳細について、経済産業省で今詰めているところでありますけれども、一時支援金のような取組も既に受付が始まっておりますので、これを踏まえながら制度設計していくということになります。
○玄葉委員
念のためというか、結局、先ほど申し上げましたけれども、例えば三府県で蔓延防止等重点措置が行われて、九時が八時までになったり、十時が八時までになったりするわけですよね、時短が。現実には、もういろいろなところで時短が行われていて九時になったりして、事実上、飲食店と取引しているところは、もう既に影響が出ているわけです。ですから、そこはもうそんなに厳格に考えずに、半分売上げが減ったということは間違いなく影響が出ているということなので、そこも対象に含めるべきだと思います。
その点だけ、もう一言。
○西村国務大臣
蔓延防止等重点措置で八時までの時短になりますので、その時短営業によって影響を受ける事業者を対象に二十万円、十万円。そして、それ以前の一時支援金、ちょっと名称をこれはどうするか、まだ確定していないんですけれども、緊急事態宣言で影響を受けた事業者に対して六十万円、三十万円の支援がございます。これも受けられますし、今回、蔓延防止措置で更に影響が出た場合にはもちろん両方受けられるわけですしという制度設計になるんですけれども、いずれにしても、この蔓延防止等重点措置によって、八時までの時短営業の要請によって納入業者の皆さんなど影響を受ける事業者、この方々に二十万円、十万円の支援を行っていくということであります。
○玄葉委員
今日はもうこのことは申し上げないですけれども、もう少し工夫が必要なのかなという感じが私はしました。あと、厚労副大臣においでいただいていますけれども、今回、大阪と兵庫がかなり変異ウイルスの割合が高いということのようでありまして、このことが非常に懸念されているわけであります。
厚労副大臣、この変異ウイルス、変異株について、タイプによって違うと思うんですけれども、感染力とかワクチンに対する効果であるとか、ワクチンが効くのかどうかとかですね、今いろいろな情報が錯綜していて、日本政府として分かっていることを整理してお話ししてほしいと事前に通告申し上げておりますので、現時点で政府としてきちっと言えることについておっしゃっていただけますか。
○山本副大臣
変異株の実態ということでございますけれども、一般的に、ウイルスは感染を繰り返す中で一定の割合で変異し続けるものでございますので、新型コロナウイルスに関しましても様々な変異が確認されている中で、今、英国、南アフリカ、ブラジルから報告されている一部の変異株につきましては、従来より感染しやすい可能性がある、これが指摘されている状況でございます。また、英国や南アフリカのものにつきましても、重症化しやすい可能性、これも示唆されている状況でございます。
また、ワクチンの効果等に関しましてのお話がございましたけれども、免疫又はワクチンの効果を低下させる可能性がある変異につきましても報告されておりますけれども、新型コロナワクチンの有効性につきましては、承認審査において変異株に対する有効性も考慮されておるわけでございます。先日特例承認を行ったファイザー社のワクチンということで、これは薬事・食品衛生審議会におきまして、種々の変異株に対しましては一定の有効性は期待できる、こうされておる次第でございます。
また、様々な変異株に対する有効性につきましては、製造、販売後も引き続き情報収集していくということでございますので、必要に応じて情報提供するということで、しっかりと対応していきたいと思う次第でございます。
○玄葉委員
この変異株の拡大が、一番収束シナリオにいろいろな意味で変数になっているように思いますので、西村大臣、この変異株は当然注意深く御覧になっていると思いますけれども、やはり変異株が拡大したときの最悪のシナリオというものまで想定をして是非危機管理をしていただきたいと思いますし、冒頭申し上げたように、やはりタイミング、宣言を出すなら宣言を出すそのタイミングを誤らないようにするということがすごく大事なのではないかということを今日は申し上げたいというふうに思います。
それで、原子力発電所の安全対策に移りたいと思います。
今日は原子力規制委員長においでをいただいています。
福島第一原発の事故から十年なんですけれども、あの事故で問われたことというのはいろいろあるわけでありますが、私は、そのうちの極めて重要なポイントの一つは規制当局の姿勢と実力なのではないかというふうに思っています。というのも、委員長はもう十二分に御承知のとおり、例えば、ナイン・イレブンの後、アメリカの原子力の規制当局が、かなり、今思えば大変よいアドバイスを日本の規制当局にしたと言われていますけれども、残念ながら、日本ではそれは起きないということで採用されなかった。いろいろな評価はありますけれども、あのときにそれを採用していたら、福島の原発事故は起きずに冷却は継続できたのではないかという評価もあるわけであります。
いずれにしても、国会の事故調が規制のとりこという言葉で表現されたように、私は規制当局がかなりの程度問われたのではないかというふうに思っています。
この点の評価もそうなんですけれども、私、今回、柏崎刈羽のテロ対策が不備があるということで、東京電力の姿勢が大変厳しく問われていて、報道も大変取り上げているのでありますけれども、それはそのとおりだと思うんですが、私は、報道はほとんど取り上げませんが、むしろ心配になったのは規制当局なんです。一年間、何で柏崎刈羽のこのテロ対策の不備が放置されたのか、なぜ分からなかったのか、私はそっちが心配になりました。規制当局の実力の問題というのはメディアはほとんど取り上げない、東電の体質だ、体質だとばかり取り上げるんですけれども、別に私、東電をかばっているわけではなくて、やはり規制当局がなぜ見つけられなかったのかということもきちっと問われるべきではないかというふうに思っておりますが、委員長、いかがお考えですか。
○更田政府特別補佐人
お答えをいたします。
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、規制の改善の一つとして、これは国会でお認めいただいた上で、規制制度というものを改めました。この間の議論において、事業者の行っている、あるいは持っている機器の一つ一つを、全数を見に行って、故障していないかとか、あるいは運用の一つ一つの細部を規制当局がチェックリストを持っていってチェックをするのは、現実的でもないし、有効なやり方でもないだろう。むしろ、米国の制度に倣って、一つ一つの機器の機能を維持すること、あるいはきちんと行うことの一義的な責任は事業者のものであるということを明確にした上で、規制当局はシステムであるとか仕組みをきちんと見るべきであろう。
ですから、今回の事象についても、機能の、機器の一つ一つに関して、私たちは定期的にであるとか高い頻度で見に行っているわけではありませんので、そういった意味で、故障は起きてしまいますけれども、起きた後見つけるまでの一定の期間はたちますけれども、それより、今回の場合は、一つや二つではなくて非常に多数のものを、まあ放置とまで言うのはこれからの検査次第ですけれども、長い間修理をされなかった、それはやはり姿勢の方の問題が極めて大きいと考えています。
そういった意味で、今、私たちの検査制度は、一つの機器が故障したら、それをすぐに見つけに行くという狙いを持っておりません。むしろ、全体の管理体制であるとかシステムが正しく機能しているかというのを押さえるように検査制度は設計をされております。
○玄葉委員
そうすると、更田さん、一つ一つの機器の故障を見つけろということを別に申し上げているわけではなくて、結果として一年間放置されたり、あるいは不正にIDカードを使って侵入したりということに対して、事実上、かなりの間分からないという状況に規制庁が置かれたことをどういうふうに評価すべきなのかということではないかと思うんです。そういう管理システムを含めて、結果としてかなりの期間放置された、そうすると、そういう管理あるいはシステムをチェックする規制当局のいわば在り方として何も改善する必要はないのか、このことを問うているわけです。
○更田政府特別補佐人
反省すべき点は一つに限らずあると思っています。これは必ずしも東京電力や事業者の問題だけはなくて、規制当局にも、今回のことからいろいろ学びたいと思っています。
一つは、核物質防護、テロ対策というのは情報を狭い範囲にとどめておかなきゃならないという意識が強過ぎて、例えば、テロ対策に対する専門知識を持たない、専門資格を持たない検査官はテロ対策のチェックに使えないと思い込んでいたところがある。ただ、テロ対策の専門知識や資格を持っていない検査官でも、見に行くと常識で分かるものというのがあるんですね。
ですので、今後です、今後は、常駐している検査官を安全対策だけではなくてテロ対策にも活用できるように、これは改善を進めてまいりたいというふうに考えております。
○玄葉委員
私もそれはいいと思うんですね。つまり、常駐しているはずなんですよね、規制庁の職員は。私も聞いたらば、何かテロ対策は半年に一回ぐらい見に行くだけだと言うんですよね。本当にそれでいいのかなと私は思いました。だから、やはり規制庁も、すごく規制庁は大事なんですよ、これから。福島原発の廃炉をチェックするのもそうだし、とにかく、規制当局が厳しい姿勢で臨んでいるということが原子力安全にとっては極めて大事なので、是非お願いをしたいと思うんです。
経産副大臣にもおいでいただいていますので、最後に聞いて終わりたいと思いますけれども、福島第一原発のテロ対策。テロ対策というのは、実際は防衛省とか海保とか警察とか全部絡む話なので大変な話なのですが、すごく気になります、特に廃炉現場のテロ対策というのは。
あと、経年劣化。十年たっていて、最近実は水位が低下しているのは、やはり経年劣化というか、この間の地震で損傷したんですけれども、経年劣化による損傷拡大なんだと多分思うんですよね。これは私、専門家じゃありませんから、正確なところは分かりませんけれども、何か経年劣化対策が足りないんじゃないかというふうに思っていて、そういうのも最終的には規制当局にもきちっとチェックしてもらいたいんですけれども、経産副大臣、しっかりそこはお願いをしたいと思いますが、いかがですか。
○木原委員長
経済産業省副大臣長坂康正君、時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
○長坂副大臣
はい。お答え申し上げます。福島第一原発の経年劣化対策において重要となる地震や津波への備えに関しまして、経済産業省は、中長期ロードマップに基づきまして、東京電力に対し、常に最新の知見を踏まえて対処していくことを求めております。
これを踏まえまして、これまでに、1といたしましては、新規制基準で想定する地震に対する各建屋の構造健全性の確認、2といたしまして、一、二号機の排気筒などの耐震性に懸念のある構造物の解体、3といたしまして、防潮堤の設置などの対策が進められており、その進捗について、毎月、東京電力から報告を受けております。こうした対策によりまして、二月の地震においても外部への影響などは生じておらず、一定の成果は出ているものと承知をいたしております。
さらに、東京電力は、改めて原子炉建屋の長期健全性評価を実施することを表明しておりまして、これらの対策が着実に実施されるように指導してまいります。
○玄葉委員
もう時間がないので終わります。規制当局、私は基本的に厳しい姿勢で臨んでもらっているとは思っているんですが、是非もっと頑張っていただきたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございます。