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Information / 国会議事録一覧

予算委員会で質問に立ちました。(令和5年1月31日 議事録)

○玄葉委員 

玄葉です。まず、外交であります。

政府は、国家安全保障戦略の中で我が国の国益を定義をしています。主権と独立の維持、開かれ安定した国際経済秩序、そして普遍的価値、国際法に基づく国際秩序、この三つ、端的に言えば。私は、これは基本的に賛同いたします。特に、国際法に基づく国際秩序を擁護することの重要性、これは私も、この間、この場でもそうですし、国会の場で何度も申し上げてきたことであります。

他方で、今日、ある意味、注意喚起というか、一言申し上げておきたいなと思ったのは、やはり時代が変わってきて、冷戦、そしてポスト冷戦、グローバル化、その結果として、どうしても各国、国内で格差が広がって、また国家間でも分断というものも起きているような状況ではないかというふうに思っています。そんな時代の中で、普遍的価値、私は賛成ですけれども、ただ、余り価値、価値、価値、価値観外交を強調し過ぎると、上から目線の価値の押しつけのように、例えば価値観の違う友好国に映るんじゃないかということを私たちは気をつけなきゃいけないなというふうに思っています。

例えば、総理はグローバルサウスという言葉を使われましたね。アジア、アフリカ、中南米などに多いと思います、いわゆる中間国。この中間国を、これはとても複雑ですから、どう取り込むかということは私たちにとって最重要課題だと思います。最近は、いわばグローバルサウスの盟主だなんということを、ある意味、胸を張る国も出てきているわけでありますので、やはりこのことを私は冒頭申し上げておきたいなと思ったんです。

例えば、民主主義という価値、これはとても重要な価値です。だけれども、やはりいろいろ調べてみると、民主主義国って世界でもまだ少数なんですよね。スイスの研究所の調査だと、民主主義国とそれ以外で分けると九十八対百七だそうであります。これで、二項対立で民主主義対専制主義ということを余り言い過ぎると、やはり専制主義だとか権威主義国同士が結束しちゃう、こういうことがあると思うので、やはりこのことを私は警鐘として、岸田総理も外務大臣が長いですからよく御存じだとは思いますけれども、そのことに十分注意をしなければならないと思いますけれども、総理大臣はいかがお考えですか。

 

○岸田内閣総理大臣 

まず、御指摘の点、考え方、これは外交を進める上で大変重要な考え方であると思います。今、国際社会における様々な課題に向き合うに当たって、国際社会をどれだけ一致協力させるか。分断が進んでいると言われている中でありますので、なおさら国際社会全体の協力が重要になってくる、こうした時代であると思います。そして、その際に、御指摘のグローバルサウス、中間国をいかに共に協力する仲間に引き入れることができるかどうか、これは外交を動かす上で大変重要なポイントになるということを私も強く感じています。

そして、そうした国々との協力を考える際に、御指摘の、自由とか民主主義とか人権とか、こうした普遍的な価値、これはもちろん貴いものであると思いますが、このグローバルサウス、中間国においては、こうした自由とか民主主義という考え方についても、歴史的背景とか文化的背景とか、これは様々でありますので、我々が先進国の感覚でこうした普遍的な価値を一方的に押しつけることはグローバルサウスを逆に遠ざけてしまうことにもなりかねない、こうした点はしっかり頭に置いておかなければなりません。

普遍的な価値に加えて、例えば、力ではなくしてルールというものを強調していくなど、グローバルサウスとのつき合いにおいて様々な工夫をしていかなければならない、このことを強く感じています。

 

○玄葉委員 

バイデン大統領はどうしても、例えば、ロシアと向き合うときに、民主主義対専制主義とか権威主義と二項対立にしがちだというところが率直に言うとあると思うんです。そこに日本の独自の役割があって、私、今おっしゃっていただいたような考え方はとても大事で、やはり価値も大事なんです。大事なんだけれども、むしろこれからの時代は、価値よりも原則とか最低限のルールとかということを強調する外交にした方がいい。

だから、私は、もう七、八か月前から、ロシアとの向き合い方も、国際会議なんかで申し上げるのは、最低限のルールを守る国対それすら守れない国、こういう言い方をあえてするようにしているんですね。そういう姿勢が、グローバルサウス、中間国を取り込む上で大事なんじゃないかということを改めて申し上げておきたいと思います。

一つだけ、開かれた国際経済秩序という国益、先ほど申し上げましたけれども、及び日本の役割というものを考えたときに、一つお尋ねしておきたいというのは、TPP。TPPは、いわば日本はお世話役というふうに申し上げてもいいと思うんですけれども、このTPPに対する中国と台湾の加入申請、これをどう扱うかというのは、私は日本独自の役割の発揮のしどころという側面があるのではないかというふうに思っておりますけれども、岸田総理、いかがですか。

 

○岸田内閣総理大臣 

まず、現在のCPTPPですが、これは自由で公正な経済秩序を構築するという戦略的な意義を有し、市場アクセスの面でもルールの面でも高いレベルの協定であると考えています。

そして、それに対しての中国、台湾が加入を希望しているという問題についてですが、中国の貿易慣行に関しては様々な意見があると理解しており、中国が協定の高いレベルを完全に満たすことができるかどうか、これをまずしっかり見極める必要があると考えます。

そして、台湾についても同様にしっかりと見極める必要がありますが、我が国にとって、基本的な価値を共有し、緊密な経済関係を有する極めて重要なパートナーである台湾ということを考えますと、加入申請に向けた様々な取組を公にしてきている、こうした台湾の具体的な取組等を考えますときに、我が国としては、そのような台湾の申請を歓迎しているということを従来から申し上げています。

いずれにせよ、高いスタンダードをしっかりとクリアできるかどうかということを見ながら、既に参加している国々ともよく相談していかなければなりません。その際に、我が国としては、戦略的な視点、そして国民の理解、こうしたものもしっかり念頭に置きながら、この加入問題について取り組んでいかなければならないと考えます。

 

○玄葉委員 

これは、一言で言うと、日本外交のてこになり得る問題だというふうに思っていますので、おっしゃるとおり、高い水準を満たすということが大前提でありますけれども、うまくハンドリングしていただいて、いわば国益である開かれた経済秩序、ひいては緊張緩和も含めて、野心を持ってこの問題に向き合ってもらいたいと思います。もう一言いただけますか。

 

○岸田内閣総理大臣 

CPTPPをてこにして、そして好ましい環境の実現につなげていくべきではないか、こういった御指摘がありました。そういったことも含めて、先ほど申し上げました戦略的な視点が大事だというふうに申し上げました。我が国の国益のありようということも考えながら、戦略的にCPTPPについても考えていきたいと思います。

 

○玄葉委員 

次に、防衛です。私たちの考え方を簡単に御紹介をさせてください。

先月、年末にまとめております「外交・安全保障戦略の方向性」であります。専守防衛に徹しつつ、時代の変化に対応した質の高い防衛力を着実に整備をする。ミサイル防空能力の強化、長射程化を含むミサイル能力の向上。戦い方が大きく変わっておりますので、宇宙、サイバー、電磁波、そしてドローンなどの無人機、無人船、ロボットの導入、そして継戦能力、原発を含めた重要施設の防護など、抑止力、対処力を強化をして、さらに国民保護に万全を期すということであります。

厳しい安保環境を踏まえて、防衛力強化という方向性は同じで、一定の防衛費増額は理解をいたしますが、他方で、年四兆円もの大幅な増額に対しては、急に背伸びをし過ぎているのではないか、身の丈を超えているのではないかという認識でおります。あれもこれもとなっていて、戦略的な合理性や費用対効果について事前に十分な検討がなされていないのではないか、そういう認識を持っています。

今日は取り上げませんけれども、費用対効果など、今後、各装備について国会の場でしっかりと検証していきたいというふうに考えております。

次に、反撃能力であります。まず、政府の打ち出した反撃能力の保有、行使につきましては、これまでも申し上げてきましたけれども、第一撃における先制攻撃リスク、ここには懸念があります、戦争をしかける側に回るリスクがあります。存立危機事態における反撃能力の行使も、昨日、岡田さんが取り上げました。

他方、いわゆる反撃能力一般につきましては、ここに保有、行使の三条件ということを書かせていただきましたけれども、必要性と合理性、専守防衛の枠内の三条件に合致をしなければならない。つまり、三条件に合致する反撃能力の保有、行使は認めるけれども、合致しない、それは認めない。つまり、三条件に合致する、認め得る反撃能力の保有、行使もあれば、そうでないものもあるというのが私たちの正式な考え方でございます。そして、政府からは、この必要性、合理性についてクリアカットな説明がなされなければならないということでございます。

そして、ここでは、時間の関係で、その必要性について基本的なところだけ取り上げたいと思います。

政府は、この反撃能力の必要性について、二つの文書、三文書では、ほとんど詳しい説明は残念ながらございません。六十ページあるうち、一ページだけ割いて説明をしているだけでございます。つまりは、一言で言えば、北朝鮮からのミサイル攻撃に対処することが必要の全てのような記述になっているように思います。そこで、幾つかのことだけ確認をさせてください。

基本的なことです。果たして、この反撃能力というのは、北朝鮮によるミサイル攻撃だけを想定しているのか、それ以外の国からのミサイル攻撃も想定しているのか、お答えをいただけますか。

 

○岸田内閣総理大臣 

まず、反撃能力については、特定の国や地域を念頭に置いたものではないということは言うまでもありません。そして、現実、我が国へのミサイル攻撃の脅威に対して対応することを想定した三文書の内容にはなっていると思います。

そして、それ以外の事態においてこれを使うことがあるのかということでありますが、これについては、先ほど委員御自身もおっしゃったように、反撃能力、これは専守防衛の範囲内で対応する、これは当然のことでありますし、何よりも、武力行使の三要件、これを満たさなければならないわけであります。必要最小限、あるいは他に適当な手段がないこと、こうした要件等もしっかり満たさなければならないということでありますので、これは、今、現実を考えますと、まずはミサイル攻撃に対する対応が現実的に考えられる課題であるということで考え方を整理しているということであります。

他のケースの場合は、他に適当な手段がある等、武力行使の三原則に合致しているかどうか、これをしっかり確認した上でこうした手段を行使するということになるんだと考えます。

 

○玄葉委員 

いや、北朝鮮からの弾道ミサイル対応だって今おっしゃった武力攻撃の三要件を満たさなきゃいけませんから、これは、北朝鮮によるミサイル対応だけではなくて、他国からのミサイルも対応するし、ミサイルだけではなくて、例えば爆撃機とかあるいは無人機とかそういったことに対してもこの反撃能力は私は当然行使し得ると思って書いているのではないかと想像するんですけれども、そういう理解でよろしいですね。

 

○岸田内閣総理大臣 

まず、北朝鮮以外のミサイル攻撃に対してもこうした対応を考えることになる、これはそのとおりであります。そして、ミサイル攻撃以外のケース、爆撃機等のケースについても、武力行使の三原則、この三原則に本当に合致するかどうか、これをしっかり確認をする、必要最低限のみならず、他に手段がない、こうした点も考えた上で使用する手段を考えていくということであります。

反撃能力についても、理屈上、その原則に基づいて、その範囲内で対応を考えていくということであります。

 

○玄葉委員 

いや、これはある程度きちっと言わないと抑止も働かないと思うんですよね。だから、仮に、日本、特に島嶼部に例えば武力侵攻があって、他国から戦闘機が来たり艦船が来たりしていて、それに対して、その他国の母港だとかに対して反撃能力を行使する、こういうことというのはあるわけですよね、当然。

 

○岸田内閣総理大臣 

先ほど申し上げましたが、個別具体的に対応を考えます。その際に、具体的な武力攻撃に対して、必要最小限であり、そして他に手段がないという武力行使の三要件、これをしっかりと厳密に適用しなければならないと申し上げています。戦闘機の飛来に対して、本当に反撃能力、これしか手段がないのかどうか、これを厳密に考えた上で現実に対応しなければならない、このように申し上げています。

 

○玄葉委員 

その上での反撃能力の行使は否定しない、こういうことでいいですね。

 

○岸田内閣総理大臣 

具体的な対応は個別具体的に考えなければいけませんが、考え方は今申し上げたとおりであります。

 

○玄葉委員 

これは昨日も出ていましたけれども、例えば平和安全法制のときは、例えば米艦防護であるとかあるいはペルシャ湾の機雷掃海だとか、ある意味分かりやすい例示を幾つか出して議論したわけです。ですから、私、今回の反撃能力の議論も、昨日は岡田さんが、存立危機事態における反撃能力の行使の形態を例示してほしい、こういうふうにたしかおっしゃったと思いますけれども、やはり幾つかの分かりやすい例示を、細かく出さなくていいですよ、出してもらえませんか。

 

○岸田内閣総理大臣 

分かりやすい説明は大事であり、そのための分かりやすい例を示すということは考えられると思います。しかし、委員おっしゃるように、より具体的な個別の事態について、この場合はこうする云々までは示すことは安全保障上考えられないと思っております。

 

○玄葉委員 

是非、分かりやすい例示をこれから出して、議論を深めたい。だって、あの三文書には本当に一ページだけ、北朝鮮のミサイル対応しか出ていないので、それじゃもう議論にならないし、総理だってこの場でしっかり議論を深めるとおっしゃっているので、分かりやすい例示を是非出してもらいたいと思います。

次の点ですけれども、この政府の三文書を熟読いたしましたけれども、足りないところがあると思っています。

そのうちの一つは海底ケーブルなんですけれども、これは、我が国と外国のインターネット回線の九九%は海底ケーブルでございます。三文書のどこにも記述がございません。切断されれば、被害は甚大です。少し沖合に出れば丸裸です。かつての大戦では、ドイツの海底ケーブルはイギリスによって切断をされました。冷戦中は、アメリカの潜水艦がソ連の海底ケーブルから情報収集をしておりました。

これは、切断リスク、傍受リスク、もっと言うと、陸揚げ局、陸揚げ局というのはケーブルを陸地に引き揚げるときの拠点ですけれども、陸揚げ局のシステムへのサイバー攻撃、こういったことも含めてしっかり検討しているのかどうか、対処の仕方を。総理、いかがですか。

 

○岸田内閣総理大臣 

海底ケーブルの重要性、これは委員御指摘のとおりであります。そして、国家安全保障戦略には、そうした用語自体、そのものは使われておりませんが、「多岐にわたる分野において、政府横断的な政策を進め、我が国の国益を隙なく守る。」という記載の一環として、海底ケーブルの防護にもしっかり取り組んでまいります。

政府においては、通信事業者と連携し、ケーブル切断時に備えた海底ケーブルの多ルート化、あるいは障害発生時の連絡体制、事業者間の連携体制の確立、そして、特に問題になるのが陸揚げ局、陸に揚がってくる部分ですので、警察による陸揚げ局の警備の強化、こうした取組を行っているところであり、引き続き、安全確保に向けて必要な対策を取っていきたいと考えます。

 

○玄葉委員 

安保三文書の検討プロセスで、この問題をきちんと検討した形跡がない。だから、多分、文書に一行もない、言葉もない。だから、これはしっかり、総理、安保という観点で、多分、総務省のレベルではやっていると思います、安全保障という観点で、国家全体から見渡したときに、総点検をする。今申し上げた切断リスク、傍受リスク、あとはサイバー攻撃リスク、この三つについてしっかり総点検してもらいたいというふうに思います。このことが最たる例なんですけれども、例えば軍備管理だとか国民保護なんかも、率直に言うと通り一遍になっているんじゃないかなと。

昨日の原発防護も、議論の中で、私、総理が何で答弁しないのかよく分からなかったんですけれども、原発の大きなリスクというのは使用済核燃料です。例えば三・一一のとき、私は、被災地で、当時、閣僚兼政調会長でしたけれども、そのときに最大のリスクは何だったかというと、あのとき、四号機の使用済核燃料のプールの水がなくなったら東日本全体が失われるんじゃないかと言われたんです。

だったら、使用済核燃料を乾式キャスクに入れたらいいんじゃないですかと昨日言ったわけですよ。それに対して、何か、ミサイル攻撃を守るから大丈夫だみたいな答弁になっちゃっていて、いや、総理がきちっと指示して、乾式キャスクに入れましょうとリーダーシップを取ったらいいと思いますよ。

 

○岸田内閣総理大臣 

昨日言いましたのは、貯蔵プールであれ乾式キャスクであれ、原子力規制委員会の新規制基準、世界最高水準の規制、これをクリアしなければならないという点については同じであるということを申し上げました。どの方式であれ、基準をクリアしないものは使えないということを申し上げた次第であります。

 

○玄葉委員 

違うんですよ。総理、使えなくたって、実際に、例えばF1なんて、あれは点検中ですからね、この間の三・一一のときの四号機というのは動いていなかったんですよ。それで使用済核燃料を冷やしていたんです。だから、そういうものをきちっと乾式キャスクに入れましょうと言っているだけなんですよ。

 

○岸田内閣総理大臣 

乾式キャスクを否定しているわけではありません。基準をクリアすることが大事だということを申し上げております。

ですから、どういった方式であっても、原子力規制委員会の規制をクリアすることが大事だということを申し上げていますので、乾式キャスク自体を否定しているものではありません。

 

○玄葉委員 

だから、総理、それを進めてください、是非。

 

○西村(康)国務大臣 

総理から答弁があるところですけれども、規制委員会は、プールの貯蔵であっても乾式キャスクであっても、安全基準に差はないということで両方とも認められておりますので、私ども、それは両方ともやっております。ただ、乾式キャスク、今後のものについて、乾式のキャスクを使うものについては経産省も補助を上乗せするなど、それを進めているところであります。

いずれにしても、PAC3などの訓練も含めて、安全防護については、関係省庁と連携して万全を期していきたいというふうに考えております。

 

○玄葉委員 

PAC3も、実は、いわゆるイージス艦で撃ち漏らしたミサイルをPAC3で最後に撃ち落とすことになっているんですけれども、原発を守るための配置になっていないんですよ、全然。ですから、原発防護という観点から、きちっともう一回点検をしてもらいたいということでございます。

話題を変えたいと思いますが、復興財源のうち、特に復興税の活用について、私も、つらかったけれども正面から御負担をお願いをした責任者の一人として、これは一言申し上げておかなければならないというふうに思っております。

二・一%上乗せして二十五年間、時限措置なわけです。これはちなみに、昨日、個人の負担は増やさないとおっしゃっていましたけれども、当然ですけれども、二〇三七年、ある時期からは所得税の増税になって負担は増える、これは確認ですけれども、そういうことですよね。

 

○岸田内閣総理大臣 

復興特別所得税を考える際に、現下の家計の負担増にならないという点を重視しました。おっしゃるように、二〇三八年度以降につきましては、引き続き課税が続くわけですので、その分負担が続く、増える、これは御指摘のとおりだと思います。

 

○玄葉委員 

これは、目的はやはり復興のためにつくったので、勝手に延長しないでほしいというのが私の率直な思いでございますけれども。同時に、これも確認なんですけれども、将来、延長された復興税の課税期間の終了後、この二・一%全てを防衛財源に使う、つまりは、復興税からすれば、ひさしを貸して母屋を取られるみたいな、あるいは防衛財源からすれば、ひさしを借りて母屋を乗っ取るみたいな、そういうことというのはあり得るんですか。

 

○岸田内閣総理大臣 

制度として設けた結果として、御指摘のようなことになるんだと思っております。ただ、これの大前提は、復興財源には影響は及ぼさないということであります。当初の復興に確保するべき財源については期間の延長等を通じてしっかり確保した上で、こうした制度についても工夫をお願いできないかということを考えております。

 

○玄葉委員 

今のお話は、ある時期からは二・一%全てを防衛財源にしていくということですから、少なくとも、指摘のとおりということはそういうことだと理解しましたが、それは違うんですか。

 

○岸田内閣総理大臣 

この二・一%全てを防衛財源に振り向けるものではありません。御指摘のように、高さを下げて、その下がった分を防衛予算に振り向けることができないか、こういったことを考えております。これは復興財源に充てるのが終了したならばその全部を防衛に回すという仕組みにはなっていないと理解をしています。

 

○玄葉委員 

当面、復興財源に支障がない、これは私、分かります。ただ、長い将来にわたってそうかというと、必ずしも絶対とは言い切れないのではないか。なぜかというと、令和八年以降の復興財源は決まっていません。実際にどのぐらいかかるかも決まっていません。拠点外を全部除染する、結構お金がかかります。今まで復興財源というのは、復興税、税外収入、決算剰余金、歳出改革、これでつくってきました。今回の防衛財源と全く同じです。防衛財源にそれらを使っていくということになると、結果として、将来にわたって絶対に復興財源に支障が出ないとは言い切れないんじゃないですか。大丈夫ですか。

 

○岸田内閣総理大臣 

復興の取組については、必要なものは政府としてしっかり確保し、復興事業を進める、こうした方針で取り組んできました。そして、税制改正大綱を見ましても、東日本大震災からの復旧復興に要する財源については引き続き責任を持って確実に確保することとするとしております。

必要なものについては国が責任を持って財源を確保し、復興事業を進めていく、これが基本であると認識をしています。

 

○玄葉委員 

時間が来ましたので、最後、指摘だけにいたしますけれども、東京二十三区、一昨年初めて転出超過になったのに、転入超過にまた戻っちゃったというニュースを今朝やっておりました。

私、去年、この場で、異次元と言うと語弊がありますけれども、分散社会をつくるためのいろいろな提言をさせていただいた記憶があります。コマツ建機の例を挙げて、本社を東京から石川に移したら、実は少子化対策にも大変効果があったという話もさせていただきました。

 

○根本委員長 

玄葉光一郎君、申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。

 

○玄葉委員 

後との関連で調整しますから、心配ありません。

是非、指摘だけにいたしますけれども、少子化対策をするためにも、それこそ分散型社会をつくるための施策を大胆に講じてもらいたい。私、そのことをやはりどうしても総理に申し上げたい。あのときに、私立大学の一部、学部だけでもいいから例えば地方に誘導したらどうかということを言いましたけれども、是非そんなことも含めて考えていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

どうもありがとうございました。

 

 

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