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Information / 国会議事録一覧

内閣委員会で質問に立ちました。(令和3年6月2日 議事録)

○玄葉委員 

玄葉光一郎です。

本日は、三十分間の時間で、一つは新型コロナの対策、もう一つは、特に中国のワクチン外交の問題、さらには安定的な皇位の継承の話をしたいと思いますので、少し駆け足になるかもしれませんが、可能な限り端的な御答弁をお願いできればというふうに思っています。

まずは、COVID―19でありますけれども、緊急事態宣言あるいは蔓延防止等重点措置が今年になってほとんど継続的に続いている状態でございます。その対策は、これまでの経験を踏まえてということで、去年よりは限定的あるいは集中的なものになっているように思います。

そこでフォーカスされているのが、いわゆる飲食とか人流に関するものだというふうに私は認識をしています。飲食とか人流、人の流れですね、人流にフォーカスされているがゆえに、当然そのしわ寄せはそれらの関係に行くわけです。残念ながら、私の認識としては、それらの関係に対する対策がどうも十分とは言えないんじゃないかというのが私の問題意識であります。

それで、特に飲食とか、あるいはその飲食の後ろにある酒類の業界、あるいは旅客、バスだとか、宴会場だとか、大変な状況に今陥っているというふうに思います。もう無理だという悲鳴も聞こえてきているわけでありますけれども、対策に移る前に、西村大臣、ちょっと教えていただきたいんですけれども、例えば、時短じゃなくて、もう今は例えばお酒の提供まで、これはお酒の話でいうと、禁止されているわけですね。

ある方はこう言いました。どんなにしっかり感染対策をしていても一律に提供しちゃいけないというのは本当にどうなんだと。例えば、極端な話ですけれども、あえて分かりやすく言うために、一人でバーで飲んでいて駄目で、五、六人で喫茶店に行ってお茶を飲んでケーキを食べておしゃべりしているのはいい、これはどういうことなんだと。家族みんなでいつもいるのに、家族みんなで食事に行ってお酒を飲んじゃ駄目だ、一体どうなんだと。

つまり、何が言いたいかというと、まず、対策を取る前に、感染対策として、いわゆる補償だとか協力金だとかの対策を取る前に、感染対策として、例えば山梨県なんかは認証制度なんかをつくっていますけれども、もっときめ細かな、実は対策というのは可能なんじゃないかと。本来は、特にこれから更に続くようであれば、そういうことを工夫していかないと、提供も駄目だということになると、時短のときは大体、私が話を聞くに、去年の七割減、八割減だったんですけれども、提供も駄目だというと半分以下になっていますね、ほとんどの会社が、いわゆる酒類業界、これは例えばの話で酒類業界ですけれども。これはどう説明されますか。

○西村国務大臣 

私どもとして、御指摘の点、できるだけ細かく、記者会見、あるいは専門家の皆さんから説明、あるいは都道府県からも説明していただいているんですけれども、バーで一人で飲むのは確かにリスクは低いんですが、実は、バーで一人で飲んでいる人が何人か横にいて、それで隣同士で話をして感染している、クラスターになっているケースもあります。

それから、お酒は飲まないにしても、飲食は四人以下にしてほしいということを申し上げていまして、五人以上は非常にリスクが高まると。しかも、御指摘のように、いつもいるメンバーの方がリスクは低くなりますので、全く別の人と突然会うと、久しぶりに会うと、これはお互いにリスクが高いということですし、複数人数のときもできれば斜めに座る方がリスクが低いとか、様々申し上げているんですが。

なかなか、これをルール化して、こういう場合はいい、こういう場合はどうかというのはなかなか難しいところで、一つの考え方としては、人数制限をするというのは一つの考え方として、海外でもそういったやり方もありますので、五〇%までとか七五%とかありますけれども。

いずれにしても、この変異株によって、認証を得て、こういうアクリル板とか、換気をよくしている店でも、あるいはオフィスでも、ちゃんとマスクをして静かにしていても感染が広がっている例が最近出始めていますので、今改めてスーパーコンピューターも使って、特にインドで見つかった変異株、新たな言い方をしていますけれども、それの場合にどうかということも含めて少し分析をしながら、更にこの対策は進化をさせていきたいと思いますし、きちっとやってリスクが低いところはできれば何か別のやり方があるのかなということで、不断の進化をさせていきたいというふうに考えております。

○玄葉委員 

これは本当に進化させていかないと、もう無理だという業界が相当出てくると思います。

それは、ある程度感染対策を厳しくせざるを得ないのは私もよく分かるんです。もしそうだとすると、やはり補償というか協力金は一定程度しっかりと出していくということじゃないといけないというふうに思います。

今、私ももちろん存じ上げておりますけれども、個人だと月十万、法人だと二十万ですよね。例えば、お酒の卸なんという会社が、それはもう去年だけで赤字が四億、五億なんて出ている会社もあるんですけれども、月二十万なんというのは本当にスズメの涙なんですね。

ですから、飲食店は一定程度対策を取ったわけです、規模別に。これは私、前から申し上げていたつもりだったんですけれども、なかなかやっていただけないのは、その背後にある取引業者だとか、これは酒類業界だけじゃないんですけれども、そういうところに対してもやはり規模別に、あるいは増額しながらしっかり対策を取る。あるいは、もっと簡単なのは、もう一回、持続化給付金を再給付する。そういった何らかの手だてを講じないと、本当にいよいよ駄目になるところが相当出てくるんじゃないかと思って懸念していますが、いかがですか。

○西村国務大臣 

御指摘のように、飲食店や百貨店など、要請に応じて協力金が行く業態と、そうした業態によって取引先が影響を受けるということがございますので、そういった、特に中小企業の皆さん方には、御指摘のように、月次で、月単位で法人二十万円、個人十万円、これは一月―三月で六十万円、三十万円、もう支給が始まって、かなり給付していると思いますけれども、四月、五月、六月となれば、五〇%以上落ちていれば六十万、三十万ということになりますので、合わせれば実態上は百二十万、六十万ということで、去年の持続化給付金に近い形になってきております。

そして、特に、御指摘の酒類業界、酒類の卸の皆さんとか、大変厳しい状況にあるということで、この二十万、十万を、都道府県がその倍まで上乗せをする、あるいは五〇%減でなくとも三〇%減でも対象とするという場合に、国が、その負担金の、その分の支援金のうちの八割を負担をするということで仕組みをつくっておりまして、今、国税庁から、全ての都道府県に対して、この仕組みを取るように働きかけを行っております。

もう既に多くの県でこうした取組が進んできているところでありますけれども、いずれにしても、全ての県でこうした取組が進むように更に私どもとして対応していきたいと考えております。

宿泊施設は、一千億円の支援で、これまで過去に使った分も含めて感染防止策のその費用を見ることにしておりますので、最大五百万円であります。県によっては上乗せしてプラス二百五十万円とか、かなり宿泊施設は規模が大きくなりますので、そういった規模に対応した支援も行うこととしておりますし、旅客業者に対しても三百五億の予算を用意をして、様々な活性化につながる予算、もう半分程度交付を行っております。

いずれにしても、こうした支援とともに、共通の支援である雇用調整助成金、あるいは、長いローン、劣後ローンであるとか、こういったものも十二兆円分確保しておりますので、既に熊本のタクシーの事業者、バスの事業者などにも交付をしておりますけれども、こういったことを含めて支援には万全を期していきたいというふうに考えております。

○玄葉委員 

一言で言うと、協力金の額がやはり足りないと思いますね、私は。もちろん、小さなところにはそれでいいんですけれども、一定の規模のところには、一定程度、やはり規模に応じて、もうちょっときちっと出していくということが必要だし、飲食店なんかにも、給付金、一月のもまだ出ていないという報道がしばしばなされますから、やはり国からしっかりとそういったことも促していくということをお願いをしたいと思います。

もう一つだけ。

困窮世帯に三十万、最大で出すということなんですけれども、要件が厳し過ぎるんじゃないかと。月収と預貯金の額だけでいいんじゃないですか。特例の貸付けを二百万まで借りていなきゃ駄目だなんというのは、私はそこは余計なんじゃないかなと思いますけれども、いかがですか。

○西村国務大臣 

まさに厳しい状況に置かれている世帯、方々には、国として責任を持って支援をしていかなきゃいけないというふうに考えております。

御指摘の、新たに、困窮されている方々への自立支援金、最大三十万円ということでありますけれども、要件として、御指摘のように、特例貸付け、緊急小口などの特例貸付けの借入れが限度に達している世帯、それから、その貸付けが不承認とされた世帯、つまり、もう借りても例えば返す見込みがなかなか立たないような方々、そういった方々を対象にしようということで、一定のそうした要件を満たす困窮世帯に対して支援を行っていくということで、この具体的な制度設計について、厚労省において、近く発表すべく、今、詰めを行っておりますので、その中で、できるだけ、厳しい世帯にしっかりと対応できるように厚労省において考えていただきたいと思いますし、私の立場からもそうしたことをお伝えしたいと思います。

○玄葉委員 

借金の要件は、もう外すのが一番いいんじゃないかなと思いますよ。だって、預貯金は百万以下だ、月収の要件もあるんです。もうそれだけでいいと思うんですよ。二百万まで、限度額いっぱいまで借りないと差し上げないというのは、どうかな。二百万まで借りないと駄目だと言っているわけですから、借金を促進しているわけですけれども、やはり借金は借金なのでね、非課税世帯だけは返済不要とは言ってみたものの。私は、そこは西村大臣がしっかり厚労大臣と話をしてもらいたいと思います。

次に行きます。

中国のワクチン外交ですけれども、これは外務省なのか、まあ外務省なのでしょうね、中国の第三国へのワクチン提供の実態はどうなっていますか。

○國場大臣政務官 

中国は、新型コロナのワクチンを自国で開発、生産し、東南アジア、アフリカ、中南米等の途上国に援助や輸出などを通じ供与を行っていると承知しております。

実際にどの国にどの程度供与しているかなどについては、公開情報や現地情報などを通じ把握に努めているところであります。

ワクチンの提供に当たっては、透明性を持った情報共有、安全で有効なワクチンへの公平なアクセスの重要性が途上国を含め多くの国々から指摘されており、各国が国際社会全体のために前向きに貢献していくことが重要であると考えております。

○玄葉委員 

大体どのくらいの国々に、報道ベースでも結構ですけれども、提供されているというふうに認識されていますか。

○國場大臣政務官 

何か国に対して、また、どの国にどの程度供与されているかについては、公表されている情報、現地からの情報で把握に努めているところでありますが、五月の六日、習近平主席は、八十か国余りの途上国へのワクチン援助のほか、五十か国余りへのワクチン輸出を行っていることを発表していると承知しております。

○玄葉委員 

八十か国ということであります。私が今一番懸念しているのは、人間の安全保障、人道上の問題あるいは地球規模での収束の問題、鎖の強度は最弱の部分が強度だと、一番弱い部分が鎖全体の強度だという言葉がここでもありましたけれども、そういう、地球全体の収束の問題と同時に、このままいくと、私は、官房長官に改めて認識を問いたいんですけれども、本当に困ったときに手を差し伸べてくれたのは中国だったなというふうに、後々、途上国、ワクチン提供を受けた国々は考える可能性が非常に高いのではないかという懸念を持っていますけれども、そういう危機感を官房長官はお持ちでしょうか。

○加藤国務大臣 

幅広く、委員御指摘の安全保障的な観点からどう考えるのかということ、これはもちろんあると思いますが、ただ、本件は、ワクチンの提供ということで、一人一人のまさに命に関わる話であります。

これに関しては、透明性を持った情報共有、安全で有効なワクチンへの公平なアクセスの重要性、これが途上国を含め多くの国々から指摘をされており、各国が国際社会全体のために前向きに貢献していくことが必要であり、我が国としても、COVAXファシリティー等、そういったことに対する支援を行うことで、今申し上げた公平なアクセスがそれぞれの国において図られていく、そして、世界全体においてこのコロナの収束を図っていく、こういったことに向けて努力をしっかりしていきたいと考えております。

○玄葉委員 

私が聞いたのは、中国が、もちろん提供すること自体悪いとかいうことを言っているわけではないのですけれども、このままいってしまうと、結果的に、本当に困ったときは中国が助けてくれたねということになっちゃうんじゃないかという、そういう危機感は持っていますかと聞いています。

○加藤国務大臣 

世界の国々がそれぞれ困っているときにおいて、それぞれの国々が、あるいは世界を挙げて、それに対して対応していくということが大事だというふうに認識をしているところであります。

中国が中国としていろいろやり、こうしたワクチンをまさに人道的な観点からお進めになる、それはいろいろな立場があるんだろうというふうに思いますが、我が国としては、先ほど申し上げたようなワクチンの提供に対する考え方を含めて、広く世界全体でまさに公平なアクセスが図られていく、そして、総じて世界全体としてのワクチンの接種率が上がり、感染の抑止、防止に努めていく、こういう流れに向けてしっかり貢献をしていきたいと考えています。

○玄葉委員 

日本は、もちろん、力によるルールというのは現実ありますけれども、いわゆる力による秩序というか、ルールによって秩序をつくるということに尽力を特にしなきゃいけない国だと思うんですね。

そのルールをつくるのは、基本的には国際場裏ですよ。国連だったら今、百九十三か国の加盟国がありますけれども、国際場裏でいろいろルールをつくるときに、やはり年々、中国の力が強まっていると思います、私は。今回だって、かなり戦略的に提供先を決めていますよ、率直に申し上げて。

やはりここは、去年というか、私はかなり早い段階から、予算委員会でもこの問題を提起していたんですけれども、やはり、後々、途上国の皆さんが振り返ったときに、中国も手を差し伸べたかもしれないけれども、日本とかドイツとか欧州とか、きちっと手を差し伸べてくれたよなというふうに思えるようにしておかないと、国際場裏で私たちが考えるようなルールになっていかない可能性が非常にあるなと思って、私はすごく心配をしています。

おっしゃるように、その一つの仕組みがCOVAXなわけですね。COVAXについて、もっと日本としては、私は予算委員会でも取り上げたんですけれども、存在感を示していただきたいというふうに思っていますし、もっときちっとコミットしてもらいたい、全体をリードするくらいの気持ちでコミットしてもらいたい。このことは、あえて官房長官とか総理にお伝えしたいなと思って取り上げました。いかがですか。

○加藤国務大臣 

我が国は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジという考え方を掲げ、様々な取組を世界で進めているところでありますし、また、現在の感染状況を踏まえれば、先ほど申し上げましたように、世界全体でワクチンへの公平なアクセスの確保、普及を加速していくことが重要である、こうした考えに基づいて、COVAXファシリティーの設立当初から制度設計の議論に我が国は積極的に貢献をしており、本日は、COVAXワクチンサミット、これをGAVIと共催をする予定であります。

サミットには、これはテレビ会議の仕組みでありますが、菅総理を始め、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長、ハリス米副大統領など各国政府代表、グテーレス国連事務総長など国連機関代表、ビル・ゲイツ氏など民間関係者が参加する予定であり、今回のサミットは、本年中に十八億回分のワクチンを確保すべく、現時点で必要とされている追加資金を動員することを目指すものであります。

政府としては、このCOVAXファシリティーが必要とする資金目標を達成できるよう最大限取組をして、日本としてもできる貢献はしていきたいというふうに考えています。

○玄葉委員  

もちろん、自分の国のワクチンの接種がそれぞれ大事だということです。当然、そのことが第一なんだけれども、やはりその陰で忘れてはいけないと思うんですね。そうじゃないと、さっき申し上げたようなことが起きてしまうので、この問題もやはり自分事だと思って、他人事じゃなくて自分事だということで是非取り組んで、もっと言うとリーダーシップを発揮してほしいなと。

この間、たまたま、一週間ぐらい前に、日独の毎年やっている官民半々のシンポジウムというかフォーラムがありまして、私、国会議員として出たんですけれども、ドイツ側からも同じような問題提起がありました。非常に危機感を強く持っていました。ヴルフさんという前の大統領がそのオンラインの会議に出ていましたけれども、非常に強い危機感を持っていましたので、かなり危機感を持って臨むべきだと、今日会議があるということなので。コミットをする額も、やはりきちっと出したらいいと思いますよ、この額は。私は、費用対効果、高いと思いますよ。そのことを申し上げておきたいと思います。

あと残りの時間、皇位継承の話なのでありますが、この問題は非常に難問だと思います。今上天皇の次の世代が、秋篠宮の一親王、つまりは悠仁親王のみだということであります。男の子を産まなければならないような状況で、喜んで結婚する女性がどれだけ現れるのかなども含めて、非常にこれから考えなきゃいけない問題だろうと。

五百十二分の一だというふうに聞きました、確率的に。九人、九方連続で皇室では女性が生まれている。この確率は五百十二分の一らしいです。

ですが、我々国会も、内閣も、やはりこの問題、国家の根本の問題なので、やはり最重要課題としてしっかりと検討しておく必要があるのではないか。歴史の積み重ねというその重みを認識をしながら、他方で現実を直視して検討していかなければならないというふうに思います。

それで、今、有識者の会議が行われているというふうに承知しておりますけれども、結果が出たら速やかに国会に報告するとなっています。いつ頃を目途にこの検討結果をまとめるおつもりなのか、まずお聞きをしたいと思います。

○加藤国務大臣 

まず、この有識者会議は、附帯決議の一において示された課題について、様々な専門的な知見を有する人々の意見を踏まえ議論し整理を行うため、開催をすることにしたところであります。

 現在、有識者においてはヒアリングが行われており、皇室制度、歴史の専門家など、また様々な世代の方からもお話を伺っているところであります。

有識者会議における議論は、その進め方、スケジュールを含め、会議のメンバー皆さんでお考えいただくこととしておるところであり、ヒアリングを踏まえ十分に議論を行っていただきたいというふうに考えております。

したがって、政府から、今、現段階での具体的なスケジュールは申し上げる状況にはありませんが、ただ、先ほど申し上げた衆参両院の委員会で可決された附帯決議の趣旨、これをしっかり尊重して対応していきたいと考えております。

○玄葉委員 

念のための確認を幾つかしておきたいと思いますが、時間がありませんので、ぱっぱっと聞きたいと思います。

一つは、念のための確認と申し上げましたけれども、いわゆる非嫡出の継承なのですが、明治の皇室典範と現行の皇室典範の最大の違い、基本的には男系男子で変化はないわけですけれども、重要な変更点は、嫡出に限るとした点でありますけれども、念のためですが、このことについて、非嫡出の継承は否認されていますけれども、これは今後論点になるという可能性はあるのかどうか、お聞きをしたいと思います。

○加藤国務大臣 

まず、現行の皇室典範を定めるに当たっては、我が国における社会一般の道義的判断などに照らし、天皇又は皇族の資格を嫡出子に限ることが適当であるとして、当時判断されたものと承知をしております。

その上で、先ほど申し上げましたように、有識者会議における議論は、その進め方も含めて、会議のメンバーの皆さんでお考えいただくものであり、政府として、この範囲等々についてコメントは差し控えさせていただいておるところであります。

○玄葉委員 

今日はちょっと、私、これ以上申し上げません。また追ってお話をしたいと思いますが。

もう一つ、憲法二条、つまりは、「皇位は、世襲のものであつて、」とありますけれども、その世襲というのは男系を意味するのかどうかということについても、政府の正式な見解をお聞きをしたいと思います。

○加藤国務大臣 

これまでも国会等でも御説明をさせていただいておりますが、憲法第二条は、「皇位は、世襲のもの」とするほかは、皇位の継承に係る事項については、全て法律である皇室典範に譲っているところであります。

また、同条の「皇位は、世襲のものであつて、」とは、天皇の血統につながる者のみが皇位を継承することと解され、男系、女系の両方が、この憲法において含まれるものであります。

その上で、皇室典範においては男系男子が皇位を継承するとされており、皇位継承の問題を検討するに当たっては、男系承継が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえながら、慎重かつ丁寧に検討を行う必要があるというのが政府の一貫した姿勢であります。

○玄葉委員 

時間ですけれども、何か少し時間を使っていいということでございますので、同じ会派の中での、済みません、三、四分使わせてもらいます。

新旧の皇室典範は、質問通告もしておりますが、養子を禁止をしています。これはなぜなのかということも、改めて政府の公式見解をお聞かせをいただきたいと思います。

○加藤国務大臣 

天皇及び皇族の養子については、歴史的には、皇位の男系継承を維持しつつ養子が行われた例があったとされておりますが、旧皇室典範では、養子は中世以来のもので、古来の典例ではないなどの理由から、第四十二条において、「皇族ハ養子ヲ為スコトヲ得ス」と定められたものであり、現行の皇室典範第九条はこれを踏襲したものと承知をしております。

○玄葉委員 

この養子を禁止するということを変更するということも含めて、これは今後の議論の中で論点に十分なり得るという理解でよろしいですか。

○加藤国務大臣 

そこは、先ほど申し上げました、この会議においては、進め方も含め、会議メンバーの皆さんでお考えをいただくところでもありますが、先般、今、ヒアリングが行われておりますが、ヒアリングにおいては、そうしたことに関して御意見も頂戴していると承知をしております。

○玄葉委員 

もう一つ、国会でも議論があったと承知をしていますけれども、旧皇族の男系男子の皇族復帰の話であります。これは、ちょっとごめんなさい、質問通告していないかもしれませんね。答えられたら答えてほしいんですけれども。

例えば、旧宮家の皇籍取得について、これまで意向の確認はしたことがない、今後も考えていないということを、令和二年二月十日、衆議院予算委員会で菅官房長官当時がお答えになられているのですけれども、この考えに変わりはないかどうかということと、もし変わりがないのであれば、それはなぜか。つまり、プライバシーの問題があるから意向の確認をしないということなのか、基本的に、この問題は、旧宮家の皇籍取得という問題は、選択肢ではないという考えからそうされているのか、その辺りをお聞かせいただけますか。

○加藤国務大臣 

令和二年二月十日に衆議院予算委員会で、当時の官房長官、今の菅総理が、旧宮家の子孫の方々の意向を具体的に確認する予定があるのかとのお尋ねに対し、政府として、衆参両院の委員会で可決された附帯決議の趣旨を尊重し対応していかなければならず、これに注力する旨は述べたところであります。さらに、質問のあった時点で、そうしたことは考えていないという旨を申し上げたところであり、そこは、今の時点においてもその考え方は何ら変わるものではございません。

いずれにしても、先ほど申し上げましたけれども、皇位継承については慎重かつ丁寧に検討を行っていく必要があるというふうに考えており、そうした観点から、引き続き、様々な問題について、まずはこの有識者会議においてしっかりと御議論をいただきたいというふうに思っております。

○玄葉委員 

今のことは、もう一度、理由はどういうことで意向確認をされないのかということだけお答えいただけますか。これはプライバシーの問題ということなのか、それとも、元々そういう選択肢を基本的に考えていないということなのか、お尋ねをしたいと思います。

○加藤国務大臣 

まず、御指摘の事項については、個人のプライバシーにも関わることであり、極めて慎重な対応が必要であると考えております。

○玄葉委員 

分かりました。この問題、冒頭申し上げたように、歴史の積み重ね、これは本当に軽くないというか、大変重いと思います。あわせて、現実も直視しながら、国民の理解と支持を得ながら、一つの合意点というか、しっかり見つけていかなきゃいけないんだろうというふうに思いますので、また今後も機会があれば質問させていただきたいと思います。

どうもありがとうございました。

 

 

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