東日本大震災復興特別委員会で質問に立ちました。(令和5年3月14日 議事録)
○玄葉委員 玄葉です。 渡辺大臣、図らずも再度の御就任ということでございます。改めて、再度の御就任ということでありますから、是非それを生かして、リーダーシップを発揮してもらいたいというふうに思います。
まず、F―REI、福島国際研究教育機構について質問をさせてください。 私、このF―REI、大変期待をしているところであります。四月一日から鳴り物入りでスタートするわけであります。何とかよいものに仕上げなきゃいけない、世界に冠たる研究機関にしてみたいと思うのですが、残念ながら現時点では私自身はまだ将来の成功を確信するまでには至っていない、不安があるということなんです。 特に何が不安かというと、ここにも通告させていただきましたけれども、目玉とすべき研究テーマが十分練られていないんじゃないかということを私自身も感じますし、実は、多くの関係者の皆さんから私に心配だという声を届ける方々が多いです。実態です。どういう研究を、どんな研究者が、どんな設備で行うのかということについて、これは復興大臣が腹を据えてどこかで決めていかなきゃいけないというふうに思いますけれども、このことについて、通告してございますので、是非私の不安を払拭するような御説明をいただければと思います。
○渡辺国務大臣 玄葉委員、ありがとうございます。 私の認識も、玄葉委員の認識も、やはり福島の創造的復興の中核的な位置づけであるという認識はF―REIについてお持ちだというふうに思っております。その中で、四月一日の設立に向けて現在準備を進めているところであります。 不満な点があるということでありますが、まず基本的なところをちょっとお話をさせていただきたいというふうに思います。 研究内容については、新産業創出等の研究開発基本計画に基づいて現在五分野を予定しております。F―REI設立時において主務大臣が策定、指示する中期目標などを受けて取り組むこととなりますが、例えば、ロボット分野では、廃炉に資する高度な遠隔技術や、過酷な環境を含めた様々な環境下での使用を想定したロボット等の研究開発、また、放射線科学、創薬医療分野では、放射線及び放射線同位元素の利用に関する基礎基盤研究を軸とした、多様な分野への成果の応用を見据えた一体的な研究開発や、放射線の先端的医学利用や先端的な創薬技術開発等を進めていくこととしております。 こういった先端的なものを進めていくためには、国内外の優秀な研究者の参画を得なければなりません。福島を始め東北の被災地の中長期的な課題、ひいては世界の課題の解決に資する、国内外に誇れる研究開発を実施していきたい、そのように思っております。 F―REIは、福島を始め東北の復興を実現するための夢や希望となるとともに、我が国の科学技術力、産業競争力の強化を牽引する、世界に冠たる機関として研究開発を実施できるよう、復興大臣として福島の復興再生に全力で取り組んでまいりたいと思います。
○玄葉委員 急に改めてまた復興大臣になられて、前任者が突然お辞めになるということもあって、大変だとは思います。ただ、すごく大事な時期なんですね。もっと具体的に、是非お答えいただきたいと思います。つまりは、先ほど申し上げたように、目玉とすべき研究テーマを何にするのか、そして、どういう研究者を中心に行うのか。それが決まれば、どういう設備を整えるのかということが決まります。 実は、元々の予定は、令和四年の段階で設備の仕様とかを決めるという予定だったはずなんですね。だから、私は不満というより不安なんです。これは、大臣の交代のデメリットでもあると思うんですよね。だから、しっかりとここはリーダーシップを取ってもらいたい。 私もかつて科学技術担当の大臣もやらせていただいたことがあったんですけれども、復興庁という組織がこういう研究施設のいわゆる先頭に立つというのは初めてだと思うんですよね。だから、なかなか大変だと思います。恐らく職員は、各省庁から来ていると思いますけれども、みんなでお見合いしていると思います。どういうふうにしていいか分からない。 だから、誰かが腹を据えて、こうだ、放射線医学なら放射線医学をやるんだ、がん研究の世界のメッカにするんだとどこかで決めて、もちろん相当周到な準備をした上でですけれどもね。誰に分野長を頼むんだ、だから世界一のこういう加速器が必要なんだとかですね。そういうふうに決めていかないと、多分うまくいかなくなるので。 大臣、是非、今日はどこまで答えられるかというのはあるかもしれないんですけれども、今私が言ったことは是非頭に入れていただいて、よく省内で検討してください。
○渡辺国務大臣 当初、私が前回の復興大臣のときに、福島国際研究教育機構の設立が必要だという発案をさせていただいたのであります。 それはなぜかと申しますと、当然のことながら福島は世界では有名。有名であっても、これはマイナスイメージであります。このマイナスをプラスにいかに転換していくかということが大変重要だということで、ポジティブなものは一体何だろうかと。ここには、多くの海外からの優秀な人材に福島に来てもらおう、日本からも来てもらおう、それは研究だけでなく、産業に転換していく、社会に実装していく、そういった仕組みが必要だろうということで、当初、私が発案をさせていただき、それぞれの有識者の皆さん方に検討していただいたところであります。 こういった状況の中で、私は、玄葉委員と全く同じで、せっかく立ち上げたものは、途中で潰れていってしまうのは絶対許されないというふうに思っておりますので、その中で、大事な、現在の段階で、まず五つの基本的な目標設定をさせていただきました。この五つの目標設定の中では、それで十分ではないじゃないかという意見もありますが、まずはここの中で優秀な世界の学者の皆さん方又はアドバイザーの皆さん方に来ていただいて方向性を決めていただこう、そのように思っているところであります。 したがいまして、委員御指摘の中で、がんのお話も今ありました、加速器の問題もありますけれども、当然のことながら加速器というのは時代によってまた変わってまいりますので、最先端のいいものを是非ともそういったところでは設置して、世界の優秀な学者の皆さん方に来ていただける、こういった環境ができればいいなと。これは、ちょっと個人的な見解も含めてでありますけれども。こういったものを含めて、これからのF―REIは絶対失敗してはいけない、そんな思いで今後も進めてまいりたい、そのように思っております。
○玄葉委員 山崎新学長ともいろいろとお話をしたんですけれども、山崎さんに任せ切りでは駄目だと思います。山崎さんは山崎さんで、全体のマネジメントとか、ほかにいろいろなことをやらなきゃいけないので。 目玉決めを、本当に腹を据えて復興大臣の下でやらざるを得ません。首相と相談してもらって、首相もある意味引き込んで。首相が本部長ですから。首相を引き込んで、いわば分野長のような、その目玉となる分野長を国家を挙げて決める、その姿勢だと思うんですよね。それはすごく大事なので。復興大臣、もう一言だけ、そういう腹積もりでやるということだけは言ってください。
○渡辺国務大臣 私にとって、福島を復興再生することが最大の目的であります。したがって、F―REIについては、まずは、福島の方で既に福島イノベーション・コースト構想という構想がございます、これだけでは不十分だ、これと連携しながら牽引する役割がまさにF―REIだというふうに思っておりますので、この牽引役が頓挫したら困ってしまいますので、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○玄葉委員 いや、是非もう一回。首相を巻き込んで、この目玉とすべきテーマについては首相を巻き込んで分野長も含めてしっかり決めていくということを言ってくださいということを申し上げています。
○渡辺国務大臣 政府全体として、これは総理も含めて政府全体として取り組んでまいります。
○玄葉委員 是非、本当に私は不安なので。これまで、この問題にイノベーション・コーストから始まって努力された方々はたくさんいらっしゃると思います。その方々の思いも込めて、とにかくよいものに最後は仕上げて、まだ最後じゃないけれども、スタートなんですけれども、やはり結構遅れていますので、しっかりと仕上げていくということをしていきましょうということなんです。質問通告を、朝、急に申し訳なかったんですが、追加したんですが、ちょっとできないですね、時間がなくて。 もう一つだけ申し上げますと、今度、特定帰還居住区域という言葉を使いますね。いわゆる復興拠点と違う、復興拠点外、帰還困難区域の話ですけれども、テーマが変わりました。復興拠点以外の問題で、今度は、その中のいわゆる帰りたいという人たちのための区域設定をするわけです。 問題は、いつも申し上げてきたんですけれども、帰還しない人の土地とか家屋とか、そういうものも含めた全体像がやはり最後は問題になるんですね。今回の帰還居住区域というのは一歩前進だという評価もあります。私もそういう面はあると思うんですけれども、他方で、逆に複雑になったという方々もいらっしゃるんですね。やはり問題は、帰還しない人たちも含めた全体像をどうしていくかということの提示がないと、なかなかこの問題は前へ進まない面もあるというふうに思いますので、この点についての基本的な考え方を今日は聞いておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 今回、法案の中で、特措法の一部を改正する法律案を提出させていただきました。その中に特定帰還居住区域という新たな概念を設けさせていただいたわけでありますが、ふるさとに帰りたくても帰れない人たちが三万人近くいらっしゃる、こういう人たちが帰れる環境をつくるためには、その居住区に対する除染とか、生活環境を整備する、こういったことが必要になってまいります。 まずは、帰りたいという人たちに、まず第一歩、帰っていただいて、その中で今後の課題について市町村との連携をしながら対応してまいりたいというふうに思っております。(玄葉委員「帰還しない人たちの全体像」と呼ぶ)全体像については、まず第一歩、一つ、帰還したい人たちのために環境整備をしていく、そういうふうにしていきたいというふうに思っております。
○玄葉委員 今日は終わります。ありがとうございました。